経産省前脱原発テント座り込み日誌3月10日版
- 2023年 3月 13日
- 時代をみる
- 木村雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2023年3月10日は、座り込み4,199日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
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3月10日に開催した抗議集会の記録とメッセージ文を収録しています。是非ご覧願います。
また、写真・報告・動画を早川由美子さんが次に収録しています。
https://www.petiteadventurefilms.com/20230310_report
ここで水野春雄さん(新地漁協組合員)の15分間のビデオメッセージ「海はすべての命の源!海はオレたち漁師の仕事場だ!」を観られます。
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◎ 座り込みをめぐるトラブルもあったが 3月5日(日)
今日の座り込み参加者は累計8人。曇空で風もあるが、震える寒さではない。季節は確実に春に向かっている。2街区離れた日比谷通りは東京マラソンで賑わっているが、ここ霞が関は、無縁の静けさである。
今日のアピール用セッティングの1つに、トラメガの三脚2台にそれぞれのぼり旗を立て、その間に横断幕を張ってみたのだが、どうにも風に弱い。「砂袋とか重しがあるといいのにねー」と話していると、藤原節男さんがひらめいて、テント事務所から2リットルの飲料水入りパックを持ってきてくれた。1台の三脚に3パックずつ取り付け、バッチリ安定!
ただし撤収後に確認すると、1つのパックから水が漏れていた…。
さて、困ったことに、座り込みメンバーの間で言い合いがあった。いつも遅刻して参加するはしゆきさんに、藤原さんが「遅刻しないで、来れないか」と強く迫った。すると、はしゆきさんは「無理だから日曜担当を辞める」と言って帰ってしまった。最近の日曜日は、通しで参加できる人、つまり座り込みのセッティングから撤収まで手伝える人が不足している。リーダーの藤原さんは、中途参加するメンバーに、通しでの参加を呼びかけていたのだが、それが裏目に出た形だ。
藤原さんは、テントひろば活動に良く尽くしている人物で、座り込みの体勢を懸念しての行動であったことは分かる。しかし、その人にとって無理なことは、結局、長続きしない。この問題を解決するには、通しで参加できる人を新規に獲得することだ。この日誌をご覧の方から、「私なら出来る!」との声が挙がれば幸いです。なお、はしゆきさんは火曜日の後半を担当することになったそうだ。はしゆきさんが書いた火曜の日誌を、近いうちに目にするだろう。 (M島)
◎ 日曜担当から火曜担当に、担当を変わった 3月7日(火)
Y本さんがギックリ腰で辛そうでした。Aさんも確定申告?で忙しいらしく、「荷物片付けを誰がやるか」が、結構、問題になっていたところだったようでした。火曜後半の当番は、今までも、よくお手伝いに来ていたのですが、この日ほど役に立った感のある日は初めてでした。日曜担当から喧嘩別れして移動してきたけど、怪我の功名?。「まあ、これはこれでいいんじゃないかな」という感じです。写真は連続ツイートに載っています。
https://twitter.com/keroppu8649/status/1632982403764596736/photo/1
気持ちの良いお天気です。通りかかる人で、我々の横断幕をじっと見ながら歩いて行く人も多いです。まもなく、また、3月11日がやってきます。
(はしゆき)
◎ 岸田内閣の軍拡に対する演説がよかった 3月8日(水)
暑いくらいだった。陽ざしが強いので、今日はパラソルを持っていった。セッティング作業をしていると、暑くて、保っちゃんは上着をぬいで半袖になった。暖かくいい天気なので、Okさんがきた。「テントひろばにくると、ほっとする」と言われた。Okさんは、高市早苗の「文書は、ねつ造」を批判していた。久しぶりにAさんがきた。「なにかの裁判があると思って来た」と言われ、しばらく近況を話して、裁判所に行かれたが、「なかった」と、また、テントひろばに戻ってきて、座り込みをして、帰られた。
