日韓関係の行方~韓国の選挙結果-野党192与党108
- 2024年 5月 2日
- 評論・紹介・意見
- 小原 紘日韓選挙韓国
韓国通信NO743
去る10日に行われた韓国の総選挙は与党「国民の力」の惨敗、野党「共に民主党」圧勝に終わった。大統領は弾劾直前にまで追い込まれ、任期半ばで政権末期状態に。支持率は20%台と相変わらず低空飛行を続ける。
露骨な北朝鮮敵視と独善的な政権運営がたたった。民意は分断され、北との緊張は一挙に高まった。検察出身のせいか、正義をやたらに振り回す一方で身内の不祥事には拒否権行使を連発した。権力の私物化と国民不在の政治。日韓関係では譲歩に継ぐ譲歩を重ね日本から歓迎されたが、国内では「売国奴」という批判にさらされた。
日本のメディアは今後の日韓関係の悪化を心配するばかりで、大統領の迎合姿勢が選挙敗北の一因だったことは一切触れなかった。
1965年の日韓基本条約、2015年の慰安婦合意はアメリカの圧力から生まれた妥協の産物、真の解決から程遠い政治決着だった。尹大統領の「親日」もアメリカの存在が見落とせない。中国、北朝鮮、ロシアを敵国と見なすアメリカが作り出した緊張状態にもかかわらず、韓国国民は、戦争より平和、個人の尊重、公正な社会、政治に振り回されない日韓の「和解」を求めた。
<日韓はアメリカの戦略構想から抜け出せ>
選挙投票日の10日、岸田首相が国賓として訪米した。支持率20%の首相がアメリカ議会で、「日本は米国とともにある」と演説した。
経済学者浜矩子教授が、「唖然とし 呆然とし そして慄然とした」(『週刊金曜日』のコラム)と演説を評した。先制攻撃をいとわず、防衛予算を倍増する「安保三文書」を手土産にした卑屈な受け狙い。憲法をないがしろにしてアメリカに忠誠を誓った。
日本に迎合した尹大統領が「まるで日本の首相みたい」と酷評されたのを思い出した。アメリカと一体となって戦争をする日本と韓国は、アメリカにとって「虎に翼」「鬼に金棒」に違いない。
破綻した戦争抑止論理にしがみつく日本政府。大軍拡と同盟強化の先には破滅しかない。平和を愛する人たちの常識である。ムシのいいアメリカの戦争に私たちは付き合ってはいられない。
わが国の次の選挙の争点は間違いなく「政治とカネ」「戦争か平和か」である。政権交代を望む声は巷に満ち溢れ、自民党政治の終わりが現実になろうとしている。日韓がアメリカの戦略構想から抜け出すならアメリカの野望は崩壊する。アメリカに忠誠を誓った岸田首相は、尹大統領ともども消える運命にある。
Good-byアメリカ、サヨナラ自民党、サヨナラ原発、Stop the Wars!
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