原発週報 2024.5.22~5.28 編集:漆原牧久
- 2024年 6月 7日
- 評論・紹介・意見
- 原発週報漆原牧久
東海第2事故想定の拡散予測 茨城県「説明会は必要ない」 開催要求の市民団体「残念な回答」 2024年5月22日 08時02分 東京新聞
日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)での重大事故を想定した放射性物質の拡散シミュレーション(予測)結果について、市民団体から説明会開催を求められていた県は20日、市民団体側に「説明会は必要ない」と回答した。市民団体は「『原子力広報いばらき第7号』の説明会開催を求める県民の会」(荻三枝子代表)。会は、県が原電に依頼し昨年11月に公表した拡散予測に関し、「原子力広報いばらき第7号」(ことし2月発行)で報じた内容が「結果を基に避難計画の実証作業を進めるような印象を受ける」などとして、公開の場での説明や質疑応答を県に求めていた。
青森・中間貯蔵応急拠点に東通村防災センターを指定方針 原子力規制委員会が了解
2024/5/22 12:28 産経新聞
原子力規制委員会は22日、今夏にも操業開始を予定しているリサイクル燃料貯蔵の使用済み核燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市)の緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)として、東通村防災センター(同県東通村)を指定する内閣府の方針を了解した。関係自治体などへの意見聴取を経て、6月にも首相が正式に指定する見通し。
知事、県民の意見聴取は「国の動き」待つ 柏崎刈羽原発、再稼働巡り
2024年5月23日 10時45分 朝日新聞デジタル
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を巡り、花角英世知事は22日の定例記者会見で、再稼働の是非について県民の意見を聞くのは、「国の動き」を踏まえた上でのことだという考えを明らかにした。
玄海町長の車、自宅近くで出火 事件・事故両面で捜査
2024年5月23日 5時00分 朝日新聞デジタル
佐賀県玄海町諸浦で21日午後8時20分ごろ脇山伸太郎町長名義の軽乗用車が焼ける火災があり、町長らの放水で約20分後に鎮火が確認された。唐津署は事件と事故の両面から捜査している。署や消防などによると、車は町長宅前の道路を挟んで駐車していた中古の外車で、運転席のある左前部が燃えた。けが人はなかった。
文献調査、玄海町に「敬意」 首長らが言及 原発立地自治体が総会
2024年5月23日 5時00分 朝日新聞デジタル
原発が立地する自治体でつくる「全国原子力発電所所在市町村協議会」の総会が22日、東京都内であった。佐賀県玄海町が「核のごみ」の文献調査を立地自治体で初めて受け入れたことについて、出席した首長らが感謝の意を示した。ただ、自らの調査受け入れに関する発言は出なかった。副会長を務める脇山伸太郎・玄海町長は、国に対し「苦渋の決断だった。原発周辺市町村だけの問題ではない。(調査の動きが)全国的に広がるよう一生懸命取り組んでほしい」と求めた。
核のごみ最終処分場問題 佐賀県知事「国全体で議論を」
2024年5月23日 15:00 日本経済新聞
佐賀県玄海町が原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた第1段階である文献調査の受け入れを決めたことを受け、佐賀県の山口祥義知事は23日、「県として新たな負担を受け入れる考えはない」と述べ、改めて最終処分場の受け入れに反対する考えを強調した。
福島県浪江町で14年ぶり田植え 一部で原発事故の避難指示解除、今後の出荷再開に期待 2024/5/23 16:36 産経新聞
東京電力福島第1原発事故の避難指示が昨年3月に一部で解除された福島県浪江町の津島地区で23日、水稲の試験栽培が始まり、14年ぶりの田植えが行われた。同地区の米は出荷制限が続いているため、収穫後に放射性物質の濃度検査を行い、全て廃棄する予定。しかし久々の田植えに参加した元住民らは笑顔で汗を流し、今後の出荷再開に期待を込めていた。
ウクライナ 新設で韓国企業と協力
5月23 日 原子力産業新聞
