総がかり行動実行委が国会請願署名を開始 大軍拡と大増税に抗して
- 2023年 2月 21日
- 評論・紹介・意見
- 増税岩垂 弘軍拡
護憲団体が結集する「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が、2月14日から、新しい国会請願署名運動を始めた。新署名のタイトルは「平和、いのち、くらしを壊す大軍拡、大増税に反対する請願署名」で、署名の宛先は、衆院議長と参院議長。岸田政権が昨年暮れ、「安保関連3文書」の改定を閣議決定し、防衛費の大増額、敵基地攻撃能力の保有、そのための大増税に乗り出したことから、護憲勢力として危機感を深め、そうした動きを阻止するために今度の請願署名運動を始めたわけだが、岸田政権による閣議決定以来、動きが鈍かった護憲勢力がようやくエンジンをふかし始めた形だ。
「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」は、安倍内閣が集団的自衛権の行使容認に道を開く安保関連法案を国会に上程した時、その成立を阻もうとした旧総評系の「戦争をさせない1000人委員会」、共産党系の「戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター」、市民団体の「憲法9条を壊すな!実行委員会」などが中心となって2015年2月につくった組織。同年9月19日に安保関連法が国会で成立した後も、毎月19日に国会周辺で「安保関連法の廃止」を訴え続けている。
新しい請願署名用紙にはこう書かれている。
「いま日本は、『戦争か平和か』の歴史的岐路に立っています。
政府は、2022年年末に『安保関連3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)』の改定を閣議決定しました。他国に直接の脅威を与え、先制攻撃も可能な『軍隊と武器』(敵基地攻撃能力)を持とうとするものです。 2015年の安保法制での『戦争国家づくり』を実践するもので、専守防衛をふみにじる憲法違反です。
政府は、『<専守防衛>に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならず』といいます。しかし、世界第3位の軍事大 国になり、他国攻撃ができる長距離ミサイルを持つことが、周辺国の不信をあおり、脅威をあたえ、軍拡競争を過熱させることは明らかです。安保法制を実行して敵基地等を攻撃すれば、日本が攻撃されていなくても他国を攻撃することになり、相手の報復攻撃をまねき日本が戦場になりかねません。
政府は、軍事費について2027年度までの5年間の総額を43兆円とし、27年度にはGDP(国内総生産)比で2%と現在 の2倍にするとしています。財源確保のために大増税と国債発行を行うとしており、くらしを直撃します。軍事費増で、いま でも不十分な教育費や社会保障費への国の支出が減りかねません。これらの結果、くらしも経済も立ちいかなくなること は戦前の歴史が示しています。
不確実性が高まる国際情勢のもとで、憲法9条を持つ国としていま行うべきは『戦争の準備』ではなく、対話と外交に よって『戦争をさける努力』です。それこそ政治の責任です。
この国のあり方を根本からくつがえし、くらしを壊す大軍拡を開かれた論議もなしに閣議決定ですすめたことは民主主義、立憲主義に反しています。
以上のことから、以下のことの実現を求めます。●平和、いのち、くらしを壊し、国民に負担を押しつける大軍拡、大増税はやめてください。●大軍拡などを決定した『安保関連3文書』改定を撤回してください」
署名用紙には、連絡先として次の3団体が書かれている。
戦争をさせない1000人委員会(03-3526-2920)
憲法9条を壊すな!実行委員会(03-3221-4668)
戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター(03-5842-5611)
署名用紙は総がかり行動実行委員会のホームページからダウンロードできる。
初出 :「リベラル21」より許可を得て転載http://lib21.blog96.fc2.com/
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion12835:230221〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。