SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】558 国連憲章第99条発動
- 2023年 12月 9日
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- イスラエルガザ国連平田伊都子西サハラ
2023年12月6日、アントニオ・グテーレス国連事務総長は<国連憲章第99条>の発令を宣言し、国連安保理議長にその旨の書簡を届けました。 <発動>とは物々しいですね、、
ステファン国連事務総長報道官によると、「99条は、国連事務総長が世界の平和と安全が脅かされている判断した事項に関して、国連安保理に勧告できる事務総長の特権を明記したもの」だそうで、12月8日, 国連事務総長は国連安保理で<発動の理由を説明し、<即時停戦>を嘆願しました。
① ガザ地下トンネル網を海水で氾濫する計画(ウォールストリート・ジャーナル):
ガザ戦争の一時中止が終わった途端、ネタニヤフは彼の言葉通り、ガザ全土の猛爆を開始した。「ハマスを壊滅できるのはイスラエル軍しかない!我々は攻撃を止めるわけにはいかない!」と、ネタニヤフ(74)は檄を飛ばした。
12月2日、ネタニヤフはカタールでガザ戦争の停戦交渉に当たっていたモサドに帰国を命じた。停戦交渉を、イスラエル外務大臣ではなく情報特務庁モサドバルネア長官(別称スパイ機関)に丸投げしていた。モサドは首相府管轄下にあり、活動の根拠となるような法律はない。モサド憲章(通称)には、情報収集、秘密工作(準軍事的な活動および暗殺を含む)および対テロリズム活動などが明記れている。イスラエルの共犯国アメリカもガザ戦争の停戦交渉にバーンズCIA(中央情報局)長官を、カタールへ送った。イギリスがMI6(秘密情報部)、ロシアがFSS(旧KGBロシア連邦保安庁)をカタールに送っていたら、まるで三文スパイ映画ですネ!
12月4日、CBS米TVのキャスターが、カタールの首相兼外務大臣シェイク・ムハンマド・ビン・アブドゥルラフマン・アル・タニに、ハマスのヤヒヤ・シンワルの居場所を尋ねた。カタール外務大臣は「質問は、現在進行中の交渉について私たちが行っていることと、何の関係もない」と、CIA (米中央情報局)とモサド(情報特務庁)の息がかかった探りを煙に巻いた。
<ウォール・ストリート・ジャーナル>米紙が匿名で米政府関係者の談話を発表した。同紙によると、ガザ北部のシャティ(ビーチ)難民キャンプ近くに5台のポンプシステムが設置されたという。海水がガザ地区の土壌にどのような影響を与えるのか?トンネルに人質が拘束されているとイスラエル軍が主張しているが、人質の運命は?
「人質全員137が戻ってくる可能性はない」と、12月5日、人質の家族とネタニヤフ戦相内閣3閣僚との会談で、ネタニヤフ自身が発言した。人質の家族から罵声が、3閣僚に浴びせられた。
12月6日ネタニヤフは、「IDF(イスラエル国防軍)はガザ地区のハマスのトップ、ヤヒヤ・シンワル氏自宅を包囲した」と、事前に収録されたビデオ声明で豪語した、「本人は逃れられるだろうが、我々が彼を捕まえるのは時間の問題だ」と、マフィアもどきの台詞を吐いた。シンワルが10月7日のイスラエル奇襲作戦の主犯だと、ネタニヤフは、決めつけ掃討作戦を続けている。が、ハマスの幹部は、「ハーンユニスにシンワルが潜んでいるという説は、ネタニヤフの捏造」と、否定している。そもそも、<ヤヒヤ・シンワル>はハマスのトップではない。ハマスのトップはカタールにいる<イスマイール・ハニーヤ>だ。小さい嘘から大きな嘘が暴れますヨ、ネタニヤフさん!
② アントニオ・グテーレス国連事務総長が、国連憲章第99条を発動!:
イスラエル軍がガザ全域に猛爆を再開したことを受けて、国連安保理では4日に対応を協議する緊急会合が非公開で行われた。会合前にドリビエール・フランス国連大使は記者団に対し、「安保理は行動を起こすべきだ。人道的な戦闘の休止以上のものが必要だ」と、より長期的な停戦を訴え。ウッド・米国連次席大使は会合後に、「現段階で安保理は役に立つ成果を出せると思わない。現場での外交に集中すべき。外交によってある程度の成果があった」と、新たな決議の採択に否定的だった。バイデン米政権がイスラエルのガザ殲滅を後押ししているのは明らかだ。ウッド米国連次席大使が言う<現場での外交>は、主役のモサドもCIAもカタールの舞台から降りて、もはや存在していない。
アントニオグテーレス国連事務総長は「国連憲章第99条」を発動した!