ウクライナの原子力発電会社「エネルゴアトム」と韓国の現代E&C(現代建設)社は5月13日、ウクライナにおける原子力発電プラント新設の設計、建設、試運転に関する協力覚書(MOC)に調印した。協力覚書は、ウクライナのG.ガルシェンコ・エネルギー相と韓国のH. キム駐ウクライナ大使立会いのもと、エネルゴアトム社のP.コティンCEOと韓国の現代E&C社のY. チェ副社長によって調印された。
全原発で地盤隆起対応確認 能登半島地震受け、原子力規制委
5/23 15:44 中國新聞
能登半島地震で地盤が大きく隆起したことを受け、全国の原発で想定を超える隆起が起きても原子炉冷却に必要な海水をくみ上げられるかどうか、原子力規制委員会が確認することが24日分かった。最初に関西電力が大飯原発(福井県)で28日に実施する訓練に立ち会い、その後に各地の原発で確認を進める。
「原発事故には実効性ある避難計画を」渋滞や複合災害で避難できなくなる恐れも 住民団体が市議会に請願 新潟・柏崎市 2024年5月23日(木) 13:26 新潟放送
原発立地地域の住民団体が実効性のある避難計画の策定を求め22日、柏崎市議会に請願を提出しました。請願を提出したのは、地元住民でつくる団体「原発を再稼働させない柏崎刈羽の会」です。原発事故が起きた際の避難について激しい渋滞が起きたり、地震などとの複合災害で道路が通れなくなったりして避難ができなくなる恐れがあり、現在の計画では不十分だと指摘。市民の被ばくを防ぐため柏崎市議会に対し、実効性のある避難計画をつくるよう求めています。
中国電力、脱炭素向け社債260億円発行へ 再エネ中心に
2024年5月24日 19:00 日本経済新聞
中国電力は脱炭素に向けた社債を260億円分発行すると発表した。このうち100億円は太陽光発電や水力発電など再生可能エネルギーの拡大に使途を限定する。160億円分は使途を明示していないが、島根原子力発電所2号機(松江市)も含めた原子力発電関連に使う可能性もあるという。
「工事監理、もう一段上目指す」ケーブル敷設ミスで柏崎刈羽原発所長
2024年5月24日 11時00分 朝日新聞デジタル
東京電力柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は23日の定例記者会見で、「緊急時対策所」につながる電源ケーブルの火災防護対策が不十分だったことについて「標準的に、どういうチェックをするか、どのような設計監理をするか、というところが足りていなかったと強く感じた」と語った。緊急時対策所は、再稼働を目指す7号機で重大事故が起きた際、事故対応の指揮を執る場所として2020年に5号機の建屋内に設けられた。
東電株、理論値超える高値 原発再稼働の思惑過熱
2024年5月24日 4:00 日本経済新聞
東京電力ホールディングス(HD)株が活気づいている。株価は4月に一時、東日本大震災で急落した2011年以来およそ13年ぶりに1000円台に乗せた。売買代金では23年末ごろから東証プライム市場の上位の常連だ。柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働に向けた動きが材料になっている。だが肝心の稼働時期は見通せていない。
核最終処分の報告書、夏にも完成 北海道寿都・神恵内、次段階調査焦点に
2024/5/24 20:19 産経新聞
経済産業省は24日、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分を議論する作業部会を開いた。北海道寿都町と神恵内村で進む全国初の文献調査の報告書案について、専門家が審議し、基準に沿っていると評価した。会合後、経産省担当者は「(報告書の)完成は夏ごろというのは見えてきつつある」と述べた。
柏崎刈羽原発、7号機タービン建屋で油漏れ 再稼働に向けたポンプの確認中
2024/5/24 19:25 産経新聞
東京電力は24日、新潟県に立地する柏崎刈羽原発7号機の放射線管理区域内で油漏れが確認されたと発表した。原子炉に隣接するタービン建屋の計器箱から漏れ出ており、漏出量は約30リットル。油に放射性物質は含まれておらず、外部への影響はない。東電によると24日午前10時45分ごろ、7号機のタービン建屋2階で、計器を収納する箱から油が漏れているのを社員が確認し、消防へ通報した。
新潟・柏崎刈羽原発7号機の主要設備検査、進捗は「折り返し」 稲垣武之所長が会見、再稼働時期への言及避ける 2024/5/24 10:45 新潟日報
