私の5月3日
- 2024年 5月 9日
- 評論・紹介・意見
- 小原 紘憲法記念日
韓国通信NO744
5月3日に結婚したので憲法記念日は特別な日だ。
妻が転倒して手首を骨折して入院をした。家事の大変さを痛感する羽目に。外で「憲法を守れ」と叫んでも、私生活は両性の平等を定めた憲法24条を無視した違憲状態だったことに気づく。猛省を胸に憲法・結婚記念日を迎えた。
駅前で「改憲・大軍拡NO!」のプラカードを掲げた。人出は多いがプラカードに気づく人はほとんどいない。抜けるような青空を見上げながら、「時は春…あげひばり、なのりいで… すべて世は事もなし」という詩の一節が浮かんだ。私の危機感と駅前の静かな風景があまりにもかけ離れていた。これが現実かと思いながら1時間立った。
妻と待ち合わせて東京都江東区にある有明防災公園に向かった。
憲法集会には例年になく多くの人が集まった。登壇者の話に参加者の反応もいい。不便な会場にこれほど多くの人が集まったエネルギーに「大きな変化」を感じた。金権政治が露見して破綻寸前の自民党政治。参加者にゆとりのようなものさえ感じられた。
沖縄では臨戦態勢の準備が進められ、国民に「戦う覚悟」を求める麻生発言が飛び出す戦争前夜の雰囲気。それでも国民の半数は憲法維持である。拮抗する世論をどう評価するかは簡単ではない。「すべて世は事もなし」に通じる一般庶民の平和ボケと無関心は改憲を主張する政府、護憲勢力双方にとって無視できない。決め手は次の総選挙で自民党を大敗させること。参加者の顔から不安と自信が垣間見えた。
会場では市民グループののぼりや旗が溢れていた。政府を批判する集会を「組織動員」と揶揄する傾向があるが会場に集まった人たちは自分の意志で物言う人たちだ。全米各地の大学でイスラエルと支援するアメリカ政府に対する抗議活動が広がっている。集会はあらゆる戦争に反対する世界中の人たちとの連帯行動でもあった。<写真撮影/筆者>
当日夕方のニュースで集会の模様がテレビで紹介された。毎年、NHK放送センターの隣地で開かれている「さよなら原発」集会を無視しづけてきたNHKも取り上げたが、自主憲法制定の集会の模様とセットという中立を装う報道だった。
<来年は新国立競技場で>
高いか安いか意見が分かれるところだが、オリンピックのために作られた新国立競技場の使用料は約50万円である。今年の憲法集会参加者32,000人がカンパで賄える額だ。巨額の税金を投じた施設を平和のために利用しない手はない。会場に入りきれない参加者も加わって30万人規模のデモが都心を行進するというのはどうだろうか。
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