岸田政権による憲法改悪を阻止するために総決起しよう 九条の会が東京で集会
- 2023年 10月 7日
- 評論・紹介・意見
- 九条の会岩垂 弘
10月5日の夜、東京・中野で、「今こそ『戦争ではなく、平和を』の声を!」「大軍拡反対! 憲法改悪を止めよう」を掲げた集会があった。護憲団体の「九条の会」が主催し、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動委員会と、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合が協賛した「九条の会大集会」で、夜間にもかかわらず、大勢の人たちがつめかけた。
会場はJR中央線中野駅近くの「なかのZERO」大ホール。開会は午後7時だったが、その前に定員1292席はすぐ埋まり、立ち見の人も。私も終始立ち見だった。動員された労組員らしい集団は見当たらず、ほとんどが一般の市民だった。
九条の会が開いた大集会
受付で配布されたプログラムの裏面に、九条の会事務局がこの日の「大集会」のために作成した文章が載っていた。文章のタイトルは「岸田政権の軍拡に反対し憲法改悪を阻止する市民の総決起の秋を創ろう!」。その一部を以下に紹介する。なぜなら、そこに、「大集会」を開く狙いが端的に書かれていたからだ。
「6月21日に閉会した第211回通常国会では、『安保3文書』の実行を狙って大軍拡予算とともに軍需産業育成法・軍拡財源法など多くの悪法が成立しただけでなく、憲法審査会を中心に……改憲の企てが進行しました」
「岸田文雄首相は、国会閉会後の記者会見で、自らの自民党総裁としての『任期において憲法を改正する努力をする』と、来年9月 までの改憲に強い意欲を示しました。岸田首相は、政権延命のため今秋にも解散を狙っていますが、解散・総選挙の結果次第で維新の会が野党第1党になるようなことがあれば、軍拡や改憲の企てが国会において立憲主義を蹂躙して進行する危険があります」
「いま、私たちは、軍拡と改憲の戦争する国か、憲法の人権と民主主義が活かされる平和な国かの岐路に立っています。こうした岸田政権の企てを阻止するには、少なくとも首相が公言する来年秋までの改憲を挫折に追い込むまで、この秋から市民が総決起することが必要です」
そして、この文章は、「大集会」をステップに位置付け、11月3日の憲法公布記念日を挟む11月を「軍拡反対、岸田改憲阻止の総行動月間」とし、全国各地の9条の会会員や市民に多様な行動に立ち上がるよう訴えようではないか、としている。
大集会では、九条の会呼びかけ人で作家の澤地久枝、九条の会事務局長の小森陽一、全国首長九条の会共同代表で武蔵野市長の松下玲子、九条の会世話人で前法政大学総長の田中優子、市民連合運営委員で上智大学教授の中野晃一の各氏らが発言したり、講演を行った。
93歳の澤地さんは杖を突いて登壇、イスに座って挨拶をしたが、その中で「岸田政権は日本国憲法に泥を塗るどころか、骨抜きにしている。もう1ミリも譲れない」「改憲されれば必ず徴兵制になる。自衛隊だけでは足りないからだ。でも、子や孫を軍隊に送ってはならない。子や孫には、平和な日本を手渡さなくては」と訴えだ。
田中さんは「『正しい戦争』はどこにもない」という演題で講演したが、その中で「戦後約60年間は『自衛』という枠を踏み外さなかった日本が、2015年に集団的自衛権行使を容認し、あとは雪崩を打つように『再軍備』に突っ走っている」「さらに、2022年12月16日に閣議決定された『安保3文書』では、日本が攻撃能力を持つことと、43兆円を軍事費に使うことが述べられている。国内の格差、子供を育てることの困難さを放置して、軍事費43兆円を使うことは、許されない」と、エスカレートする一方の日本の軍事化を批判し、日本人、とくに女性が立ち上がるよう呼びかけた。
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