■11.25(土) 的場昭弘フォーラム「マルクスの世界史認識と革命観の変遷」のご案内
- 2023年 11月 15日
- 催し物案内
- 世界資本主義フォーラム的場昭弘矢沢国光
- 主催 世界資本主義フォーラム
- 企画の趣旨
- 日時 2023年11月25日(土) 午後1時30分―4時30分
- 開催方式 ZOOMによるオンライン
- テーマ 「マルクスの世界史認識と革命観の変遷」
- 講師 的場昭弘(神奈川大学名誉教授)
- 報告要旨
- 参考文献
- 参加方法 どなたも参加できます
- 問い合わせ・連絡先
世界史に対するマルクス・エンゲルスの認識は、資本主義の運動法則を抽出しようとした『資本論』とは異なって、「革命家」としての「総括と革命の展望」であり、「革命観」と一体化したものであった。
革命観が世界史の認識をどう深化させ、または制約したか、ぎゃくに、世界史の認識が革命観をどう発展させたか。こうしたマルクス革命観と世界認識の変遷をたどることによって、20世紀の「マルクス・レーニン主義」の過ちと悲劇を総括する一助となるのではないか。また、「資本主義後の世界」を展望するためにも、一度、こうした視点から「マルクス主義」を歴史的に振り返ってみることが役立つのではないか。
以上の趣旨で、「ジャーナリストとしてのマルクス」研究を続けてこられた的場昭弘先生を講師にフォーラムをもつことにしました。 [世界資本主義フォーラム・矢沢国光]
マルクスは、1842年からジャーナリストという職業について、ほぼ亡くなる(1883)までいろいろな新聞、雑誌に原稿を送って、それを生活の糧としてきました。マルクスが当時のヘーゲル左派の人々とちがって、世界を現実的にしっかりと認識できたのは、思弁的ではなく、ジャーナリストとしての現状認識が背景にあったからです。今回、マルクスの世界認識の過程を、こうした視点から辿ることにします。
マルクスは、ヘーゲルの『歴史哲学』と『精神現象学』の世界史認識に大きな影響を受けてきました。その西欧中心的な世界史認識過程を、生産力と生産諸関係という現実から生まれる歴史認識に変えたとしても、世界史を普遍史と考え、その世界史を分業と交通、世界貿易という発想で考え、世界史は西欧の先進資本主義に主導されていくという認識は変わりませんでした。
それを明確に示したのが、ブリュッセル時代(1845-48)の草稿の『ドイツ・イデオロギー』と『ギュルリッヒのノート』ですが、公表されたものとしては、『哲学の貧困』と『共産党宣言』、そして『ブリュッセル・ドイツ人新聞』に掲載された記事です。
こうした認識は1848・49年革命の失敗後も継続し、『資本論』第一巻が書かれる頃までは変わることがありませんでした。その間、マルクスは、『新ライン新聞』、『ニューヨーク・デイリー・トリビューン』に記事を書きながら、そうした観点から世界を分析していきました。
もっとも、大英博物館で始めた経済学と新聞記事のためのノートをとっていくなかで、こうした世界史認識に次第に疑問を感じ始めたことは確かです。それが農業問題についての認識でした。資本主義における農業をどう位置づけるか。資本主義に農業は包摂されるのかどうか。
この中で1967年以降、マルクスは農業問題、農業科学の問題に取り組み、次第に農業の側、もっといえば資本主義の分業の中の原料生産と位置づけられている部門の重要さに気づき、先進国からではなく、後進諸国から世界を見るようになっていきます。これらは、ナロードニキに近づき、チェルヌイシェフスキーやフレロフスキーなどの書物を読んだことから、また具体的にはアイルランド問題についての記事を書いたことからも理解できることです。後進国から見た世界史認識の登場です。
今回の報告はこの流れを、初期マルクスから後期マルクスへの世界史認識の変化と考え、その変化の経緯をノート、新聞、著作などから分析することとします。
的場昭弘『マルクスから読む世界史講義』(教育評論社、2022年)
的場昭弘『19世紀でわかる世界史講義』(日本実業出版社、2022年)
(1)11月23日[フォーラム開催日の前々日]までに、sekaiforum@jcom.zaq.ne.jp
まで、
・「11.25参加希望」と書いて
・氏名[所属・立場、できれば電話番号、など]をお知らせください。
(2)参加費 500円[あと払い可]、支払い方法は、世界資本主義フォーラムのサイト
https://www.worldcapital.online/
をご覧ください。
sekaiforum@jcom.zaq.ne.jp または 090-6035-4686 矢沢
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