経産省前脱原発テント座り込み日誌10月5日版
- 2023年 10月 9日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2023年10月5日は、座り込み4,408目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 久しぶりの好天下経産省抗議行動 9月29日(金)
好天に恵まれたが、ラッパ型トラメガが接触不良ゆえボックス型トラメガひとつで抗議行動。脱原発、再稼働反対、美浜・高浜止めろ、汚染水を海に流すな、…のコール。K.Mから、「10/22使用済み核燃料の行き場はないぞ!全国集会」を案内するとともに、「行き場が無い放射性物質で地球を汚すな」資料を参照して原発から出る核ゴミについて、経産省・原子力規制委員会が令和に入ってから全体像を明らかにしないが、既に68万本が貯まっている、100万kw級原発が一基一年間稼働すると「死の灰」をセシウム換算で広島原爆1000発分とプルトニウム250kgを生産しウラン廃棄物200万本(ドラム缶換算)を貯める。
田中一郎さんが、原発の安全対策費を公的支援する為に新電力利用者も負担する愚かな施策を糾弾。Okさんが、久しぶりに青田恵子さんの詩「地球のお怒り」を朗読、5年前に外部原電喪失で泊原発があわやフクシマの二の舞に、地球だってお嘆きの涙、戦争にも原発にも怒りを持って頑張ろう。
火炎瓶テツさんの経産省への怒りの「処理水」問題をずっと忘れず抗議し続けよう、外交もできない政府への怒りのアピールとコール。MOさんが「座り込め、ここへ」と「水に流すな」を歌い、広島・長崎・福島を経験した歴史から学べ、汚染水海洋投棄やめろと糾弾。
三上さんが、汚染水海洋投棄への怒りとともにじっくり腰を据えて戦おうと請戸海岸テントの取組みを紹介。久しぶりでHoさんが、入管法に関連してクルドの人達への弾圧を糾弾、ヘイトスピーチ・排外主義に抗議。Baさんが、翌日(9月30日)のJCO事故への抗議を別館(資源エネルギー庁)前で行う案内。乱鬼龍さんが、先日の水俣病の判決とともに放射能汚染問題にも注目し請戸海岸テントの案内。汚染水を海に流すな、処理水は汚染水だ、これ以上海を汚すな、脱原発、再稼働反対、運転延長反対、老朽原発うごかすな、…のコールで終了。(K.M)
◎ 本当の学習能力が必要なのは官僚諸君だ 9月30日 (土)
・学習能力
最近蚊に悩まされている。その学習能力の高さに翻弄されている。腕に止まった蚊を上から叩こうとして失敗すると、次から、その蚊は手を挙げたとたん逃げてしまう。横から叩くと今度は成功。だがそれも失敗すると。おめでとう!無敵の蚊、スーパーモスキートの誕生です。それにひきかえ・・・、学習とは決められたことの墨守ではないということ。見習え、官僚諸君。
・ちょっとしたタイムトラベル
近所の図書館は新聞の縮刷版を数十冊所蔵している。ほんの極一部を紹介する。
1937 (昭和12) 年 7月 9日
目薬(スマイル)の広告は「まぁ素敵」というコピーと水着姿の女性たちの写真。演劇・映画の宣伝など盛り沢山で全面広告も幾つか。求人欄には喫茶店の店員やタイピストの募集。別の日の記事に「スタイルを維持するには家庭内でもコルセットを」というのもあった。北平郊外の歴史的事件を別にすれば今と変わりなく感じる。だが号外が増えた。文章より戦場の写真が主で写真集の一頁みたいだ。
ずっと飛ばして1941(昭和16) 年 12月
開戦、紙面から感じるのは解放感と高揚感。「やったぁ!」という感じ。
1945(昭和20) 年 7月 20日
第一面トップに「二千機西日本へ大挙来襲」「機動部隊と策応しB29六百大阪・中京へ」「P51や艦上機、波状攻撃」
社説(?)は「本土決戦必ず勝つ 敵近づけば思う壺
圧倒的な我が地の利」その他「明るく朗らかに暮らそう
