公開意見書「泊3号機営業運転再開は許されない」(拡散希望)
- 2011年 8月 16日
- 交流の広場
- FoE Japan 満田
みなさま
FoE Japanの満田です。
Shut泊の泉さんからの公開意見書を転送します。
今日・明日が山場です。
みなさまもぜひ「泊3号」再開に反対する声を上げて下さい!
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公開意見書
「泊3号機営業運転再開は許されない」
http://dl.dropbox.com/u/23151586/Shut_tomari_206110815.pdf
1.. 福島第一事故を受けて、ドイツでは、6月30日、ドイツ連邦議会(下院)は、全17基の原発を2011年までに全面廃止する、という「原子力法改正案」が賛成多数で可決されました。スイスでは5月25日、既存原発を段階的に廃止することが閣議決定されました。イタリアでは、6月12・13日の国民投票で、94.53%が原発再開反対を表明しました。核エネルギーの危険性を根本からあぶりだした「福島シンドローム」は、1万キロ離れたヨーロッパ諸国のエネルギー政策に決定的な影響を与えています。
2.. 日本国内では、今回の福島第一原発事故は、電力会社、経産省安全・保安院と原子力安全委員会自体の在り方と、原発安全対策そのものを根本から問うものとなりました。官、電力会社、財界、メディア、大学の金と権力をめぐる癒着構造が明らかにされる中、私たちの命の安全と引き換えに、原発推進が進められてきたことを、私たちは学びました。
3.. 8月4日、イギリスの英国放送は、保安院院長を含む3人の経産省幹部の更迭をトップニュースとして報道し、「原発の安全性を確保するはずの経産省が、実は同時に原発の推進を行ってきたことの矛盾」を指摘しています。
4.. 日本の食糧自給率が40%に落ち込む中、福島第一原発事故以降の放射能汚染の広がりで、わずかに生産された食物の安全性さえも失われつつあります。作物を育てる土と水と肥料も汚染されました。食糧自給率200%の北海道の泊原発で福島の様な事故が起これば、日本の食糧危機は現実となる可能性があります。
5.. 保安院が、福島の事故の後に、泊沖で24か所で新たに調査が必要だとした断層の調査も、福島第一事故時に立地場所が問題となった泊原発のモニタリングセンターの移設もされぬまま、避難時の道路の問題を含む防災政策も見直しさえされていない状態です。最大の問題は、全電源喪失時の電源の確保です。福島第一事故では、全電源喪失時に、非常時用電源の確保も不可能となり、大事故となりました。現段階では、泊原発にも全電源喪失時の電源確保の手段はありません。福島第一事故後、保安院は新たに緊急安全対策を取るよう指示を出しましたが、これは安全対策とは全く言えず、政府も、ストレステストを新たな安全判断の基準として導入しました。泊3号機が、玄海2・3号機より安全であると判断する理由はありません。たとえ、問題点の指摘されるストレステストであっても、泊3号機に対しても、最低限でも同様の手続きが取られるべきです。
6.. 泊3号機は定期点検中であるにかかわらず、異例の5か月にも及ぶ調整運転を違法に続けてきました。まずなされるべきことは、泊3号機のゴリ押しの営業運転開始ではありません。その調整運転こそが即刻停止されるべきです。
7.. 元原子力安全基盤機構(JNES)検査員の藤原節男氏は、2009年3月にJNESによる「泊3号機検査結果記録改ざんの指示を受けた事実」を告発しています。
8.. 東洋大学の渡辺満久教授は、8月6日に、札幌で講演を行い、「泊沖に最低でもマグニチュード7.5の地震を起こす可能性のある活断層があること、北電はデータの解釈を歪めることで、この活断層の存在を否定してきたこと」を再度、報告しました。
9.. 泊3号機は、高橋道知事が容認したプルサーマル発電が来春に予定され、ウラン用原子炉の泊3号機で、MOX燃料を使う計画です。京都大学原子炉実験所の小出裕章さんが、「石油ストーブでガソリンを燃やすようなものだ」とコメントしている、危険極まりないプルサーマル発電です。