原子力規制庁から、倉田さんとヨーカンさんが回って来られた。ヨーカンさんは「この後、T駅で9条の会の街宣をやるの」と出かけられた。倉田さんは二つのことについて演説。一つは「欧州加圧水型原子力発電所用の規制基準と、日本の新規制基準とを比較すれば、安全設備、溶融炉心対策、格納容器の強さなどにおいて、日本の対策は脆弱だ」と指摘された。もう一つは「岸田内閣が対中戦争宣言をして、反撃能力・敵基地攻撃能力の保有に基づいて、国内総動員体制を築いたうえで、米政府とともに台湾有事を煽って、南西諸島を戦場にしようとミサイル基地を建設している、許せない」という内容だった。そして、「私たちは、先の戦争と、戦後の歴史をちゃんと学び直していかないといけない」と言われた。
当番のマリさん、常連のAnさん、「9条改憲阻止の会」の三上さんやSさんが参加。東京西部ユニオンの2人が加わった。(T・I)
◎ ここのところ、初夏のような陽気が続く 3月9日 (木)
初夏のような暖かさで、動くとあせばむほどだった。いつも、一人で荷物を運んで下さるYさんが腰を痛めたと聞いて、「手伝わねば」と思って、早めに事務所に行ったら、もう出発の準備が出来ていた。頑張るYさんです。しばらくして、はしゆきさんも来てくれて、運搬のカートを押してくれたので、助かった。12年の歳月を経て、みんな、だんだん年を取って、今後の反原発運動が心配です。
セッティングが終わって、すぐに、東京西部ユニオンのお二人や、Aさんが来たので、少しにぎやかになった。はしゆきさんは、リコーダーの演奏をし続ける。Yさんが、経産省の敷地に、所在なげに立っていた外国の女性に椅子を勧めたら、来て座って下さったので、つたない英語で少し話した。デンマークの方で、ソーラーパネルの会議に来られたとのこと(詳しくは判らないけど…)。デンマークには原発はないそうだ。デンマークと聞けば、アンデルセンしか思い浮かばなかったので、そのことを話したら、彼女は、アンデルセンの生れた街出身とのこと。そして「アンデルセン博物館は、日本人が設計した」と教えてくれた。帰って来て調べたら隅研吾さんだった。原発に反対して、ずっと座っていることは伝えたけど詳しい説明が出来なくて、ちょっと残念!
明日は札幌に行くそうだ。
渡航の制限が緩和されて、外国の方が増えてきたので「英語のチラシも用意した方が良いのでは」と思う。体調を崩して、しばらく休んでいたSyさんが久しぶりに来て、座り込んで下さったそうで、嬉しい。午後2時半からJKS47の月例祈祷会があったが、その前にヨーカンさんと私は失礼した。「25人くらいの参加者だった」と後で聞いた。(I.K)
◎ 集会の準備で忙しかった 3月10日(金)
今日は、テント設立12年目のイベントで、その準備で大忙し。経産省正門前に到着すると、さっそく準備に取りかかる。セッテングは、みんなで取りかかり、さっと済ませた。そのうち、藤原節男さんがやってきた。一生懸命、大型テレビとパソコンの前で、取り付け調整をしている。放出汚染水についての福島漁民(小野さん)の訴え、15分にまとめたDVDを別途、準備している。これを本日の集会で放映するそうだ。集会開始の前に、そのDVDを見せてもらった。汚染水海上放出抗議を、漁港で、漁船前で、している。漁民抗議は至極、当たり前の声で、それに対して、無理やり強行する政府、東電側の方がおかしいのは、誰が見ても明らかだ。福島原発事故から12年もたつと、あの時の苦しさや、悲しさ、怒りも忘れてしまうというのか。
午後3時も過ぎると、だんだん、人が集まってきた。30人から40人にもなるだろうか。私は、午後4時からの文科省抗議に参加するが、午後5時には、もどってくる。朝鮮学校への官製ヘイトについて、毎週金曜日、午後4時からの文科省抗議には、欠かさず参加してきた。「韓国・朝鮮と名がつけば、ヘイトをやってもいいんだ」という風潮が、ここのところ酷い。「理不尽で、酷いのは日本の政府文科省の方」なのに、マスメデイアも含めて、一方的な、真逆の論調が、酷い。粘り強く頑張ろう。(S・S)
◎ 福島原発事故から12年・経産省の原発推進政策を糾弾 3月10日(金)
_*3.11福島原発事故から12年・経産省前抗議行動*__*
*__*~福島は終わっていない、汚染水を海に流すな、岸田原子力推進政策糾弾~>報告*_
経産省本館前に100名が集い、アピールとコールと音楽で経産省に脱原発を訴えた。
三上治、開会挨拶:座込みを継続するなかで、疲弊してきた。継続と局面打開の闘いを!