必勝の信念はこの生活から」
民生品の広告はビオフェルミン。求人・募集は工場や軍。ファッション、芝居?何それである。
1945(昭和20) 年 9月
マックアーサ元帥の横顔という特集記事「仕事はてきぱきと
趣味は映画と歴史本」。
数ヵ月間分を連続して読んでも、日々の変化は微妙なグラデーションだ。いつ沸騰したのかも気が付かない。(O・O)
◎ 日本政府のミャンマー支援をやめさせなければ 10月1日(日)
今日の私は、いつもより早めの午前11時半に経産省に到着。既に藤原節男さんE藤さんS藤さんの3人が、藤原さんの車から荷物を下ろして、設営を始めていた。皆さん、来るのが早いです。私も手伝って横断幕6枚、のぼり旗7本を立てる。12時までに大体設営が終わると、記念の集合写真を撮って、E藤さんS藤さんは自転車で帰る。
晴れ。気温は高くないが、ムシムシする。にわか雨があるかもとの予報。12時20分頃、右翼の街宣車8台が、曲を鳴らしながら財務省前を通り過ぎる。そういえば先週の日曜も何台かが連なって走っていた。襲撃相手がいなくても官庁街を巡回するのが、奴らの最近の日曜日の日課なのか?
乱鬼龍さんがガリガリ君を持ってやって来る「まだまだ暑いね」。乱さんが昨今の情勢に物申す。今、選挙しても自民は勝てる。野党は共闘できればいいが、(立憲党首の)泉健太が…。統一教会の解散命令は選挙対策。周りの連中はボーとして生きている。政治に関心が無いのは、一人前の大人ではない。このひどい世の中、フランスみたいに官邸前に5万10万押し寄せてもおかしくないのに、憲法守れと集会を開いても集まるのは100人。
午後1時半頃、キリスト教宣伝車の千葉勝郎さんが来る。千葉さんは、藤原さんからおにぎりとゆで卵をもらうと、すぐ帰る。このあと日曜礼拝があるからなのだが、傍目には「ハァ何んだ、コイツは」と思うだろう。しかし、彼は右翼の襲撃に備えて、わざわざテントひろばに立ち寄ってくれているのだ。
午後2時頃、O島さんが来る。池袋でミャンマー祭りが昨日今日と行われており、そこからの帰りに立ち寄ったそうだ。ミャンマー情勢は、すっかり報道されなくなったが、状況は改善していない。民主化を求める市民や、少数民族への弾圧を続けるミャンマー国軍の資金源として、日本のODAが疑われている。日本から現地の人々を支援するのは難しいが、日本政府に対しミャンマーへのODAを停止するよう求めることは出来る。
今日はヤブ蚊が多かった。午後3時の撤収までに、私は7匹を退治。今日の座り込み参加者は累計7人でした。(M島)
◎ 女川原発再稼働に反対する意見広告に元気づけられた 10月2日(月)
「暑い、暑い」と言っている間に9月が終わり、昨日から10月になった。朝晩は涼しくなったとは言え、昼間はまだまだ暑く、氷水は欠かせない。丁度、1時頃に仙台から来られた女性が立ち寄ってくれました。経産省の横にテントがあった時に2回ほど来られた事があるとのことで、話が盛り上がりました。おまけにカンパまで頂きました。
また、きょう(10月1日)付けの河北新報に載った「女川原発の再稼働に反対する」多くの人々の名前がびっしり書き込まれた意見広告を見せて頂きました。大いに勇気付けられました。女川原発は、東日本大震災の時に大津波を受けて、危うく全電源喪失しそうになったおんぼろ原発です。岸田政権は再稼働を目論んでいますが、全国の力で阻止していきましょう。(保)
◎ 秋らしい気分がするようになってきた 10月3日(火)
9月の忙しかった日々が過ぎ、10月を迎えた。先週9月26日はまだ真夏のような暑さで、汗まみれになって台車を押して経産省前に向かったが、この日は、ようやく秋らしい気分で、さっそうと午前11時15分すぎに経産省前に到着した。