12月6日米上院で、軍事支援を含む1060億ドル(約15兆6000億円)大型支出法案を巡り、無所属のバーニー・サンダース議員も、この法案にイスラエルへの数十億ドルの軍事援助が含まれていることを懸念し、反対票を投じた。法案は否決された。ユダヤ系アメリカ人のサンダース議員は、「極右ネタニヤフ政権に現在の軍事的アプローチを続けさせるため、100億ドルを支出すべきではない、、ネタニヤフ政権がしていることは不道徳で、国際法に違反している。アメリカは加担するな」と、強調した。
12月6日、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)は、ガザ地区への人道支援が「事実上まったく何もできない、、ガザの約230万人難民避難民は飢餓や病気で瀕死状態だ」と、訴えた。UNRWAは声明で、「イスラエルによる民間インフラへのを攻撃は、住民大量虐殺とともに残虐犯罪で、戦争犯罪の訴追を免れられない」と、強い言葉で訴えた。
同日12月6日の国連定例記者会見でスファン事務総長報道官は、「アントニオ・グテーレス国連事務総長は、国連憲章第99条を発動する書簡を安保理議長に送付した。アントニオ・グテーレス事務総長が2017年に事務総長に就任して以来、初めてのことだ。第99条は、<事務総長は、国際の平和と安全の維持を脅かすおそれがあると認めるいかなる事項についても、安全保障理事会の注意を喚起することができる>と述べている。事務総長は、安保理理事国に対し、人道的大惨事の回避を強く求めるとともに、人道的停戦の宣言を呼びかけている」と、報告した。さらに報道官は、「世界食糧計画(WFP)の同僚たちは、本日発表した声明の中で、ガザでの戦闘が再開され、支援物資の配布がほとんど不可能になり、人道支援従事者の命が危険にさらされていると訴えた」と、言及した。
12月8日、国連安保理で国連事務総長は<国連憲章第99条>をなぜ発動したかを、説明した。さらに、事務総長の権限で、「(イスラエルによるガザ無差別攻撃の)即時人道的停戦、民間人の保護、人命救助支援の緊急提供」を命じた。
そして、「世界の目、そして歴史の目が見守っています」と、結んだ。
③ 殺人狂ネタニヤフを捕獲できるのは誰?:
11月30日朝、エルサレムで銃撃事件がありパレスチナ人2人とイスラエル人3死亡したが、イスラエル紙ハアレツが、40代の男性民間人が襲撃者と間違われ、イスラエル兵に銃撃されたことが、監視カメラの映像からわかったと報じた。男性は撃たれる前に、兵士らに撃たないよう言っていたという。自国の犠牲者に対して、「それが彼の運命さ」と嘯いたネタニヤフの発言がイスラエル紙ハアレツで暴かれ、批判の声が沸き起こっていた。
それ以前の11月9日には、エリヤフ・エルサレム問題・遺産相であるエリヤフは「ガザに原爆を使うのも選択肢の一つ」と発言して、国際社会から大反発を食らっている。IAEAなどの国際機関に全く申告していないが、イスラエルが大量の核弾道を所有していることは周知の事実で、被爆国日本としては、エリヤフの暴言と共に放置できない。
「全世界を敵に回してもガザ戦争を勝ちぬく」と、暴言するネタニヤフを狂気に走らせているのは、強行派の戦争閣僚にもましてユダヤ教の予言書<サムエル記>の存在だそうだ。<サムエル記・15章3節>は、「アマレクの民を亡ぼしなさい、彼らに関するもの全てを破壊しなさい。男も女も幼児も乳飲み子も、牛も羊もラクダもロバも殺しなさい」と、はっきり教えを垂れている。
<サムエル記>とは、古代ユダヤ歴史書の一つでサムエルは原作者の一人と言われている。<アマレクの民>とは<古代パレスチナの遊牧民>で、<古代ユダヤの民>のライバルだった。ネタニヤフにとって<アマレクの民>は現代の<ガザの民>に当たるようだ?
2023年12月4日、イスラエルのメディアによると、戦闘の影響で中断していたネタニヤフ首相の収賄汚職をめぐる公判が再開したそうだ。 ネタニヤフ首相は2019年に、3つの事件、詐欺と贈収賄と背任の罪で起訴された。2020年に公判が始まったが、ネタニヤフは新型コロナの感染拡大などを理由に度々延期させてきた。2022年12月に首相職に再復帰したネタニヤフは、司法制度の改悪を図って自身の汚職事件をもみ消そうと試みたが、うまくいかなかった。そんな時にガザ戦争が勃発した。ネタニヤフは渡りに船とばかりに、ガザ戦争を自身の汚職公判逃れに悪用しようとしている。
すかさず、「第二の独立戦争」と叫んで戦争内閣をでっちあげ、法務大臣に<裁判停止>の緊急命令を出させた。しかし、検察側もネタニヤフの悪巧みに屈せず、汚職容疑の審理を再開させた。頑張れ!イスラエル検察!!
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2023年12月9日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔eye5166:231209〕
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