SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】566 やりたい放題ユダヤ戦争内閣とモロッコ
- 2024年 2月 3日
- 時代をみる
- イスラエルジェノサイドモロッコ国際司法裁判所平田伊都子西サハラ
2024年1月25日、オランダ首都ハーグの平和宮にあるIJC国際司法裁判所が、南アフリカの提訴「イスラエルによるガザ市民に対するジェノサイド訴訟」に仮処分を出しました。
平和宮から出てきたナレディ南アフリカ外務大臣とパレスチナ外務大臣は、「IJC国際司法裁判所は、イスラエルのジェノサイドを確証し、その防止のためあらゆる策を取るよう、イスラエルに命じた」と、仮処分の勝利を平和宮の前に集まった支持者に報告しました。
① ジェノサイド訴訟は南アフリカ正道の勝利:
2023年12月29日、パレスチナのガザにおけるイスラエルの軍事作戦は、ジェノサイド(集団殺害)条約違反に当たるとして南アフリカは、<ジェノサイド訴訟>をIJC国際司法裁判所に提起した。さらに南アフリカはIJC国際司法裁判所に対し、差し迫った回復不能な損失からパレスチナ人の権利を守るため、<仮保全措置>を実施するよう求めた。
1月26日、IJC国際司法裁判はイスラエルに、ジェノサイドの防止やガザにおける人道状況改善に向けた措置や人道物資搬入などを命じた。そして、1カ月以内に進行状況を報告することをイスラエルに科した。最終判決を出すまで数年を要するらしい。また、ガザを実効支配する組織・ハマスには、拘束した人質を解放するよう求めた。
国連最高司法機関であるIJC国際司法裁判の命令を上訴することはできないが、命令を強制することはできない。
IJC国際司法裁判の仮処分命令に対し、「国際法と正義の勝利」とカタール外務省は称賛し、エジプト外務省も「この命令で重要な点は、イスラエルがパレスチナ人の殺害を停止することだ」と、即時停戦を促した。イラン外務大臣は、「イスラエル政府当局者たちは、パレスチナ人に対する戦争犯罪人として裁かれるべきだ」と主張した、イランと国交回復したサウジアラビア外務省も、国際社会が停戦やパレスチナ人保護に向けてさらなる措置を講じる重要性を強調した。ネタニヤフはヒットラーより悪質と評するエルドアン・トルコ大統領は、IJC命令が「女性や子ども、高齢者に対するイスラエルの無差別攻撃に終止符を打つことを願う」と、表明した。
アルジェリアは同胞南アフリカの司法外交勝利を讃え、国際社会にIJC国際司法裁判の裁定を即時実施するよう要請した。
西サハラは、国際司法裁判所(ICJ)の決定を歓迎し、この決定は国際法の「決定的な勝利」であり、誰も法の上にはいないことを「思い出させる重要なもの」と呼んだ。
② 悔しがるイスラエル戦争内閣がジェノサイド乱発、支えるバイデン米政権:
イスラエルのネタニヤフ首相は、「IJC国際司法裁判は戦闘停止命令を明記しなったことは、イスラエルの基本的自衛権を剥奪する法外な要求を正当に拒否した」と勝手に解釈し、逆に、「イスラエルがジェノサイドを行っているという主張は虚偽で言語道断」と、IJC国際司法裁判に突っかかった。
ネタニヤフは爆撃で27,000人のガザ住民(うち12,000人は子供)を殺し、ガザの建物の半数以上を破壊し、住民の80%以上を強制移動させ、集まった避難民を<檻に追い込んだ動物だと思って思い切り殺れ>とイスラエル兵にハッパをかけ、ジェノサイド計画を着々と進行。ガス・電気・水道・通信といったインフラの破壊もほぼ貫徹。ガザ住民への人道的支援物資の搬入も妨害続行、、息「もつかせず、息の根を完全に止めるつもりだ。
ガザのみならずヨルダン川西岸のイスラエル占領地・パレスチナ自治区でも、イスラエル入植者とイスラエル兵のパレスチナ人に対する暴力は過激化している。1月30日、西岸ジェニンのイブンシーナ病院に、医師や患者に偽装したイスラエル兵が、パレスチナの若者3人を銃殺した。ミラー米国務省報道官は、<軍事作戦>としてこのテロ活動を擁護する記者発表をした。
1月30日、ネタニヤフは全長500キロを超えるガザの地下トンネルに、海水の流入を既に始めていると発表させた。イスラエル軍はガザの地下水に影響が出ないよう配慮したと言い訳をしているが、専門家からは、「既に脆弱(ぜいじゃく)な上下水道インフラに深刻なダメージを与え、建物や道路が崩落する恐れもある」と、ガザ住民への多大なリスクを警告する声が上がっている。ハマス要員の溺死が目的らしいが、人質も一緒にいるのだ、、が、「かまわない!いけ~~!!」