午前11時45分には幟旗、横断幕などのセットを完了して座り込んだ。すぐに、観光客らしい若い外国人夫妻がスマホを構えて、吊るしたばかりの「NoNukes]の絵を写真に写して、テーブル上のカンパ缶に札を入れてくれる。12時過ぎに、いつものようにI、Bさんがやってきて、一緒に座る。この日は、ときたま強風が吊るしたキャンバスの絵を水平な状態になるまで吹き上げていた。
国会前では3の日行動が行われ、午後2時前には、そこからの帰途に立ち寄ってカンパしてくれる女性2名とOさんがやって来た。後半担当するAさんが現れ、彼にテント日誌投稿を依頼したところ次週からは引き受けるとの前向きな返事を頂いた。(EO)
◎10月4日(水)
セッティングのとき、弱い雨がずっと降っていた。その後、雨はやんだ。気温は秋。当番のMさんはマフラーをした。今日は、神奈川新聞の石橋記者が、在特会Sに名誉棄損で訴えられた裁判の控訴審判決の日だった。在特会の街宣で、居合わせた石橋記者が、Sのヘイトスピーチ発言に対して「勉強不足だし、知識不足だ」と指摘したことに、在特会Sが傷つけられたと名誉棄損で訴えたという裁判。
1審は名誉棄損を認め15万円の損害賠償の判決だったが、控訴審では、「石橋記者の発言は確かに在特会Sの名誉を傷つけたかもしれないが、指摘に嘘はない」ということで、地裁判決の取り消しを命じたというもの。その報告会が虎ノ門であるため、傍聴者たち30人くらいが、座り込みの前を通って行った。顔見知りも多く、挨拶などした。今日は当番など6名だった。(T・I)
◎ 蚊の襲撃激しい、これも季節の異変関連か 10月5日(木)
Inさん、Yoさんと3人で設営作業。暑さはやわらぎ、だいぶ過ごしやすくなった。Inさんがいつも持参してくださる「脱原発福島を忘れない!」ボードには、「座り込み開始から4408日」とある。Inさんは「今朝、NHKの番組で吉沢さんがインタビューを受けているのを見たが、汚染水について何も伝えられていないのが不満だ」と言った。私も同感だ。
12:25、Wakさんが宗教者核燃裁判の傍聴前に立ち寄る。12:45、20~30代のスーツ姿の男性6人組が「経済産業省」の石のプレートの前に並び、「すいません、写真撮ってください」と私に頼んできた。スマホのシャッターを押したあと、「よかったら読んでください」とテントのパンフセットを渡すと「ありがとうございます」と言って受け取って行った。問題意識を持つきっかけになればよいが。
13:00頃、集会でよく見かけるフランス人ジャーナリストが「今日はどこかで汚染水抗議の行動はないのですか?」と聞いてきた。レイバーネットカレンダーを調べてみたが見当たらない。Inさんが「24日には官邸前で集会があります」と答えた。13:05、Ok妹さんが参加、憲法9条の「9」の字をあしらったかわいらしいブローチの販売を始めた。14:40、Taさん登場。Ok妹さんは辺野古基地反対集会に参加すると言って官邸前に向かった。終了時刻になりTaさんと2人で撤収作業し任務完了した。今日は蚊の襲撃が激しかった。当面虫よけスプレーとかゆみ止めが必須アイテムになりそうだ。(M.U)
=====添付資料=====
原発週報2023. 9.27-10.03 編集:漆原牧久
=========デモ、集会==========
・10月13日(金)経産省前抗議集会(毎週金曜日) 17時~18時
・10月15日(日)脱原発青空川柳句会 12時~ 経産省前テントひろば 選者:乱鬼龍
・10月20日(金) 「第29回 原発いらない金曜行動」 18時30分~19時45分 首相官邸前
・10月28日(土)、29日(日) 請戸川河口テントひろば
創設お披露目式のお誘い 13時30分~ 汚染水放出反対闘争の持続的展開のために
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5123:231009〕
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