東京電力柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は5月23日の定例記者会見で、再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機の主要設備の検査の進捗(しんちょく)状況について、定量的に示すのは難しいとし「定性的に言えば折り返しくらいだ」との認識を示した。再稼働の時期については言及を避けた。東電は「設備の健全性確認のため」として、4月に7号機原子炉に核燃料872体を装填(そうてん)した。
英政府 大型原子力発電所の次期建設サイトを選定
5月24日 原子力産業新聞
英政府は5月22日、次期大型原子力発電所の建設候補地として、ウェールズ北部、アングルシー島のウィルヴァ・サイトを選定した。同サイトは、英国の新規建設の牽引役として昨年7月に発足した政府機関「大英原子力(Great British Nuclear=GBN)」が今年3月、日立製作所から、イングランド南西部サウスグロスターシャーのオールドベリー・サイトとともに買収した原子力開発用地。政府が新規原子力発電所の建設用地を確保したのは、1960年代以来のことである。
日中、処理水協議加速へ 両首相、初の正式会談
2024年5月27日 5時00分 朝日新聞デジタル
岸田文雄首相は26日、訪問先のソウルで中国の李強(リーチアン)首相と初めて正式に個別会談した。岸田首相は東京電力福島第一原発の処理水放出を受けた日本産水産物の禁輸措置の即時撤廃を求め、処理水問題をめぐる日中間の事務レベル協議を加速することで合意。外相らのハイレベル経済対話や人的交流の拡大も確認した。
「非常に残念」と福島県の内堀知事 中国が日本産水産物禁輸撤廃に応じず
2024/5/27 12:44 産経新聞
26日の日中首脳会談で、岸田文雄首相が東京電力福島第1原発の処理水放出を受けた日本産水産物の輸入停止措置の即時撤廃を求め、李強首相が応じなかったことに関し、福島県の内堀雅雄知事は27日の定例記者会見で「非常に残念だ」と述べた。七つの国・地域が原発事故以降、食品の輸入規制を続けており、「正確な情報発信や県産農林水産物の魅力発信を強化し、国と連携して輸入規制撤廃に取り組んでいく」と強調した。
佐賀・玄海町長、核ごみ処分場「引き受ける考えはない」
2024年5月27日 18:00 日本経済新聞
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は27日、日本記者クラブのオンライン記者会見で、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場について「玄海町が適地だとは思っておらず、引き受ける考えはない」と述べた。脇山氏は立地選定の第1段階となる文献調査を、原発立地自治体として初めて受け入れることを10日に表明した。
玄海原発4号機、非常ポンプ一時機能せず 環境影響なし
2024年5月27日 22:10 日本経済新聞
九州電力は27日、定期検査中の玄海原発4号機(佐賀県玄海町)で、非常用の電動補助給水ポンプ1台が自動的に機能しなくなったと発表した。ポンプに電気を供給する部品を交換し、約4時間半後に作動を確認した。社内の保安規定で定める「運転上の制限」を逸脱したため、原子力規制庁や県に報告した。周辺環境への影響はないとしている。
使用済み核燃料の中間貯蔵期間「50年」明記 青森県が安全協定案を公表
2024/5/27 18:09 産経新聞
青森県は27日、今夏にも原発の使用済み核燃料が初めて搬入される計画の中間貯蔵施設(同県むつ市)を巡り、県とむつ市、事業者のリサイクル燃料貯蔵(RFS)の3者で結ぶ安全協定の案を県議向けの説明会で公表した。協定案は貯蔵期間を「50年間」と明記することなどが柱。
九電、原発の安全投資に移行債300億円発行 原発向けは国内初
2024年5月28日 18時35分 朝日新聞デジタル
九州電力は28日、原子力発電所の安全対策投資のため、社債の一つであるトランジションボンド(移行債)を発行すると発表した。九電はこれまで高効率の火力発電の開発のために移行債を発行したことはあったが、原発への投資を目的としたものは国内初という。
東海第二の施工不備を初めて公開 視察した首長「大変な不具合」
2024年5月28日 10時45分 朝日新聞デジタル
茨城県東海村と周辺5市の首長らは27日、東海村内にある日本原子力発電の東海第二原発を訪れ、施工不備が発覚して以来初めて公開された防潮堤の基礎部分を視察した。立地の東海村と再稼働に関する実質的な事前了解権を持つ水戸や日立などの5市の市長でつくる「原子力所在地域首長懇談会」の枠組みで、6市村の視察や会議は一部を除いて非公開で行われた。
