【4月29日(土)】第3回 ヘーゲル研究会のお知らせ
- 2023年 3月 30日
- 催し物案内
- ヘーゲル研究会野上俊明
- 連絡先:野上俊明 E-mail:12nogami@com Tel:080-4082-7550
今回から、本研究会はヘーゲルの主著のひとつ「法の哲学」(1821年)のなかの「市民社会」を扱います。国家と有機的に関連しつつ独自の領域として「市民社会」を概念化したのは、ヘーゲルの功績だとされています。マルクス主義の正統派的解釈では、die bürgerliche Gesellschaftはもっぱら「ブルジョア社会」という階級社会の意味で用いられ、階級中立的なニュアンスを帯びた「市民社会」civil societyという用語は、階級意識を鈍らせるものとして忌避されてきました。しかし60年代後半以降、世界的にみても先進諸国では旧来の労働運動とはちがった市民活動・社会運動が活発化してきたこともあり、市民的な公共圏として「市民社会」を自覚的に確立しようという動きが強まってきました。また、ソ連型社会主義破綻の要因のひとつとして、人権や民主主義などの市民的諸権利を包括する「市民社会」を確立できなかったことが挙げられ、「市民社会」を社会科学的な方法概念として彫琢しようとする機運も強まってきました。さらに実態的に見ても、今日国内外のNGO,NPOらの活躍する分野を横断的にカバーするものとして「市民社会」用語が使われています。つまり「市民社会」が世界的に市民権を得て,社会変革の一翼を担っている、そういう時代にわれわれは生きているのです。
これらの諸事情に鑑みると、国家との関係も含め、市民社会論の原点ともいうべきヘーゲルの「法権利の哲学」(ドイツ語のRechtレヒトは、法lawという意味と権利rightという意味を併せ持つ)を学ぶことの意義は大きいと思われます。ひとりではなかなか歯が立たない難解なヘーゲル、専門の講師の力もかりて、この機会に挑戦してみませんか。
記
1.日時 4月29日(土)午後1時半~5時
1.場所 本郷会館 A会議室(定員18名)
1.テキスト 世界の名著「ヘーゲル」中央公論社
法の哲学―第三部 第二章 市民社会(§182~§256)
1.講師 滝沢清栄先生(元法政大講師)
1. 会費 500円
――地下鉄丸ノ内線 本郷三丁目駅下車5分 文京区本郷2-21-7 Tel:3817-6618
参加ご希望の方は、必ずご連絡ください。
※研究会終了後、近くの中華料理店で懇親会を持ちます。
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