10.. これまでの原発安全対策とその実施機関である保安院の体制に不安を表明した菅総理は、「保安院のみの安全確認では、不十分である」として、原子力安全委員会による二重チェックの必要性を示唆しましたが、「第二のチェック」をするはずの原子力安全委員会は、8月11日の市民団体との交渉の場で、「原子力安全委員会は、法的に、判断する立場にはない」と発言しました。つまり、「二重チェック」が行われぬまま、不十分とされている保安院のチェックのみで、今、泊3号機の営業運転が再開されようとしています。
11.. 高橋知事は、北電が道の判断も待たずに、保安院に対して泊3号最終検査の申請を行ったことに「地元軽視である」と強く抗議しました。福島第一原発は、原発10km圏内どころか、福島県にとどまらず、全国、そして世界中を放射能に汚染しています。北海道の道東でも、福島第一原発事故に汚染された稲わらが牛に与えられ、毎日のように、基準値を超えるセシウムが検出された牛肉が市場に回っている現実が報道されています。アメリカでも福島第一事故由来のプルトニウムが検出されたと報道されています。泊原発4か町村の同意のみでは、もはや不十分であることは明らかです。最低でも泊80km圏内の市町村への住民説明会が開催されるべきです。
12.. 8月1日に、私たち38人の原告団は、海江田経産大臣を相手取り、泊3号機最終検査結果に合格印を押さぬよう、行政差し止め訴訟を起こしました。泊3号機の安全性を巡って、その検証がこれからこの訴訟の中で行われようとしています。海江田大臣は、泊3号機営業運転再開の前に、まずこの訴訟で泊3号機の安全性を証明すべきです。
13.. 経産省が過去4年間に、国民の税金1億3千万円を使って、原発情報の監視をしてきた事実も発覚しました。しかも原発情報監視を委託されたのは、東電会長など電力会社の役員が理事をする財団法人です。そして、6月17日には、原発情報監視法が可決され、広告代理店「ADK・東京」が落札し契約が決まりました。
14.. 北海道の高橋知事と同じく、元経産省出身の佐賀県の吉川知事が、電力会社と保安院と同様に、玄海原発に関する住民説明会の際に、やらせの指示を行ってきた事実も発覚しています。これに県議会議員たちが関わっていた事実も明らかになりました。
15.. 福島第一事故以来、今日の段階で、「脱原発の意見書」を可決した北海道の自治体は札幌を含め33市町村に及んでいます。この「地域住民」の意思を無視して、泊3号機の営業運転再開はありえません。
16.. このままでは、悲惨な福島事故の実態やその教訓が何も生かされないまま、泊3号機は本格運転されてしまいます。高橋知事は8月9日の記者会見で 「今までは泊原発1号機、3号機は同じステージにあるという認識のもとに議論を整理し、議会でもそのような認識を答弁として申し上げていた」述べています。この言葉・認識に最後まで責任を持つべきです。泊3号を1号と区別して特別扱いし、本格運転を認めることは、道議会や道民を裏切ることになります。
17.. 広島と長崎の被爆者の体験から学ぶことをせずに、50年間、核エネルギーを推進してきた結果、今回の福島の事故が起き、子どもたちを含めて多くの被曝者を出しました。これ以上の被曝者を出さないためにも、今、原発のない暮らしをめざしたいと思います。北海道民として、泊3号機が福島の事故以後最初に稼働する原発になることは、是非止めたいと思います。
2011年8月15日 終戦記念日
Shut泊
泊3号本格運転再開差し止め訴訟の会
FAX:011-826-3796
Tel:09026951937
この意見書の送付先は下記を含みます:
泊原発周辺4か町村町村長 (神恵内/泊/共和/岩内)/泊原発30km圏内町村長
札幌市長 上田文雄/北海道議会 各会派/北海道議会産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会/北海道知事 高橋はるみ/経済産業大臣 海江田万里/内閣総理大臣 菅直人
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