くらしを見つめる会つーしん NO.224から 2023年3月発行
- 2023年 4月 2日
- 交流の広場
- 村山紀久子
危険なマイナンバーカード
政府が2万ポイントを2023年3月まで延長してマイナンバーカードとマイナー保険証のひも付きを必死になって増やそうとしています。
健康保険証はなくなりませんから安心してください。河野デジタル大臣が「保険証は廃止する」と発言していますが、国民健康保険法(9条)という法律で保険料を払っている被保険者は国に保険証の交付を請求できる権利が保証されています。そして厚労省のリーフレットでは「保険証はなくなるわけではなく、今まで通りご利用できます」と書いてありますので河野氏の発言は、廃止はできないのにあたかもできるかのように言いふらして国民に脅しをかけたのです。廃止すると言えばみんな焦ってマイナーカードを作るだろう、しかも今作れば2万ポイントをあげるから、と餌まで添えると普及が進むという悪辣な企みです。
でも、行政機関は個人の病歴など健康情報を把握できたり医院では部分的に便利になるかもしれませんが、被保険者・患者は医院に通うのに毎回カード持参しなければならないし暗証番号を入力しないといけないし、医療費に加えてシステム維持費を支払うことになります。それにカードを紛失すれば情報が他人に見られる危険が生じます。
今まで紙の保険証で不安なく過ごしていたのになぜこんな手間を押しつけられるのでしょうか、情報漏えいなど危ないことを強いられるのでしょうか。特に高齢者には惨いことです。
番号利用法第17条に、個人番号カードは「申請により交付」とされているのでカード作成は任意です。写真付き身分証明書を国民に強制している国は世界のどこにもありません。特にヨーロッパなどは、過去にナチや東ドイツが個人を国家が管理するというおぞましい歴史があったためにG7の国々も全て任意です。カードはいつでも返納できます。区役所に返納届の用紙があるので簡単にできます。理由を聞かれたら「使わなくなった」でいいようです。(K・T)
・・・中略・・・
♪こんな本いかが?
ウイルスに怯えない暮らし方 「マスク・手洗い・3密回避」よりも大切な食事と習慣
山田豊文著 共栄書房
病気になるとすぐ薬に頼りがちだけれど、薬には副作用がある。病気を悪化させないためには身体を良い状態に整えることこそ大切。ところが例えば緑茶は新型ウイルスに有効とFacebookで紹介したら根拠が無いと削除されてしまう。長年、多くの人で実証できている食べ物は薬のような副作用も無いにもかかわらず。コロナが重症化するのは身体の状態が悪いから。なので身体に良いものを少量食べ、有害なものを入れないことを著者は勧める。
町で売られているパンなど小麦製品はほぼ輸入で、輸入小麦のグリホサート(神経毒性があり、子どもの発達障害の一因との実験結果も)は体内に残留し、子どもの尿からもかなりの量が検出される。本著の勧めるような望ましい食事は簡単にはできないけれど、本の内容を少しでも多くの人に知ってもらって、食の在り方や病気への考え方を見直せたらと思う。
〈編集後記〉
昨年末まで大騒ぎしていた統一教会の問題が、いつの間にかほとんど報道されなくなりました。この問題を長年に渡って取材し、警告を発してきたジャーナリストの有田芳生さんは一部のTVに引っ張りだこだったのに、統一教会から名誉棄損で訴えられるとTVに出なくなりました。訴訟を起こされた人はTVに出さないという暗黙のルールもあると聞きましたが、それでは、スラップ訴訟(資金力のある人が言論封殺を目的に訴訟を起こす)を容認することになってしまいます。権力の側は訴えられても堂々とTVに出ているのに、権力を批判する立場の人は出さないというのでは、スラップ訴訟に加担しているようなもの。報道の在り方としておかし過ぎます。統一教会については、被害者救済法という法ができただけで、政治家との関係も政治への介入についても明らかにされておらず、問題の本質は何も解決されていません。間もなく統一地方選もあるのだから、マスコミは地方議員との関係などしっかり取材し、明らかにしてほしいものです。また、最重要の問題として政府が閣議決定で決めた安保3文書というもの。敵基地攻撃能力を前面に出して軍事費を今後5年間で43兆円にと明記され、戦後ずっと憲法の下で守ってきた平和な国の形を変えてしまう戦後最低最悪最大の危機なのに、報道は危機感無さ過ぎ。防衛費=軍事費のために社会がどう変わり、何が犠牲になっていくのか。一度増額された軍事費はそのローンや維持費によって簡単に減額できず、私たちの暮らしが破壊されていくのだということをもっと知らしめ、大運動を起こさないといけないのに・・。ほとんどのマスコミのトップニュースは広域強盗事件に関わる容疑者がフィリピンから送還されたこと等ワイドショーのようで、重要な問題から目を背ける情けない報道ばかり。こうした在り方に報道に関わる人たちの中にも良心が痛んでいる人はいるはず。読者・視聴者としても、「本当に大切なことを!真実を報道してほしい!」と、伝えたいです。 (きくこ)
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