コール1:経産省は嘘をつくな、原発は安全でも安くもクリーンでもグリーでも無い!
【ゲスト発言】
菅直人議員:12年前を振り返ると、何千万の人が避難しないといけない事態がせまっていたが、いくつかの幸運な偶然が重なって、その結果で防げた。原発を国内に持っているのは、ダイナマイトを持っているようなもの。日本はもとより、世界の原発を無くしていこう。
脱原発を訴え続ける経産省前テントひろばに敬意を表する。
福島みずほ議員:すさまじい事故の犠牲者に哀悼の意。学ぶべきことは脱原発。「このままでは、原発が爆発する」との場面があり、ベントしたが、結局、爆発した。ベントの煙突が上まで通っていなかった。汚染土の再利用は、とんでもない。集めたゴミをばらまくな。集中管理すべき。原発は、人の命と環境を破壊する。世界中の地震の1割が起こる日本。ウクライナ戦争が示すとおり、原発が原爆になりうる。甲状腺になった子どもたちが訴訟を起こしている。原子力発電所寿命延長(60年超)を、電事法で、経産省が判断すると、いつでもGOサインになる。原子力発電所審査期間延長を、そのまま、原子力発電所寿命延長に追加するのは、おかしいし、危険。他にも沢山の事故があった。13兆円の被害があった。原発依存を止めよう。原発を廃炉に。
杉原浩司さん:我々は、2012年当時のストレステスト会議で、別室傍聴を拒否し、会議を延長させた。その時の会議担当が、今の原子力規制庁長官、片山啓だ。岸田の大軍拡に群がる軍事産業の、幕張メッセ武器見本市に対する反対行動をしている。異次元の軍拡、異次元の原発回帰に対して、異次元の闘いを。戦争にも原発にも反対を!
【「福島は終わっていない」のメッセージ】
武藤類子さん:原発事故は、未だ収束すらしていないし、7つの市町村には帰還困難区域が存在し、数万人の避難者が故郷に帰ることができずにいる。原発回帰の方向に転換されようとしている事態に、心底、憤りと悲しみを感じる。ALPS処理汚染水の海洋放出が、今年の春から夏へと迫っている。一旦、海洋に流し始めたら、今後何十年も流すことになる。経産省前テントひろばのハガキ作戦への共感と取り組みが嬉しい。今は暗闇とも思える世界ですが、小さくても暖かい火を、一人ひとりが灯し続けましょう。
黒田節子さん:マスメディアが政府の広報誌に成り下がっている。「海ぶどう」の生産を双葉町でやり始めた人たちの紹介。これ以上、海を汚していいハズがない。子どもをダシに使ったキャンペーン、水産物を学校給食に使おうという。高校生の自転車ロードレース。非科学的な国連科学委員会。「福島の人はなんで怒らないの?」と福島の人に問い詰めないでください。
小野春雄さん(ビデオ):海は、すべての命の源!
海は、おれたち漁師の仕事場だ。
待ったなしにタンクに溜まったトリチウム水を流すっていうのは、おかしな話。事故を起こしたのは、企業なのに、なぜ企業を優先するんだ?
トリチウム水を溜めておいたからって、誰にも迷惑かからない。
一番迷惑かかることは、海に流すことだ。トリチウム水を東京湾に持って行ってください。他の核種は放出禁止で、なんで、トリチウムだけ放出していいの?
