福島第一原発の放射能汚染水の海洋放出に物申す(その3):ドイツ反核団体の抗議声明
- 2023年 9月 4日
- 時代をみる
- グローガー理恵
2023年8月25日、フィジーのスバで日本の核汚染水海洋放出に抗議するフィジーの人たち Photo: VCG
日本政府が遂行する汚染水の海洋放出についてドイツの反核市民団体 ”アオスゲシトラールト (.ausgestrahlt) “ が抗議声明を公表した。過去50年間、反核運動のために粘り強く闘ってきた彼らは、「ただひとつ確かなことは、原子力災害は終わらないということだ」との言葉で声明を結んでいる。
すべての原発が閉鎖されたドイツだが、その廃炉作業のコストは国民の血税で賄われることになっている。原子力というのは、どこまでも不道徳で許せないものなのである。
原文(独語)へのリンク:参照記事:https://www.ausgestrahlt.de/presse/uebersicht/fukushima-verklappung-verschleiert-fortdauernde-ka/?pk_campaign=nl230831&pk_kwd=pm&pk_source=mail
海が核廃棄物最終貯蔵所に
長い間、世界はこの瞬間を恐れていた。 一週間前の木曜日(2023年8月24日)に、その時が来た:朝6時(中央ヨーロッパ標準時)、日本の原発企業・東電は、大規模な国際的抗議にもかかわらず、放射能汚染された冷却水を太平洋に放出し始めた。現在、134万トンの汚染水が、損壊された福島第一原発の敷地にある1000基以上のタンクに保管 されている。破壊された原子炉(複数)を冷却し続けなければならないために、毎日、170トンの水が追加されていく。
トリチウムで汚染された水すべてを太平洋に投棄するには、少なくとも30年はかかるであろう、と言うが、誰も確かなことは、わからない。
ただひとつ確かなことは、原子力災害は終わらないということだ。
カロリン・フランタナ氏(Carolin Frantana) 記 2023年8月31日
[Press Release]
フクシマ:海洋投棄は 今も続く原子力災害を覆い隠すもの
海をごみ捨て場に – 汚染水放出の期間が全く明確でない
今日、木曜日(2023年8月24日)、日本政府は福島の原発の廃墟から出る放射能汚染水を太平洋に放出し始めた。反核団体”.ausgetrahlt“のユリアン・ボテ氏はこう説明する:
日本政府は海を核廃棄物の捨て場として悪用している。この投棄における問題はトリチウムだけではない。生物学的に活性な炭素14は除去されず、ストロンチウム90のような他の放射性物質も部分的にしかフィルターされない。また、これらの物質が希釈されて時間をかけて放出されるとしても、放射能の総量は変わらないのだ。
核廃棄物の海洋投棄は、日本政府には原子力技術の負の影響に耐える能力と意図がないことを示している。放射能汚染水を投棄することによって、政府はいまだに原子力災害を制御していないという事実を包み隠している。災害から12年たった今も、溶融した燃料棒は冷却されつづけていかねばならず、雨や地下水が、いまだに、損壊した原子炉(複数)へと入り込んでいる。その結果、核汚染水の量は増え続けている。いつ炉心を取り出せるのか、ここ数十年先まで見通せない。
日本政府は、核廃棄物を海で処理することによって、何よりも大災害が続いているという顕れを見えないようにしたいのだということを明らかにしている。日本政府は またもや、原発の危険を環境に、近隣諸国に、住民に、そして未来の世代に押し付けているである。
ユリアン・ボーテ(Julian Bothe) 記 2023年8月23日
以上
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