SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】554 パレスチナ人は人間だ
- 2023年 11月 12日
- 時代をみる
- イスラエルジェノサイドバイデンパレスチナ平田伊都子西サハラ
2023年11月9日、ホワイトハウス報道官でもあるジョン・カービー戦略広報調整官は、「イスラエル軍が地上侵攻を強めるパレスチナ自治区ガザ北部で、住民避難のため1日4時間、戦闘を休止する」と、発表しました。 発表に先立ってネタニヤフ・イスラエル首相は「停戦はない」と明言し、バイデン米大統領も停戦を否定しました。 <住民避難>とは、<住民強制排除>のことです。
バイデンは2024年大統領選挙のため、ネタニヤフはパレスチナ人をガザから一掃するため、両者は戦争を続けるようです。
① 10分に一人のパレスチナの子供を殺すイスラエル:
2023年10月31日、パレスチナのテレビニュースチャンネルの特派員モハマド・アブ・ハタブが病院の中継後に、ガザ地区南部のハーン・ユーニスへのイスラエル軍空爆により、家族11人とともに殺害された。彼の死を知った同僚のサルマン・アル・バシールは、病院からの生中継で「防護服すら俺たちを守ってくれない」と叫び、ベストとヘルメットを脱ぎ棄てた。
11月8日、アメリカの非営利組織CPJ(ジャーナリスト保護委員会)は、ガザ戦争で死亡した記者が少なくとも39人(パレスチナ人が34人、イスラエル人が4人、レバノン人が1人)と、発表した。が、パレスチナ自治政府が運営するWAFA(パレスチナ情報局)は48人のパレスチナ人記者がイスラエルに殺されたと明言している。11月7日、ハマス系ラジオ局の記者と、WAFA(パレスチナ情報局)の記者がいずれも空爆を取材中に殺された。アメリカがイスラエルに供与したバンカーバスター(地中貫通爆弾)は、建物を完全に崩壊し大穴を開け、WAFA(パレスチナ情報局)の記者と42人の家族もろとも、瓦礫で埋めてしまった
WAFA(パレスチナ情報局)は、「10月7日にガザ戦争が始まって以来11月7日までの1か月間で、イスラエルによって合計10,678人のパレスチナ人が殺害され、27,000人以上が負傷した。死者のうち、子供4104が女性が2641で約7割を占めている。11月に入ってからイスラエルの空爆と地上侵攻が激しくなり、イスラエルは10分に一人の割合で、パレスチナの子供を殺している」と、報じた。11月9日には死者数が11.208になった。
11月8日の国連定例記者会見でステファン報道官がUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の職員99人が殺害されたと発表した。報道官は、「10月21日以降に650台の支援トラックがガザに入ったが、ガザ住民の必要量にほど遠く、飲料水は4%にも満たず、(イスラエルの拒否で)燃料は未だに届いていない。11月7日、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)とWHO(世界保健機関)のトラック5台の車列が、ガザ市内のシファ病院とアル・クッズ病院に救命医療物資を届ける途中、(イスラエル軍の)銃撃を受けた」と報告した。その後、救命医療物資の一部がシファ病院に届いたそうだが、11月10日、イスラエル軍はシファ病院に突入し、歩ける患者や医療チームが白旗を掲げて降伏した。
動けない重病人や重症者や保育器に入った赤ちゃんたちは、どうなったんだろう??