魚は産卵時期に沿岸に来る。だから、もろに被害を受ける。海に流しちゃダメ、海は大きな生き物だから。
亀屋幸子さん:東京都港区に避難していたが、追い出された。現在、娘の家にいる。苦しい思いをしている。いじめられている。こんなつらい思いは二度としたくない。原発は絶対に止めて欲しい。反対しよう。
【歌とリコーダ】守屋真実さん、はしゆき、エルモ:「ああ、福島」、「廃虚の鳩」「水に流すな」
【テントひろばは、かく闘う】山本さん司会で、各曜日担当が発言。
坂本:基地周辺土地利用、
大賀:テント開設と渕上さん・正清さんと本格焼酎「脱原発」の委託販売、
高木:12年経って、みんな、年をとった。酒屋さんの石田さんが協力してくれている。
杉山:福島で帰還困難区域無くそうとすることへの怒り、
城田:自分も年取った。金曜は5時から抗議行動、
久保:ひどい岸田政権。経産省と東海第二原発いらない一斉行動、
藤原:福島3号は、水素爆発でなく核爆発だった。(天動説でなく地動説を信じると同様)福島3号核爆発を信じてほしい。
一瀬弁護士:テントひろば座込みの闘いは、意義大。三里塚で強制執行があった。粘り強く共に闘おう。
大口弁護士:12年を経て、亀屋さんの元気な声を聞けた。持続した闘いを経産省・政府に突き付けていく。プーチンが、原発を核兵器にしようとしている。歴史上は、原爆が原発になった。日本政府が核武装したいから、原発推進。続けて共に闘おう。
コール2(火炎瓶テツ):原発反対 戦争反対
戦争惨禍はもう沢山。310忘れるな、311忘れるな。原爆投下もう沢山だ。815忘れるな。経産省は恥を知れ。311終わってないぞ。原子力は滅びの道。答はひとつ脱原発。
【岸田政権GX法原発推進糾弾】
山崎久隆:60年以上動かすことはひどいが、原子力基本法の改悪がひどい。「国の責務で原発推進」が、追加され、書き込まれている。原発が駄目になっても、永久に推進していく。小型モジュ―ル型原子炉や高温ガス炉なども開発。軍事用動力炉まで開発。原潜を持つのか。絶対に許してはいけない。
福永正明:安倍総理がアンダーコントロールの嘘でオリンピック招致。福島原発事故後、12年間に、原子力ムラが原子力推進政策を準備してきた。IAEAほかと精密なプラン。この野望を打ち砕かないといけない。避難しないといけない発電所はいらない。福島原発事故を本当に反省しよう。今こそ原発を止めよう。世界が、私たちを見ている。原子力マフィアを許さない。
【詩の朗読】青田恵子さんから「3.11がまたやってきた、原発回帰に怒り、被災者の気持ちを。」のメッセージとともに、詩「雨にもマケル」
詩「雨にもマケル」:
雨にもマケル
風にもマケル
雪にも夏の暑さにもマケル
放射能入りの「からだ」
ムカつき イラだち
いつも静かに怒っている
わらび ぜんまい
キノコに木の実
あらゆる物を汚しちまうぞ
そこのけ そこのけ 放射能様が通る
よく見ききし わかり そして
でも、見えない放射能
フクシマの十六万の避難民
小さなそまつな仮設の小屋にいて
東に認知症の老人あれば
行って年齢(とし)のせいだ仕方ないと言い
南に高血圧 不眠の人あれば
行って自分もそうだと言い
西に家族と別居の母子あれば
子供と一緒に早く逃げろと言い
賠償なければ
涙を流し
琵琶湖のほとりを
オロオロ歩き
皆にデクノボーと呼ばれ
ほめられもせず
帰ることもできず
そういう「わたし」
【カンパ要請】ゆる煎餅配布とともにカンパの依頼
コール3:福島は終わっていないぞ。汚染水を海に流すな。北西太平洋海域を汚すな。これ以上海を汚すな。原発は終わりだ。核のゴミを増やすな。死の灰を増やすな。核分裂でお湯を沸かすな。GX束ね法案糾弾、束ね法案廃案。原子力基本法・炉規法・電事法改悪糾弾。経産省は嘘をつくな。CO2対策にならない。命を守れ、地球を守れ、未来を守れ。再稼働反対、運転延長反対、脱原発、NO-NUKES、NO-WAR。
【終了後】
上映:小野春雄さんのビデオメッセージ「海はすべての命の源!海はオレたち漁師の仕事場だ!」
歌:「座り込め、ここへ」 (K.M)
====メッセージ1====
経産省前テントひろばにつながる皆さまへ
_*福島から 武藤類子*_
