「野田政権発足は財界・電力会社への脱「脱原発」の狼煙? 相次ぐ電力会社からの原発再稼働に向けた動きが急加速化」など 地震と原発事故情報 その162
- 2011年 9月 4日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
4つの情報をお知らせします(9月4日)
九州電力・川内2号炉が9月1日より定期検査の為運転停止
残る稼動中原子炉はあと12基
★1.野田政権発足は財界・電力会社への脱「脱原発」の狼煙?
相次ぐ電力会社からの原発再稼働に向けた動きが急加速化。
★2.「お母さんお父さんのための保育付き講座」のご案内
★3.メルマガ読者から
イ 「北電も嘘つくんじゃないよ。道民はほとんどエアコンもってませんよ」
ロ 『原発の深い闇』(別冊宝島)は必見
ハ 「安全なお米を給食に!内部被曝ゼロ院内集」の報告
★4.野田首相の原発再稼働発言に、原発地元怒る
地元住民を無視している、福島の賛成が無い 東海村村長が憤り
★5.フクシマ重なる「ウラル惨事」― 核の事故 隠蔽の歴史
告発本を出版した天笠啓祐 ― どこの政府も隠す
★1.野田政権発足は財界・電力会社への脱「脱原発」の狼煙?
相次ぐ電力会社からの原発再稼働に向けた動きが急加速化。
糸色のぞむ
○ 「脱原発」の旗幟をポーズか否かにかかわらず兎に角打ち出した菅前首相の後
釜に座った野田現首相。この男は代表選の最中、唯一原発政策に関して具体的には
一言も触れぬまま首相の座に居座った。
しかしかっての野田氏主張を良く知る処の財界・各電力会社は民主党の野田代表
選出を菅前総理の「脱原発」路線からの決別のメッセージとして受け取り、代表選
出と同時に各電力会社は一斉に菅政権の元で封じ込められてきた、原発再稼働へ
の黒い野望をそれこそ剥き出しに、菅の政治的遺言と化した「ストレステスト」の
実施さえ足蹴にするような発表を30日当日のうちに次々と打ち出してきた。
○ 原子力施設周辺の活断層評価「見直し不要」 電力各社
東京電力など電力会社8社と日本原子力発電、日本原子力研究開発機構、日本原
燃は30日、東日本大震災を踏まえても、原子力施設周辺の活断層評価を見直す必
要はないとの見解を公表した。今回の震災で東電が活断層ではないとしてきた断層
が動いたため、経済産業省原子力安全・保安院が検討を求めていた。
震災の影響で、東北地方を中心に地下の構造にかかる力が変わり、従来とは逆の
東西に引っ張る力が働くようになった。4月11日にはこの影響とみられるマグニ
チュード(M)7の地震が福島県で起きている。
このため、東電は、福島第一、第二原発周辺の五つの断層が動く可能性を否定で
きないとして新たに評価。動いたとしても想定を超える地震の揺れは起きないと結
論づけた。
(朝日新聞 8月30日)
○ 原発周辺、地震起こす可能性低い 東北電力が調査
東北電力は30日、女川原発(宮城県)、東通原発(青森県)周辺の断層が現時
点で地震を起こす可能性は低いとの調査結果をまとめ、経済産業省原子力安全・保
安院に報告した。東日本大震災後に東京電力福島第1原発、福島第2原発付近で地
表に断層が現れたケースがあったため、報告を求められていた。
東北電力によると、女川原発から半径約30キロ圏内には27の断層、東通原発
の場合は8断層があるが、今回の地震で新たに発生した断層はないという。地殻の
変動状況や余震、地質などを調査したところ、すでに把握している断層についても
地震を引き起こす可能性は低いという評価だった。
(共同通信 8月30日)
○ 浜岡原発周辺の断層、異常なし 中部電、保安院に報告
中部電力は30日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)周辺にある断層を再評
価し、いずれも地震を起こす可能性が低いとの調査結果をまとめ、原子力安全・保
安院に報告した。