② 「この狂気を止めろ!」ホロコースト生存者の叫び:
「ホロコースト生存者は叫ぶ、我々の名称は戦争じゃなく平和のために!」と、書かれたプラカードを胸に、ホロコーストを生き延びたファイバー・アーティストで平和活動家のイングラム・マリオン女史は、アメリカの各地で開催される<ガザ戦争即時停戦>集会やデモに参加している。
マリオン女史は自伝の中で、幼い時に経験した非ユダヤ人の父へのナチによる暴力、ユダヤ人の母の自殺未遂、強制収容所移送の数日前に起きた第二次大戦下でのハンブルク大空爆、と、戦争とユダヤ人迫害の地獄を語っている。彼女は1952 年にニューヨーク市に移住し、ファイバー・アーティストとしての道を切り開いた。
マリオン女史は、今回のガザ大空襲とハンブルク大空襲とを重ね合わせ、<この狂気を止めろ>と、様々な集会で呼びかけている。イスラエル系アメリカ人のホロコースト研究者オマル・バルトフ・ブラウン 大学教授もマリオン女史をフォローアップし、即時停戦を訴えている。
米下院でただ一人のパレスチナ系民主党下院議員ラシダ・トライブ女史は、ガザを実行支配するハマスによる10月7日の軍事行動を、イスラエルのアパルトヘイト(人種隔離)に対する抵抗運動だと評価した。さらに、11月3日には<川(ヨルダン川)から海(地中海)まで、パレスチナは自由になる>というパレスチナ支持者の間で流行りのスローガンを、Xに投稿した。ところが、全米ユダヤ人団体が、「川から海までという言葉は、イスラエルの破壊を叫ぶものだ」と、強く抗議した。これを受けたイスラエル寄りの米下院議会は、「イスラエルの破壊を求め虚偽の話を宣伝する、下院議員としてふさわしくない行為」として、共和党議員がラシダ議員の問責決議案を提出し、賛成234、反対188で可決した。投票後の下院で、ラシダ議員は、「私は、残虐な殺戮を繰り返すイスラエル政府を批判したのであって、反ユダヤ主義ではない。パレスチナ人の正当な権利を擁護したのだ、、」そして、声を詰まらせながら、「パレスチナ人は使い捨てではない。私たちは他の人たちと同じように、人間だ」と、改めて訴えた。
11月7日の夜にガザの情報局が、ガザ地区のシオニスト軍の野蛮な砲撃によって損傷したモスクの数は192に上ると、発表した。ガザ戦争の影で、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸でも、イスラエルのパレスチナ住民に対する弾圧が激しさを増し、WAFA(パレスチナ情報局)の発表によると、戦争勃発の10月7日以来、2,280人のパレスチナ人が不法逮捕されている。
③ バイデンの戦争を止めれるのは?
11月8日、フォルカー・テュルクOHCHR(国連人権高等弁務官)は、エジプト側のラファ国境検問所にいて、そこを「生きた悪夢への門」と呼んだ。国連人権高等弁務官事務所は、死傷者の多さや破壊の大きさから、ガザ最大規模の難民キャンプに対するイスラエル軍の攻撃について、戦争犯罪に相当する可能性があると警告を発した。
サウジアラビアやUAE(アラブ首長国連邦)などのアラブ諸国は、「イスラエルのガザ住民を標的とする激しい砲撃や強制的な避難勧告や<集団懲罰>などは、明白に国際法と国際人道法に違反している」と非難した、そして、「これらの違反行為は、イスラエルの自衛権で正当化されるものではない」とし、即時停戦を要求した。
南アフリカ、チャド、ホンジュラスがイスラエルとの国交断絶を宣言した。
しかし、バイデン・アメリカ大統領の命を受けたネタニヤフ・イスラエル首相は、一日に4時間だけ銃を置く振りをして、地上侵攻を続けシファ病院などを陥落した。
イスラエル軍に脅かされたガザ北部の住民や難民は、ほとんど身ひとつで、南に向け歩いて逃げた。二度と帰ることを許されない家や難民キャンプを放置したままで、、崩れた道を歩くパレスチナ人の姿は、1948年前に故郷をユダヤ人テロリストグループのイルグン・レビに追われた祖父母の姿と同じだ。
ホロコースト生存者が、「狂気を止めろ!」と叫んでも、バイデンには聞こえない。
民主党下院議員が、「パレスチナ人は人間!」と訴えても、バイデンは意に介さない。
正気で狂気は止めれない!!
「No Ceasefire, no Vote (停戦なくば投票なし)」
アメリカの各地で「停戦しなかったら(お前なんかに)投票しないぞ!」と、2024年大統領選挙でのバイデン支持を拒否する声が怒涛の勢いで広がってくると、バイデンは慌てた。<一日4時間の休戦>という行き当たりばったりのまやかしホワイトハウス提案は、米大統領選挙でのバイデン票を保持するために出された、と分析されている。
バイデンが2024年の大統領選挙に負けたら、バイデン一家とのウクライナ・中国汚職疑惑を隠蔽しきれなくなり、バイデンが仕掛けたウクライナ戦争とガザ戦争の二つを失うことになる。正直なところ、悪辣なバイデン一家の運命なんて、どっちだっていい、、
とにかく、まず、即時停戦! 逃げ惑うガザの人々に、安眠できる場所と飲料水と食べ物を用意してあげたい、、
<一日4時間休戦>を受けて、イスラエル軍報道官はSNS で、「10日午前10時~午後4時の間に退避せよ」と、ガザ北部住民に呼びかけました。 しかし、イスラエル軍はガザ中心部のシファ病院を砲撃し、13人以上を殺しました。 別の病院もイスラエル軍の戦車に包囲され、死傷者を出しています。 ガザの記者たちは、命がけでそんな悲惨な状況を伝え続けています。
WHO(世界保健機関)の報道官は、「ガザの20か所の病院が完全に機能を停止した」と、発表しました。
本当に、人を馬鹿にしています! パレスチナ人は人間です!!
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2023年11月11日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔eye5145:231112〕
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