経産省前脱原発テント座り込み日誌3月28日版
- 2024年 3月 31日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2024年3月28日は、座り込み4,583日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 迷い鳩か、ふらり訪れた一羽あり 3月22日(金)
今日は、風がやや強く、時々突風が吹き、道路を超えて財務省までテントのチラシが風で飛ばされてしまい、財務省までとりにいって来たりした。日差しが差し込み、風さえなければ、まずまずの陽気であるのだが。
鳩が1羽やって来て、座り込み者の回りを首を前後に振りながら、我々のようすを伺っている。何があるのだろう? 今日はMAさんやYaさんはそれぞれ地元での活動があるため、お休み。
午後3時前に、木村さんが「明日から請戸の集会に出かけるのに、特急券を購入するために、早く家を出てチケットを購入し、早めに用事がすんだので、いつもより大幅に早く到着した」とのこと。いろはネットの女性達がミーティングで出かけると、私と木村さんだけの座り込みだ。風が冷たく座っていると身体全体が冷えて来る。私は用心のため、手袋とホカロン、ダウンコートを着てきたので、寒さはしのげたが、昼間の暖かさを信じて来た人は、ブルブル震えていたようだ。 (S・S)
◎ 原発にも戦争にも差別にも反対の声を上げ続けよう 3月22日(金)
脱原発、命を守れ。地球を守れ、未来を守れ、経産省は嘘をつくな…コールで経産省抗議開始。杉崎さんが「私たちは許さない、原発再稼働を許さない~」と「明日が無い」替え歌を歌う。私から、3月20日の「さようなら原発行動」の報告、能登半島地震、女川、柏崎刈羽使用済燃料。
守屋さんが<子どもたちの明日の為に原発はいらない>、「水に流すな」の歌。火炎瓶鉄さんが、地震で壊れたフクイチと原発事故への怒りと、経済産業破壊省・脱原発・核廃絶コール。奥内さんが、「素粒子」(朝日新聞)から「つくる人売る人買ふ人使ふ人ありてぞ武器に殺さるる人」(増田謙一郎)を読み、「殺さるる人」を生まぬため「売る人」にならない、戦後の誓いを踏まえた歯止めを、と訴える。
堀米さんが川口でクルド人へのヘイトスピーチへの怒り。白倉さんが、原発が無いと困ると騙されるな、電気は足りている、原発を残す経産省、原発は要らない、地震多発日本にあってはならない、珠洲原発を立てさせなかった人たちが私たちの命を救った、私たちの行動も大事、首都圏に最も近い東海第二を止めよう。
私(K・M)から、能登半島地震がありながら、女川・島根・柏崎刈羽の再稼働への動き、原子力規制庁職員との会話から見えた原子力規制庁の担当者の悩みの報告。乱さんが、房総半島の花を守ったたった一人の行動の紹介、国家権力が腐っている、一人でもいいから頑張ろう。私(K・M)から、「ひとりでもやる、ひとりでもやめる」(小田実)と経産省前テントひろばでも一人ひとりが行動。
守屋さんが農業基本法を改悪し戦時食糧法を復活して戦争準備が進んでいると憂え、「座り込め、ここへ」を歌う。
最後に脱原発・再稼働反対・汚染水流すな・戦争反対・武器輸出するな・ガザ虐殺を止めろ、NOWAR、NONUKESのコール。 (K・M)
◎ 専守防衛は何処に行ったのか 3月23日(土)
・武器購入に関する長期契約恒久化法案
「禁治産」という言葉が浮かんだ。国産ジェット旅客機の開発に失敗した国に英伊が求めるのは資金だけかもしれない。カスタマイズや購入後のサポートなどのノウハウがない国からはどこも買わないだろう。
まあそんなことよりも閣議決定の乱発で政治が動いていくことに鳥肌が立つ思いなのだ。そして極め付きに致命的なのは哲学がないことだ。 (O・O)
◎ 12時より脱原発テント広場青空川柳句会が開催 3月24日(日)
曇り空ではありますが、寒さも和らぎ過ごし易い一日でした。句会参加者は6名、選者は乱鬼龍氏、席題は「出発」、「責任」14時40分投句締め切り、14時50分より入選者の発表、披講となりました。
選者により入選句が読み上げられ、入選者へ乱さんからの原発許煎餅”ゆるせんべい”、”原発は未完の技術”みかん缶詰、デコポン、八朔などのフルーツや、不屈の<脱原発>季刊誌「季節」最新号など数々の賞品が手渡されました。入選句は以下の通りです。
「出発」の特選
・原発を 卒業できず 幾春や - ふ64
「出発」の秀句
・すぐ出発 放射線避ける 家つぶれ - 原子力ガリレオ
・自助できる 人取り残さず 日本丸 - ふ64
・出発と 思っていたら 後進だ - 金狼と月
・まず逮捕 裏金議員の 弁解は - 芒野
・武器を売る 結果自分に 使われる - 芒野
「責任」の特選
・能登よりも 万博と言う 無責任 - 海の民
「責任」の秀句
・復興の 責任地元と 国は逃げ - 原子力ガリレオ
・責任の 日本語知らぬ 自民党 - 金狼と月
・戦闘機 売った先には 死者作り - 芒野
・責任感 ないもの勝ちの 自民党 - 芒野
・いくさ止め 民救う責 こそ問われ - ふ64
次回の脱原発テントひろば青空川柳句会は、4月28日(日)12時より開催いたします。是非ご参加ください。(S.E.)