12年の間、暑い日も、雪の日も経産省前に座る続ける経産省前テントひろばの皆さまに、心から感謝を申し上げます。
福島原発事故から12年。原発事故は、未だ収束すらしていないし、7つの市町村には帰還困難区域が存在し、数万人の避難者が故郷に帰ることができずにいます。にもかかわらず、たった12年で原発回帰の方向に転換されようとしている事態に、心底憤りと悲しみを感じます。原発事故の反省から教訓として選んだ「原子力の依存を低減する」「原発の運転期間を原則40年とする」「原子力の規制と推進を分ける」政策を手放し、私たち被害者の犠牲を踏みにじるような愚かな選択をすることが、次の原発事故を準備することになると思えてなりません。私たちはなんとしても、この暴挙を止めなければなりません。
そして、ALPS処理汚染水の海洋放出が、今年の春から夏へと迫っています。一旦海洋に流し始めたら、今後、何十年も流すことになります。汚染水が流される先には、海を生きる場とする人々がいて、海を住処とする生物がいます。海洋放出は命の侵害です。事故で既に膨大な放射性物資を流しているのに、国と東電が福島の海から意図的にさらに放射性物質を流すことに、私たちはいたたまれない気持ちになります。何とか止めたいです。テントひろばの皆さんが、福島の市民が行うハガキ作戦に共感を寄せて下さり、総理大臣・経産大臣・東電社長へのハガキ作戦に取り組んで下さったことは、とても嬉しいことでした。また、私たちは、4月13日近辺に、世界の各地で海洋放出に反対するスタンディングを行うことを呼びかけています。世界の市民が繋がって、汚染水の海洋放出を止めるうねりを一緒に起こしていきましょう。
テントひろばの皆さまにも応援を頂いた東電旧経営陣の刑事裁判控訴審は、今年1月18日に一審に続き「全員無罪」と言う判決でした。現場検証も重要な証人尋問も却下し、十分な審理を行わず、「無罪」という結論のために書かれた判決、とても納得しがたい判決でした。一審以上に悔しい判決でした。これは原発回帰の方向性と無関係ではないと感じます。私たちは、最も責任を取るべき人に責任を取らせ、二度と同じ悲劇が起きないように刑事告訴をし、裁判を闘ってきました。このままでは終われないのです。指定弁護士によって、最高裁への上告が決まりました。高裁判決の間違いを社会に広め、最高裁での弁論が開かれるように運動を続けたいと思っています。今は暗闇とも思える世界ですが、小さくても暖かい火を一人ひとりが灯し続けましょう。
====メッセージ2====
3.10 経産省前抗議集会へのメッセージ
_*黒田節子(原発いらね!ふくしま女と仲間たち)*_
脱原発社会に向けて日々弛まない努力を続けておられる皆さまに、福島からメッセージを送ります。この国のおぞまじい原発政策で、先の見えないフクシマです。
■福島では…
マスメディアが政府の広報誌に成り下がっている中、「復興」や「前向き」が連日のように連呼され、信じ難いことがまかり通っています。ごく最近のことだけでも次のようなことがありました。聞いてください。
①「海ぶどう」の生産を双葉町でやり始めた人たちの紹介。「双葉町を新しい町にしたい」「沖縄のように、観光客が海にたくさんやって来るようにしたい」…人々の願いと生活再建の苦闘には、つい目頭が熱くもなります。しかし、だったら、汚染水海洋放出はどうなんだ。これ以上、海を汚していいハズがないでしょ!
②最も酷いのが、子どもをダシに使ったキャンペーンです。2月末、経産省主催で「小中学生集まれ!相馬の海幸のまつり」がありました。これは「出前食育活動」として県内及び近隣県の水産物を学校給食に使おうというもの。水産物の安全性を「醸成」する、つまり、汚染水海洋放出の安全PRのために子どもたちを利用しようとしているのです!
③数年前の国道6号線清掃活動が思い出されますが、今度は帰還困難区域の中でも、最も線量の高いところで、高校生の自転車ロードレースが、この4月に予定されている。主催は福島民報。狂気の沙汰です。
…「海洋放出に伴う需要対策基金」つまり「風評」を抑えるための300億円。線量については一言も触れないまま、電通がTVでも巨額の利益を得ているという具合です。
■子どもを被ばくから守るために、どうか、力を合わせましょう!
