忘れまい1960年の安保闘争 声なき声の会が今年も「6・15集会」
- 2023年 5月 24日
- 時代をみる
- 60年安保声なき声の会岩垂 弘
63年前の日米安保条約改定阻止運動(60年安保闘争)の中で生まれた反戦市民グループ「声なき声の会」による恒例の「6・15集会」が、6月15日(木)に東京で開かれる。だれでも参加できる。
1957年に発足した岸信介・自民党内閣は日米安保条約改定案(新安保条約)の承認案件を60年2月に国会に上程。社会党(社民党の前身)、総評(連合の前身)、平和団体などが「条約改定で日本が戦争に巻き込まれる危険性が増す」と改定阻止運動を展開。これに対し自民党は5月20日、衆院本会議で承認案件を強行採決。これに抗議する労組員、学生を中心とするデモが連日、国会議事堂を取り囲んだ。
千葉県柏市の画家、小林トミさんが「普通のおばさんも気軽に参加できるデモを」と思い立ち、6月4日、知人と2人で「誰デモ入れる声なき声の会 皆さん おはいり下さい」と書いた幕を掲げ、新橋から国会に向けて歩き始めた。岸首相が、国会に押しかけるデモについて「私は『声なき声』にも耳を傾けなければならないと思う。いまあるのは『声ある声』だけだ」と述べたことから、小林さんらはその言葉を逆手にとって命名したわけである。
すると、沿道にいた人たちが次々と加わり、300人以上になった。散会後、その人たちが「声なき声の会」を結成した。
6月15日には、全学連主流派の学生が国会南門から国会構内に突入、警官隊との衝突で東大生の樺美智子(かんば・みちこ)さんが死亡した。6月18日夜、33万人が国会議事堂を取り巻いて抗議の声を挙げる中、新安保条約は6月19日午前零時に自然承認となった。
その新安保条約は現在も有効中で、日米両国の軍事同盟を支えている。
その後、声なき声の会は「安保反対の運動があったことと、その中で樺美智子さんが亡くなったことを決して忘れまい」と、毎年6月15日に集会を開き、集会後、国会南門で樺さんを偲ぶ献花をしてきた。2003年に小林さんが亡くなってからも6・15集会と献花を続けてきた。集会は今年で61回目となる。
今年の6・15集会の日時と会場は次の通り。
日時:6月15日(木)18時00分~20時00分
場所:参議院議員会館B103(地下1階)
参議院議員会館に入館するには入館証が必要。同会館入り口で、声なき声の会のメンバーが参加者に入館証を渡す
参加費:無料(献花代にはカンパを)
献花:集会終了後の20時10分ごろ、国会南門で
連絡先:声なき声の会世話人・細田伸昭(090-6504-3287)
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