そして1月26日、ネタニヤフはシンベト(イスラエル公安庁)が作成した「UNRWA(パレスチナ難民救済事業機関)のガザ支部職員12人はハマス」という情報を、アメリカとUNRWAに流させた。アメリカは、即、UNRWAへの資金援助を停止し、G7やアメリカ万歳の国々も資金援助停止を発表した。UNRWAはガザ市民を救う唯一の援助組織だ。
1月31日、マーティン・グリフィス国連緊急援助調整官は安保理に、ガザの状況は日々悪化の一途を辿っていると報告したうえで、「被占領パレスチナ地域に対する我々の人道的対応は、UNRWAが十分な資金と運営を行うことにかかっている、、UNRWAからの資金を差し控える決定は取り消されなければならない」と、強調した。
1月31日、ネタニヤフは東欧など8カ国の国連大使らとエルサレムで会談し、「UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の役割が終わったと認識する時が来た」と、宣言。
「UNRWA解体!やれ~~!!」
ガザ戦場ではイスラエル兵が、手当たり次第、子供も女性も逮捕し拷問し、
釈放時には高額な罰金を払わせる。、
③ 正道をひたむきに歩む南アフリカとアルジェリア:
1月31日、新国連安保理理事国アルジェリアは、ガザ地区のパレスチナ人に対するシオニスト組織によるジェノサイドに対するIJC国際司法裁所の決仮処分に関して、「不処罰の時代は終わった」と述べた。<府処罰の時代>とは、これまでイスラエルはことごとく安保理決議と総会決議に逆らってきたが、何のお咎めも受けなかった時代を指す。
「西サハラ事務総長の特使であるスタファン・デ・ミストラは、南ア政府の招待により、西サハラ問題を南ア政府高官と31日に会談するため、南アフリカに向かっている」との、ステファン国連事務総長報道官発表に反発したモロッコが、国連定例記者会見にMAPモロッコ国営通信の記者を送り込んだ。
1月31日の国連定例記者会見でMAPモロッコ国営通信のカリム記者が、「昨日、あんたは、3ヶ月前に決議2703号が採択されて以来姿を見せていないスタファン・デ・ミストラ事務総長個人特使の南アフリカ訪問を突然、発表した。南アフリカが紛争の当事者でないことは誰もが知っており、この問題に関する安全保障理事会での最近の審議中に採択された3つの決議も棄権している。これは、国連の政治プロセスを支持していないことを示している。なぜデ・ミストラ氏は南アフリカに行ったのか?、、彼はここニューヨークかどこかで、この地域の当事者と会うべきではないだろうか?」と聞いた。
「デ・ミストラ氏は我々の視界から外れているからといって、彼が働いていないわけではない。。ご存じの通り、彼はその地域に行ってきた。彼はまた、彼の任務の一環として、彼自身が話すべきだと思う人と会い、プロセスを前進させきた。 私は特に南アフリカについて話しているわけではない。彼は彼自身の方針に従って、自由に行動している。というわけで、今朝(1月31日)、彼は南アフリカ外務大臣のナレディ・パンドール女史と会った。場所は、南アフリカの.プレトリアだと思う」と、ステファン報道官は答えた。
アルジェリアの言う「府処罰の時代が終わった」という警告は、1975年以来、国連決議や国際法に逆らって、西サハラを手に入れようとしてきたモロッコにも当てはまる。
1月31日、南ア外務大臣は記者会見で、「国連加盟国はIJC国際司法裁判の命令に従う義務がある」と、南アフリカのプレトリアで記者会見をしました。
nノルウェー議会外交委員会の副委員長を務めるアスムンド・アウクルスト議員(労働党)は日刊紙ダーグブラデットに対し、「パレスチナなど中東全域に不可欠な支援を提供してきた長期にわたる活動を評価し、UNRWAをノーベル平和賞候補に推薦した」と、発表しました。 「この活動は70年以上にわたり極めて重要であり続けてきたが、この3か月はいっそう重要性を増している」と、言及しています。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2024年2月3日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔eye5195:240203〕
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