「311子ども甲状腺がん裁判」を応援してください。この10年間、声を上げることができなかった小児甲状腺がんの患者が、ついに立ち上がりました。事故当時の幼稚園生から高校生まで、男女7人が、東電を訴える裁判の原告になったのです。これは放射能との因果関係を求める、ある意味、決定的な、今後の様々な裁判にも影響をあたえる裁判でもあります。勇気を出して裁判に臨んだ若い人たちを、どうか見守ってください。
■‘非‘ 科学的な委員会UNSCEAR(国連科学委員会)で出した2020/21レポートは、
『F1からの放射能で健康被害は無い。将来的にも、ガンは取るに足らない発症率だ。子どもに甲状腺がんが多いのは、スクリーニング検査のため』と公表しました。これらの許し難いウソにも立ち向かわねばなりません。
■最後にお願いがあります。
「福島の人はなんで怒らないの?」と福島の人に問い詰めないでください、批判しないでください。仲間内からも時々言われるのですが、圧倒的な力でフクシマが抑え込まれているときに、安易な言葉、それは私(たち)をさらに追いつめます。悪いのはけっして福島県民ではありません。どうかどうか、よろしくお願いします。
====ビデオメッセージ====
_*海はすべての命の源!海はおれたち漁師の仕事場だ!*__*
*__*小野春雄(新地漁協組合員)*_
私はこの新地町で生まれ、15歳から漁をして、明日2月6日で71歳になる。56年、ここで漁師をしている小野と申します。この大きい方の観音丸は、震災のとき、命がけで助けたのだが、今は使っておらず、本格操業になれば使うつもりで置いてある。もう1隻の第18観音丸の方を震災以後使っている。
われわれが一番腑に落ちないのは、菅元総理、そして今の岸田さん、待ったなしにタンクに溜まったトリチウム水を流すっていうのは、おかしな話だ。菅さんも岸田さんも、タンクのことなんか、まったくわかっていない。流したら、結果は永遠に残る。流して、来年、再来年、なくなるのなら、それはいい。しかし永遠に残るものを流してはいけない。今、トンネルを掘って、1km先に流す段取りをしている。大丈夫なものだと言うなら、何も1km先に、何兆円も金かけて工事する必要はない。そのお金は国が出すのか東電が出すのかわからないが、凍土壁みたいにわれわれの税金で作るのなら、とんでももないことだ。100km先ならまだしも、1km先に持って行って流すことなど意味がない。海はそこに流して留まっているものではない。海は人間のものではない。生物みんなのものだ。
われわれは、海を仕事場として、消費者においしい魚を提供している。事故から12年経って、やっと値段が高くなってきた。震災当時なんて、全く売れなかった。どんな魚でも大体100円くらいだった。今、ヒラメなんかは3000円から5000円、震災前から見たら相当高い。シラスなどは、300円くらいだったのが、去年は1500円くらいの値がついて5倍まで上がっている。これが、トリチウムを海に流したらどうなるか、目に見えている。福島の魚なんか、みんな買わない。今、復興、道半ばですよ。安倍元首相がアンダーコントロールなんて言ったが、していないでしょ。戻って来れない人がどれだけいるんですか。そして再稼働が、なんで出てくるんですか。どこだかの大臣は、放射能で亡くなった人はいないなんて言ったが、関連死で亡くなった人がなんぼでもいる。
ああいうことを言った政治家は、孫を連れて、ここに来て、暮らしてください。そして毎日、魚を食べさせてください。そうしたら、宣伝にもなるし。福島県をバカにしているのか。福島県民はがまん強い。これまで、がまんして、がまんして、12年経って、やっと落ち着いてきた。これで今年か来年(汚染水を)流したら、また1からやり直しだぞ。もう体力ねえぞ、うちら12年もがまんしてたんだから。
本当に、やることおかしいよ。だって、われわれ漁業者、農民、林業者、誰一人悪い事していない。やはり守るべきは、被害に遭ったわれわれ漁業者、農民、県民であって、企業では、ないはずだ。
事故を起こしたのは、あくまで企業なのに、なぜ企業を優先するんだ?
われわれのところに、東電や経済産業省が説明に来たのは、まだ3回だ。2回や3回で納得するわけねえべって。実害が出たら誰が責任負うんだって。「魚安くなったら、買い上げる」だの言っているが、そんなことをすれば保管料や廃棄料がかかる。
われわれは保管するために魚を獲っているわけではない。「おいしい魚を消費者に届けたい」というプライドがある。そのために本格的操業を目指して努力している。それなのにトリチウムを流したら、「今までの12年間、何だったのか」ということになる。本当にわかっているのか、政治家には、ここに来てもらいたい。菅さんは「待ったなしだ」と言ったが、何が待ったなしなんだ?