◎ 人の通りも少なかったが、励ましてくれる人ありて 3月25日(月)
きょうは一日中、小雨が降る天気であった。そのため経産省前の人通りも少なかった。そういう中でもカンパして下さった人がお二人。「頑張って、体に気を付けて」と励ましてくれる人が居られて、非常に励まされました。
不二越争議。韓国の最高裁から有罪判決を受けた不二越の東京本社前で昼時間に抗議集会。争議団は話し合いを求めたが、不二越は拒否。仕方なく本社前での抗議集会。支援者約100人と共に。この後、テントひろばに戻ってきたが、午後4時から国会内で院内集会が行われる予定とのことだった。(保)
◎ 桜は、まだのようだ 3月26日(火)
終日、冷たい雨の中の座り込み、セッティングを終わり、官庁街では一番早く咲く外務省角の桜を見ると、もう薄緑の葉が見えて花はパラパラと咲いているだけ。一方、面前の経産省前のソメイヨシノは、今日の寒さのせいか、蕾もちじこまっているようだ。
この桜も来週にはきっと満開になっているかも?
後半の当番者が来たので、事務所に帰り破損した「のぼり旗」の補修を8枚ほどし、事務所で会議がし易いように、若干、テーブルの上を整理して、帰途に着く。 (Y・R)
◎ 能登半島地震と関係なく再稼働を進める柏崎刈羽 3月27日(水)
気温が転換して、暖かくなったが、風が強く、バナーは下の方に張った。お母さんと官庁街見学に来た小学生に、「私たちは原発反対で、ここにずっと座り込んで抗議しているんです」と説明した。「頑張ってください」と言ってくれた。お母さんはニコッと笑ってくれた。
雀がたくさん来ているが、みんな少し小さい感じだ。雀の所に来ている鳩の一羽は右足の指の部分がない。どうして、そんなことになったのだろう。今まで気づかなかった。保っちゃんも知らなかったらしいが、O・妹さんは、ずっと前から知っていたそうだ。木の上や下で群れる雀の様子は人目をひいて、写真をとる人もいた。
規制庁抗議から回ってきたO・妹さんの話では、傍聴申込のやり方が厳しくなっているとのこと。柏崎刈羽を再稼働する準備作業の許可も、どんどん出されているという。(T・I)
◎ 柏崎刈羽の再稼働を目論む東電 地震は(?) 3月28日(木)
Yoさん、Okさんと3人で設営。Okさんが家から持参したお米を歩道にまくと、雀や鳩が群がってきて、ついばむ。やがて雨がぱらつき始めたので、パラソルを広げる。12:30、Kimさんが参加。私がipadで反原発ソングを流していると、Kimさんは「制服向上委員会をプロデュースしたPANTAと一緒に活動したことがある」という話をしてくれた。
その後、Kimさんは映画を見に行くと言って立ち去った。Yoさんが持参した東京新聞を広げると「核燃中間貯蔵7~9月開始 青森・むつ 柏崎刈羽原発から搬入」の見出しが躍る。推進側は能登地震にもめげず、柏崎刈羽の再稼働を目論んでいるようだ。14:30、Taさん参加。雨はいつの間にかやんでいた。私(M.U)は、いつものスタイルで経産省の周りを5周する。時間になりTaさんにテントが建っていた頃の昔話を聞きながら、2人で撤収し抗議行動を終えた。(M.U)
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志賀原発の変圧器トラブルが教える原発の脆弱性
~電気と水を欠かせない原子力発電所~
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会・被曝強要委員会! その261(木村雅英)
能登半島地震が耐震対策も避難対策もあまりに脆弱であることを教えた。一方、原子力発電所は水ばかりか電気をも食べ続けないと大量の放射性物質を吐き出してしまう恐ろしい装置であることも私たちに伝えている。