玄海町長、文献調査の交付金受ける場合「唐津市や県とも配分相談」
2024年5月28日 10時00分 朝日新聞デジタル
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査を受け入れる佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は27日、日本記者クラブのオンライン会見で、受け入れによる最大20億円の交付金を受け取る場合は「隣の唐津市や県とも相談しながら、配分をしていかなくてはならないだろう」などと述べた。
女川原発の安全対策工事完了
2024年5月28日 5時00分 朝日新聞デジタル
東北電力は27日、東日本大震災後、運転停止が続く東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の再稼働に向けた安全対策工事が完了した、と発表した。原子力規制委員会による確認などの後、9月ごろに東日本で震災後初と見込まれる再稼働を目指している。主な対策は、原子炉建屋の上部に鉄骨部材を追加するなどの耐震補強▽防潮堤を高さ29メートル(総延長800メートル)にかさ上げ▽高台にガスタービン発電機を設置▽約1万立方メートルの淡水貯水槽を設置など。
東北電力株、5年4カ月ぶり高値 原発再稼働へ前進
2024年5月28日 20:11 日本経済新聞
28日の東京株式市場で東北電力株が急伸した。一時前日比171円50銭(12%)高の1565円50銭となり2019年1月以来、5年4カ月ぶりの高値をつけた。27日に女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機の安全対策工事が完了したと発表した。工事は前倒しで終わり、9月ごろの再稼働に向けて作業を進める。再稼働による燃料費の低減が収益改善につながるとの期待から急速に買いが集まった。
福島原発のデブリ、釣りざお式の装置で回収 試験を公開
2024年5月28日 18:40 日本経済新聞
東京電力ホールディングス(HD)は28日、福島第1原子力発電所2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出すための釣りざお式の装置を公開した。装置を使った模擬実験も実施し、性能を確かめた。東電は10月までに実際の作業に着手する。同日、模擬実験を三菱重工業の神戸造船所(神戸市)で報道陣に公開した。取り出しに使う装置は太さ20センチと16センチのパイプをつなげ、最大約22メートルまで伸びる釣りざおのような形状になっている。
九州電力玄海原発4号機、6月運転再開 定期検査終了で
2024年5月28日 18:35 日本経済新聞
九州電力は28日、定期検査中の玄海原子力発電所4号機(佐賀県玄海町)の運転を6月28日に再開すると発表した。同月3日に発電を始め、定期検査の最終段階である調整運転を経て通常運転に復帰する。3月27日から定期検査に入っていた。玄海原発4号機の出力は118万キロワット。6月1日に原子炉を起動し、同日中に臨界に到達する見通し。
政府予算増に伴い防衛人材を3割増 三菱重計画、26年度の売上は2割増 原発も拡大
2024/5/28 17:12 産経新聞
三菱重工業は28日、2026年度の売上高を23年度比で20%増の5兆7000億円以上とする事業計画を発表した。政府による防衛予算の増加に伴い防衛事業の人材を約3割増やして、開発や生産能力を増強する。また世界的に脱炭素の流れが加速する中で、国が積極活用を打ち出した原子力事業の拡大も目指す。三菱重工は28日、24~26年度の事業計画を明らかにした。
新潟・柏崎刈羽原発5号機ケーブル敷設ミス、組織の横のつながりに問題か 伊藤信哉原子力規制事務所長が見解、原因は調査中 2024/5/28 20:35 新潟日報
東京電力柏崎刈羽原発5号機で、電源ケーブルが火災防護区域外を通る敷設ミスが見つかったことについて、原子力規制庁柏崎刈羽原子力規制事務所の伊藤信哉所長は5月28日の定例記者会見で「今まさに検査をしている。設計管理や組織の横のつながりに問題があるのではないかと注視している」と話した。
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〔opinion13744:240607〕
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