中部電力は、これまで活動性がないとしてきた断層6カ所を再評価。東日本大震
災に伴う地殻変動などを調査した結果、震災直後は周辺の地盤が東に5~6センチ
動く地殻変動があったが、7月までに数ミリ程度と通常に戻ったという。中部電は
「耐震設計上、新たに考慮すべき断層はない」と総括した。
(産経新聞 8月30日)
○ もんじゅ 来年度予算凍結せず
開発中止か否かが議論になっている高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)につい
て、中川正春文部科学相は二日、来年度予算に必要経費を計上する方針を明らかに
した。ただ、水と触れると激しく反応するナトリウムを冷却材に使うことに懸念を
表明。地震などに見舞われた際の安全性を再検証するため、識者による検証委員会
を設ける意向を示した。
(東京新聞 9月3日)
○ 「短命に終わるだろう」
ロイター通信は29日、現政権と同様に衆参両院での与野党逆転のねじれ、与党
内の分裂、東京電力福島第一原発事故への対応など克服すべき深刻な課題の多さを
指摘。「日本の首相は2006年以来、在任期間が1年を大幅大幅に超えることは
なかった」として上で、「新政権も短命に終わるだろう」と専門家の見方を紹介し
た。また中国メディアは対中強硬派と知られる野田氏を強くけん制、「どの政治家
も靖国神社参拝をすべきでない」と強調した。
(毎日新聞 8月30日)
○ これらの報道を見て判る通り、3.11福島事故以降各原発が抱える問題点の
指摘を全て無かったことにし、一様に「問題無い」と開き直っている。
幾ら「無能」「ボンクラ」呼ばわりされようとも一国の首相が「脱原発」を唱え
ている以上、露骨な動きを封じ込められて来た各電力資本。それらが野田政権の発
足と同時に一斉にこうした動きをとりだしたことは、野田氏と各電力資本の間で何
らかの合意事項がもったことは最早疑いないと考えるのは深読みのしすぎであろう
か。
国民の7割が「即時」「段階的」を含めて「脱原発」を望む中、「脱原発」を唱
えた菅元首相を引きづり降ろし、「原発推進相」とも言えるような野田氏(文藝春
秋2011年9月号「わが政権構想」を見よ)を首相とした民主党の責任は限りな
く大きい。
★2.「お母さんお父さんのための保育付き講座」のご案内
中村徹(保育士)
9月5日は、安田節子さんの「食べものと放射能のはなし」。終了後には茶話会
もあります。
小さなお子さんがいて、なかなか講座に参加できないお母さん、お父さんのため
に、スペースたんぽぽでは、平日の昼間に保育付き講座を開催しています。
いよいよ第3回は、9月5日(月)、安田節子さんの「食べものと放射能のはな
し」です。
気になる「食」への原発の影響…。
長く原発や食糧・農業の問題に市民の視点で取り組んできた安田節子さんのわか
りやすいお話で学びましょう。
さて、今回は初めての試みとして、講座終了後にささやかな茶話会を開きます。
講師の安田節子さんはお忙しいので参加されませんが、たんぽぽ舎のスタッフや
運営ボランティアは参加しますので、いろいろと情報交換をしましょう。
一般的な講座は、講師からの一方通行的な流れになりがちですが、せっかくたく
さんの人が集まるのだから、いろいろな方々のお話を聞いたり、意見を発信した
りすることも大切だと思います。
小さなお子さんを育ててるお母さん、お父さんもたくさん集まると思いますの
で、交流ができるといいなと思っています。
茶話会では特に保育はしませんが、お子さん連れの参加も大歓迎です。
小さな子どもがいるという理由で参加できない方がおかしいと思います。子育て
は保護者だけがやるものではなく、社会全体でやるべきものです。
大人たちみんなで、子どもたちを見守りましょう。茶話会の参加は無料です。
飲み物代のカンパをいただけたら嬉しいです。是非、お時間の許す限り、短時間
でもご参加くださいね!