【林官房長官記者会見】 林官房長官は1月1日午後、石川県能登地方を震源とする地震後2回目の緊急記者会見で、北陸電力の志賀原子力発電所で変圧器に火災が発生し、消火済みと明らかにした。
【変圧器に何が起こったか?】 北陸電力は、変圧器から油漏れ、噴霧消火設備の起動、変圧器の損傷、光と熱を発するアーク放電、…と曖昧な発表を繰り返してきた。
【令和6年度能登半島地震による変圧器故障に係る状況報告】 原子力規制委員会が3月27日に技術情報検討会で標記報告を公開した。変圧器トラブルで、志賀原発の外部電源5回線のうち2回線が使用できなくなった、今回の地震による揺れが設計で想定していたものを超過していたか否かを含め北陸電力において現在調査中、とまだまだ曖昧な報告。「外部電源系による電力供給には期待せず、非常用ディーゼル発電機等から電力の供給を行う設計」、発電所内にある変圧器は耐震Cクラス、と補足。更に以下を事業者に要求していると説明:外部電源系は少なくとも2回線は独立、3回線以上を発電所へ接続、2回線が喪失しても複数の発電用原子炉施設が同時に外部電源喪失に至らないように設計。
【変圧器情報】 原子力エネルギー協議会(ATENA)が、変圧器は主に本体タンク、コンサベータ、冷却器及び放圧管で構成と説明。
【外部電源喪失事例】 原子力発電所において地震によって外部電源の一部または全てが喪失した事例(ATENA)。
泊、女川、東通、柏崎刈羽、福島第一、福島第二、浜岡、志賀、東海第二、大間余りの多さに驚く。特に2007年の中越沖地震時の柏崎刈羽原発の火災を思い出す。
【電気と水を欠かせない原子力発電とプール】 タービン回して電気を得る為に核分裂を起こす愚かな原子力発電所は、核分裂で得た熱を冷却する為に一級河川相当の大量の水を取水し平均7℃も温めで放水する。地震や海岸線隆起などで取水または放水が出来ないと大事故を起こす。
さらに電気も欠かせない。外部電源と非常用電源に頼っているが、外部電源は原子力発電側からは管理できないし、非常用ディーゼル発電機は、いざという時に使えないことが多い。更に、原発が止まっていても、高熱で高放射能の使用済み核燃料を保管するむき出しの使用済み核燃料プールの冷却が必要。
能登半島地震の変圧器故障が原子力発電所の危険性をより明らかにした。原子力規制委員会は、志賀原発も、今、稼働している原発も直ちに止めるべきだ。自然の警告を真摯に受け止めて総ての原発を廃炉に。(木村雅英)
=====添付資料=====
・原発週報2024. 3.20-3.26 編集:漆原牧久
=========デモ、集会==========
◆4月3日(水)原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動 12時~13時
◆4月3日(水)国会正門前行動「アベ・スガ・キシダ政治を許さない」
◆4月3日(水)第69回日本原電本店抗議行動 東海第二原発動かすな
17時~18時 日本原電本店前
◆4月3日(水)第127回東電本店合同抗議 東電は原発事故の責任を取れ
18時45分~19時45分 東電本店前
◆4月5日(金) 経産省前抗議集会(毎週)17時~18時 経産省前ひろば
◆4月18日(木)JKS47月例祈祷会の開催
会場:経産省前脱原発テントひろば
日時:2024年 4月18日(木)午後2時30分より
◆4月28日(日)脱原発青空川柳句会
12時;経産省前テントひろば 選者;乱鬼龍
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5221:240331〕
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