あんなもの溜めておけばいいんだから。溜めておいたからって、誰にも迷惑かからない。誰にも迷惑かからないことをやればいいのに、一番迷惑かかることは海に流すことだ。
それで、何で福島県の海なんだっつうの。使ったのは東京でしょ。東京湾に持って行ってくださいって。大阪でもいいというなら大阪に持って行ってください。そういうことを何で福島県の知事、内堀さんが言わないんですか。あの人わかんないのか。宮城県の知事さんは1月の年頭のあいさつで、復興大臣にちゃんと頼んでいる。内堀知事は何をやってるんだ?漁業ばかりでなく観光もダメになる。海水浴もサーフィンも釣舟もできない、県知事はそういうの考えないんだべか。海は生命の源、そんな海を人間が勝手に汚していいかって。海は魚の住処。魚だって、いろいろいる。科学的根拠をもって流すのならいいが、何も調べないで、ただ「世界で流しているから、いい」とか言っている。それなら、なぜ12年前に流さなかったんだ。何で溜めとくんだ?
何かあるから溜めとくんだべ。
今になって希釈して流す、おかしいべって。何で流すんだ、こんな毒入りのやつ。この船のエンジンの中にも水がたまるが、それを大海で流したことが保安庁に見つかれば罰金を食う。それだけ厳しいのに、プラスチックはダメ、船のアカもダメ、トンパック土壌もダメ、じゃあなんでトリチウムだけいいの?こんな毒を海に流していいのや。おかしいべって。
浜下りという風習があって、豊作や交通安全を祈って、神輿をかついで、海に奉納するということを、今でもやっている。俺に子どもができてお産したときには、3日間この船に乗ることができない。それが明けた次の日、朝寒いうち裸になって海に入って体を清める。それだけ、海って神聖なところなんですよ。そんなところに人間が、菅さんだろうと岸田さんだろうと、勝手に流していいなんてことを政治家たる者、言うべきではない。政治家は全然、海のことわかんない。「危険なものは、われわれ漁師の承諾がない限り流さない」という東電との確約がある。それを守らないで、何なんだと。そもそも国民には東電を信用している人はいない。隠ぺいばかり。最後に実害が出たら、誰が責任負うのか。誰も責任を負わない。30年後、50年後、泣きをみるのは福島県民、われわれ漁師だ。
子どもや孫たちに何と言うんだ?
だから、俺はこうやって頑張って「止めっぺ」って言ってる。2年前、うちで獲ったクロソイで1400ベクレル出たが、この原因がわからない。こういうのを菅さんだって岸田さんだってわかってるのかって。高濃度のデブリもまだ取ってないんだぞ。デブリに触れた水がそこら辺まで行ってるのかもしれない。魚は産卵時期に沿岸に来る。だからもろに被害を受ける。どんな魚だって、産卵するためにプランクトンのいる沿岸に来るんだ。
内堀知事はどんなことあったって反対しなきゃいけない。閣議決定したからって、世論の力で止めなきゃ。海に流しちゃダメ。海は大きな生き物だから。
——3月10日集会の写真と映像——-
お疲れ様です、早川由美子です。表題の件、私のブログに掲載しましたので、お知らせします。
多くの方にご覧いただければ幸いです。
_*https://www.petiteadventurefilms.com/20230310_report/*_*
*集会当日に会場で上映されていた*_小野春雄さんのビデオメッセージ_**も、ご覧できます**。*
=====デモ・集会のおしらせ====
★ 3月15日(水)原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動 12:00~13:00
★ 3月15日(水)311子ども甲状腺がん裁判 14時;東京地裁103号法廷
支援集会 日比谷コンベンションホール 13時50分~
★ 3月16日(木)福島原発被害東京訴訟 第一陣控訴審 14:00~ 高裁101号法廷 報告あり ぜひ傍聴を
★3月17日(金)原発政策の大転換・運転期間延長を許すな!院内集会~原子力基本法・炉規法・電事法など束ね法案の問題点を糾弾~
13時~16時、衆議院第一議員会館第5会議室
★3月17日(金)経産省正門前(テントひろば)抗議行動 17時~18時
★3月17日(金)第22回「原発いらない金曜行動」 18時30分~ 首相官邸前
★ 3月20日(月)避難住宅追い出し訴訟 第6回 11時30分 東京地裁606号
★ 3月21日(火) さよなら原発全国集会
代々木公園B地区イベントひろば 13時より 15時15分デモ出発
★ 3月26日(日)脱原発青空川柳句会 12時~15時 選者;乱鬼龍 終了後日比谷公園で花見の予定
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