第3回「お母さんお父さんのための保育付き講座」
9月5日(月)「食べものと放射能のはなし」
講 師:安田節子(食政策センタービジョン21代表)
開 場:13:30
開 会:14:00~16:30(終了後、茶話会あり)
資料代:800円
会 場:スペースたんぽぽ(4階)
主 催:たんぽぽ舎(5階)
★3.メルマガ読者から
イ 「北電も嘘つくんじゃないよ。道民はほとんどエアコンもってませんよ」
北海道の中村
こんばんは。たんぽぽ舎さんの読者です。
【TMM:No1173】に関して、東京の人は知らないことを逆手にとって、北電が冬場
に北海道で電力不足になる、と主張してるそうですが、北海道では寒くてエアコ
ンでは冬場はしのげません。
全世帯の家の前には石油タンクがあり、灯油を給油する車が巡回します。ずっと
昔は石炭を使ってました。北電も嘘つくんじゃないよ。道民はほとんどエアコンも
ってませんよ。
防災の日に前例のないような警察による道路閉鎖などの訓練がありました。9月
11日の大規模な原発デモを、過激な集団と決めつけて、デモ参加者を多数、逮捕
して警察国家につなげる思惑を感じます。気をつけて下さいね。
ロ 『原発の深い闇』(別冊宝島)は必見
東京18区の有権者から
最近発売された別冊宝島1796号「原発の深い闇」は必見です。まえがきは
「原発は国ぐるみの詐欺」で始まり、123ページは警察官、官僚の電力会社天下
り一覧表です。デモの度に、私たち国民を挑発し、逮捕者続出の理由がわかった気
がします。警察は納税者よりも電力会社を守るのです。書店で980円で販売して
ます。この本は是非一読されてから、もし宜しかったら紹介みて下さい。この国が
信じられないです!このメールをアップする時は警察さんが出る話しなので実名で
は無くて「東京18区の有権者から」にして下さい。
ハ 「安全なお米を給食に!内部被曝ゼロ院内集」の報告
横関彩子
8月27日、「安全なお米を給食に!内部被曝ゼロ院内集」に出席して参りまし
た。 TBSがニュース配信してくれました(以下の動画に怒れる母親のわたしも
でてます。)。
http://news.tbs.co.jp/20110827/newseye/tbs_newseye4811413.html
多くの学校で、まもなく夏休みが明けるのを前に、子どもを持つ親たちが、給食
の安全確保を求め、政府と交渉を行いました。
「不安でしょうがない、本当にこれで安全ですか」政府との交渉に臨んだのは、
子どもを持つ親など、およそ60人です。
多くの学校で夏休み明けに給食が再開されるのを控え、特に主食であるコメにつ
いて、「現在の暫定規制値である1キロあたり500ベクレルは高すぎる」と訴
え、規 制値を下げるよう要請しました。
「基準値が下がるまで、検査の万全な態勢がかなうまで、政府の備蓄米を子どもた
ちに回すとか配慮は考えられないか」
こうした要望に対し、政府側は、「現在、見直しは進めていて、食品安全委員会
の評価結果を受けて、配慮していきたい」と回答しています。
二 講座「地震・津波・原発事故と地方自治」のお知らせ
たんぽぽ舎のメルマガ読者です。
浜岡原発を娘と見学させて頂いてから、原発震災が起きたら、日本は御終いだと
思っていました。福島の原発事故では、もう取り返しがつきません。せめて、「さ
ようなら原発1000万人署名で、原発を廃炉にし次世代への責任の一端を果たし
たいと思います。「どこまでも祖国。生きられるだけ生きて、人の役にたとう!」
下記 西東京公民館市民企画事業で、講座を開きます。ぜひご参加下さい。
「地震・津波・原発事故と地方自治」
東日本大地震の全体像をとらえ、災害に対して地方自治の果たすべき役割と市民の
進むべき道を学ぶ
日時:9月4日・11日・18日いずれも(日)午後1:30~4:00
場所:田無公民館視聴覚室tel 042-461-1170
西武新宿線 田無駅南口駅前から3分 南へすぐ右に曲がり市役所となり)
講師:池上洋通氏(自治体問題研究所 主任研究員)地方自治問題の第一人者、話
