SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】549 気合が入った今年の脱植民地化委員会!
- 2023年 10月 7日
- 評論・紹介・意見
- 国連総会平田伊都子第4委員会西サハラ
今年の<第4委員会>はすごく気合が入ってます!
通称、<第4委員会>は、正式に<国連総会の特別政治問題と脱植民地化を担当する第4委員会>と言います。 要は、地球上から<植民地>を無くそうとする国連の委員会です。
1960年12月14日の国連総会で、決議1514としで採択されました。
西サハラもその時に植民地(非自治地域)に指定されたのです。が、未だに植民地です。
毎年毎年、年中行事よろしく第4委員会で審議されてきたのですが、一向に脱植民地化しませんでした、、それが、今年は、ちょっと違うゾ!
① 第4委員会2023年:
第78回国連総会<第4委員会>は、異例なことに国連事務総長が8月27日付けの報告書で植民地西サハラに触れ、デニス・フランシス国連総会議長も総会オープニング演説で脱植民地化に言及した。第4委員会は9月28日から11月9日まで、例年より多い27回の会合を予定している。この地球上には、未だに国連が指定した17の地域が非自治地域(植民地)として存在している。今年は、西サハラ地域に焦点が当てられている。
今年の<第4委員会>議長は、南アフリカの国連常駐代表であるマトゥ・ジョイニ大使だ。彼女は、「脱植民地化アジェンダは国連の最も重要な課題の1つであり、最優先事項の1つである」と強調し、西サハラ人民の民族自決権を行使できる<西サハラ国連人民投票>の実現を強く促している。
国連総会の第4委員会議長、南アフリカの国連常駐代表であるマトゥ・ジョイニ大使
西サハラ関係も含め約215件の請願を受領した第4委員会は、10月2日に、一般討論を開始した。そして、第4委員会は、10月2日の初日から西サハラ問題の議論に入った。
ベネズエラは10月2日、西サハラ国連事務総長個人特使の努力を支持し、任務の成功を願い、「西サハラの人々が自由に自らの運命を決定できるのは、自由で公正な人民投票だ。それを組織するためにMINURSO(ミヌルソ西サハラ国連人民投票監視団)を安保理は創設した。その名に相応しい義務を、MINURSOは果たして欲しい」と、訴えた。
メキシコは、西サハラ紛争の平和的解決策を見つけようとする事務総長と彼の個人特使の努力を支援し、人民投票を組織するという使命を達成する上でのMINURSO(ミヌルソ西サハラ国連人民投票監視団)の重要な役割を強調した。加えて、モロッコ占領地・西サハラでの人権監視の強化も求めた。他の国の請願が、現在も続いている、、
② 国連安保理2023年10月:
10月2日、10月安保理議長のセルジオ・フランサ・ダネーゼ・ブラジル国連大使が記者会見をして、作業予定を発表した。西サハラ関連の協議は、10月2日、11日、16日、30日と4回にわたって予定されている。特に、10月31日で任期切れになるMINURSO(ミヌルソ国連西サハラ人民投票監視団)の更新について、議論される。討議内容に関する質問にブラジル国連大使は、「これからやる事の予測はしたくない」と答えた。「協議は公開か?非公開か?」との質問には、「非公開」と答えた。例年と変わらない、、ガッカリ、、、
10月16日には、国連事務総長個人特使のスタファン・デ・ミストラ個人特使と、西サハラ国連事務総長特別代表兼MINURSO(ミヌルソ国連西サハラ人民投票監視団)団長アレクサンドル・イヴァンコ、による西サハラ報告を行う予定だ。デ・ミストラ国連事務総長個人特使は、2021年に個人特使になって初めて訪問したモロッコ占領地・西サハラの現状を語る。
「ウクライナ問題がメニューの中にないが?」という問いにブラジル国連大使は、「確かに、我々は10月国連安保理の予定表にはウクライナ問題を取り入れていない。が、安保理メンバー国の要請があれば、討議するのにやぶさかしない」と答えた。「ブラジルが反ウクライナだから、消極的なのか?」との質問に、「ブラジルの立ち位置はルラ大統領が国連総会一般討論演説で明らかにしている」と答えた。ブラジルはウクライナ戦争に関して、即時停戦を呼び掛けている。
ルラ・ブラジル大統領は第78回国連総会一般討論演説で、「まず両当事者が話し合うことだ」と、和平交渉を提案し、ウクライナとロシアの両当事者が参加できる交渉の場を、早急に設ける必要性を強調した。そして、ウクライナへの武器供与を続ける欧米を「戦争を長引かせるだけだ」と、批難した。
③ 西サハラを支援するアルジェリア、南アフリカ、キューバ、ベネズエラ、、アメリカも:
バイデン米大統領は、第18回米・太平洋諸島フォーラム・サミットを、2023年9月25日にホワイトハウスで主催した。マッカーシー下院議長解任前だったバイデン米大統領は、「南太平洋に位置するクック諸島とニウエ島を独立国家として承認する」と、18か国の首脳を前に上機嫌で宣言した。クック諸島(人口18,200)とニウエ島(人口1,685)がニュージーランドと結んでいる自由連合形態は、国連総会決議1514でも承認されている。西サハラは、二つの小国を国家承認したバイデン米大統領の英断に拍手を送った。西サハラが民族独立運動の礎としているのが、この国連総会決議1514だからだ。1960年12月14日に採択された総会決議1514は、地球上から忌まわしい植民地を一掃しようと呼びかけ、「独立を目指す非自治地域(植民地)の住民が独立を目指すのを助けよう」と、植民地独立付与宣言で謳った。
トランプ前大統領を除き、アメリカ政府は超党派で西サハラの脱植民地化を支持し、西サハラ国連人民投票を始め国連和平交渉を指導してきた。因みに、毎年更新される西サハラ安保理決議の草案を作るのはアメリカ国連代表部だ。アメリカも独立戦争を戦った経験がある。
150万人以上の犠牲者を出して、植民地国フランスとの熾烈な戦争を経て独立を勝ち取ったアルジェリアは西サハラを国家承認し、自国領土内に西サハラ難民キャンプの設置を許可し、物心両面にわたって援助を続け48年になろうとしている。さらに人種隔離政策の鎖を断ち切り黒人政権を立ち上げた南アフリカは、国連やアフリカ連合などの国際舞台で揺るぎない西サハラ支援運動を続けている。キューバ、ベネズエラ、パナマ、ペルー、ボリビア、コロンビア、ホンジュラス、メキシコなど、多くの中南米諸国は、SADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)難民政府を正式に国家承認し、経済援助を続けている。西サハラ人民は、北米もこの流れに乗ることを、期待している。
時あたかも、マリ、ニジェール、ブルキナファソ、ガボン、、と西アフリカ諸国が、旧宗主国フランスの楔を外した! 「フランス人は俺たち黒人を馬鹿にしてきた!!」こんな素朴な若者の声を、欧州のメデイアが拾っている。
10月4日にアメリカ中央軍が、「米国海軍はイランから没収した7.62ミリ小型火器用弾薬110万発を10月2日にウクライナに譲渡した」と公表し。それを受けて国連記者会見で国連の見解を質されました。 CNNは、これまでにも米国は没収したイランの武器弾薬をウクライナに譲渡していたとばらし、国連は「没収された密輸兵器については破壊ないしは保管を求めている」と、発表しています。 が、米国の海賊行為に対して、国連報道官はコメントしようとしませんでした。 ???
国連は、毅然と、国連憲章と国連決議を順守してください、、
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2023年10月7日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion13286:231007〕
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