が面白く判る。
参加資料代 各回 100円
企画:だいすき西東京の会 藤川利子 042-461-0188
★4.野田首相の原発再稼働発言に、原発地元怒る
地元住民を無視している、福島の賛成が無い 東海村村長が憤り
○ 新たな内閣が本格始動した二日、野田佳彦首相は記者会見で、定期点検中の原
発再稼働に取り組む方針を語った。原発を抱える首長は「住民を無視している」と
あきれ、福島県からの避難生活を続ける人々は「とにかく生活補償を」と願った。
人々の思いは「ドジョウ宰相」に届くのか―。
○ 「あきれたものだ。福島第一原発事故の原因すらまだはっきりしていないの
に」。東海第二原発を抱える茨城県東海村の村上達也村長は二日夕、野田首相の原
発政策を聞き、静かな口調の中にも憤りをにじませた。村役場で同日、取材に応じ
た村上村長は「住民投票だって必要なくらい(再稼働は)重要な話なのに」と切り
出した。会見で再稼働をあっさり口にした首相に「国家経済のためばかりで立地の
住民を無視している。まだまだ、再稼働の検討すらできる状況ではないのに」と怒
った。さらに人口が密集している東海第二原発の立地状況にふれ、「福島と同じ事
故が起きた場合、ここ(東海村)はとても避難なんてできない。10キロ圏内に3
0万人、20キロ圏内に70万人も住んでいるんだから。福島の反省が何もな
い」。既に村上村長は長期では「脱原発」の姿勢を明言している。野田首相のもと
では、菅直人首相が打ち出した方針を引き継げるか、いぶかる。「減原発の方針が
あるなら、何年以上稼働した原発は廃炉にするとか、具体的なことを言ってほし
い。国が中長期的な方針をしっかり示して初めて、再稼働の議論はできるはずでは
ないか」と疑問を投げかけた。(中略)
○ 野田首相は原発の再稼働に取り組む姿勢を示す一方、原発の新規建設には否定
的な見解を示した。脱原発を訴えるNPO法人「原子力資料情報室」(東京都新宿
区)の伴英幸共同代表は「新規とは何か。大間(青森県)など、すでにほぼ出来上
がっている原発はどうするのか」と、あいまいさを指摘しつつも、「脱原発に沿っ
た発言として評価したい」と歓迎した。
(東京新聞9月3日より抜粋)
★5.フクシマ重なる「ウラル惨事」― 核の事故 隠蔽の歴史
告発本を出版した天笠啓祐 ― どこの政府も隠す
○ 原爆開発から始まった原発の歴史。数ある原発事故よりも前に、原爆製造のた
めの工場で大事故は起きていた。代表的なのが1975年の「ウラル核惨事」。旧
ソ連が隠蔽し、亡命科学者が投稿論文で告発した。この論文を日本で出版した元編
集者の天笠啓祐さん(64)は「核の事故が繰り返し発生し、それを政府が隠す構
図は、福島もかわらない」と語る。
○ 「いまなお核惨事の汚染地域200平方km閉鎖されているといいます」と天
笠さんは話す。亡命科学者ジョレス・A・メドベージェフ氏の著書「ウラルの核惨
事」(82年、技術と人間刊)によると、事故は57年9月29日、旧ソ連のウラ
ル地方で起きた。軍事用プルトニウム生産工場から出された放射性廃棄物のタンク
が大爆発。1千m上空まで舞い上がった放射性物質は幅約9㎞、長さ100km地
域を汚染した。1万人以上の住民が避難したという。旧ソ連政府は事故を隠し続け
た。(中略)後年、旧ソ連の新聞「トルード」には避難の様子が掲載された。住民
は事故直後に強制退去を求められ、村には火が放たれた。30の村が地図上から消
されたという。(中略)この核惨事に福島の原発事故を重ね、「東電の核惨事」
(緑風出版)を出した天笠さんは「健康被害や死をもたらす放射性物質を生む核施
設や原発の事故は、どの国でも国家レベルで情報がかくされがちだ」と指摘する。
(中略)「政府はチェルノブイリのように戦略的に計画を立てる必要がある」と話
す。
(東京新聞9月2日より抜粋)
[編集部より]
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