経産省前脱原発テント座り込み日誌6月20日版
- 2024年 6月 24日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2024年6月20日は、座り込み4,667日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 工事で狭くなった経産省前 6月9日(日)
M島が12時前に経産省に着くと、藤原節男さんと
遠藤さんが座り込みの設営中。所用のため遠藤さんは設営途中で帰る。2人で作業を続け、横断幕6枚とのぼり旗10本を立てる。今日の藤原フードはふかしさつま芋とゆで卵。また最近は、氷水だとインスタントコーヒーが溶けにくいので、コーヒーポーションも用意するようになった。気配りが素晴らしいです。
曇り。風はあるが、蒸し暑い。予報では雨降らない。経産省の正門前の敷地の一角がフェンスで囲われている。フェンスの中では石畳にカッターが入り、一部が養生シートで覆われている。何の工事か告知無し。フェンスは歩道側に少しはみ出しており、座り込みの前の通行空間が狭くなった。行き交う人はわずらわしく思うかも知れない。先週の発電機は今日も本館入口わきに設置。発電機は工事で使用するようだ。
12時25分、S山さんとH野さんが来る。今日は中核のデモがあるそうだ。第3機動隊が虎ノ門交差点にカマボコを停め、工事中の旧郵政省と文科省の間に蛇腹式バリケードを設置。右翼は霞ヶ関の辺りにはまだ来ていない。ちなみに、お2人は解放派だそうだ。12時30分、T崎さんが来る。T崎さんとH野さんは煎餅を砕いて鳥にくれる。ハト7羽、スズメ約20羽集まる。
12時50分、バリケードで検問が開始。一時的に渋滞が出来たり解消したりする。午後1時30分、T崎さんがコンビニ丼を買ってきて皆に振る舞う。ありがとうございます。そこへキリスト教宣伝車の千葉さんが来る。千葉さんの分も買っておけばよかった、とT崎さん。藤原さんが芋や卵を渡すと、お返しに千葉さんからPETボトルコーヒーを頂いた。千葉さんは礼拝があるのですぐ帰る。
午後2時20分、M島がトイレから戻ると、右翼がテントに来ていた。街宣車4台をバリケード手前の道路脇に停め、構成員10人がトラメガを手に歩道に上がって来ていた。座り込みと右翼の間に、警官10人以上と公安5人くらいが割って入る。「植え込みに杭打って、現状復帰できんのか。丸の内署は撤去させろ。こんな事まかり通ったら怖くて住めねぇよ。汚染水放出は、中国のほうがひどい。中国に文句言え」等と右翼は怒鳴る。丸の内署は藤原さんに「少しずつでも片付けられませんか」とお願いするも、藤原さんは「座り込み終了定時(午後3時)の5分前には片付け始めますから」と答える。しかし、午後2時40分頃、右翼は歩道に見届け役2、3人を残して、街宣車に戻り、中核のデモ隊を待つ。テントは、とばっちりを受けた形。緊張が解けると、T崎さんの買ってきたガリガリ君が、そのままであったことに気づく。ガリガリ君を皆で食べ、午後2時50分から片付け始め、午後3時には右翼の言う通り完全に現状復帰した。今日の座り込み参加者は7人でした。
一瀬弁護士と丸の内署が電話でやりとりしたそうだ。丸の内署は「植え込みの樹木に横断幕やのぼりを結び付けると樹木を痛めるので撤去してほしいが、地面に杭を打ち込み、横断幕やのぼりを設置するのもやめてほしい。これはお願いです」と言ってきた。一瀬弁護士は「穴はすぐ埋まる。問題ない」等、反論するも、正式な回答は保留したそうだ。テント運営委員会で議論するか。(M島)
◎ 暑いには乱さんの川柳団扇が役立つ 6月14日(金)
今日は、猛暑日になるようだ。最寄り駅のホームで電車を待っていると、「京王線の人身事故の為電車が遅れています」とのアナウンスがあった。人身事故と聞くと心が痛む。電車は20分遅れて出発した。今日は、Sさんが家の都合でお休み。Waさんは事故の影響で大幅に遅れるので現地に直行とのこと。事務所に着くとYaさんが荷物を運び出してくれていた。女性3人で2台のカートを運んだ。
経産省前に就くと、凄まじい工事の音にびっくり!! お馴染みの”経済産業省”の石碑は見られず、周囲は大きくビニールカバーで覆われている。騒音は酷いし、日陰の場所も少ないので、パラソルを2つ立て、椅子はプラタナスの木の方に寄せて並べた。沢山の葉をつけた大きな木は有難い。景観の問題だけではない街路樹の大切さを実感する。
右手の環境省新庁舎の工事の騒音は相変わらずだ。とにかく暑いし、喧しいし、事務所から持ってきた、乱さんの川柳団扇は貴重だった。これからは熱中症にも気をつけねば。団扇と耳栓は必携だ。工事中で空気も悪そうなので、マスクも必要かな!?
Yoさんが私達にアイスクリームを買ってきてくださった。暫くすると、Eさん、Shiさん、Naさん、Maさんが来られ、賑やかになった。私達女性陣は、7/21の大間原発反対現地集会に今年も参加する予定なので、どのようなコースをとるか相談をした。(Y.M)
◎「死んだ兵士の残したものはこわれた銃とゆがんだ地球」 6月14日(金)
暑さに耐えて座り込んだ後、経産省本館前の鎖ポールの工事をよけてタクシー乗り場前で抗議行動。今週は、火曜に東電と共に脱原発をめざす会、水曜に小児甲状腺がん裁判、木曜にALPS処理汚染水差止訴訟の第2回口頭弁論(福島)、国会原発ゼロの会で経産省・NUMOの文献調査を小野有五さん他が厳しく批判。これらを確認の’上、「経産省は嘘をつくな、…」のコール。
白倉さんが、東海第二を止めようと訴えるドローン活用集会と、6月15日(水)3.11子ども甲状腺がん裁判の報告、7人が訴え327人の甲状腺がんが確認されている中で行われた裁判での国が言う過剰診断を批判し次回は9月11日(水)、都知事選を応援しよう。クレヨンハウスから6月16日(日)の三上知恵さんの朝の教室「戦雲(いくさふむ)に覆われた南西諸島と日本」の案内。
K.Mから火曜の東電と共に脱原発をめざす会の報告、東電が3.11事故を起こした時と同様に原発再稼働に前のめりで同じ過ちを犯そうとしている。ALPS処理水海洋投棄について、当初予定の見積もり34億円を大幅に越えている、NDの扱いに間違いがありプルトニウムなども排出している中で環境省に声かけ、「化学3月号」の論文がより超多量の水で希釈しないといけないとの論文紹介、水産資源保護法違反についても福島県に指摘、などを報告し資料配布。既に6回も実施された汚染水海洋投棄は30年以上続く、何としても止めよう。
火炎瓶鉄さんが、柏崎刈羽再稼働に反対、避難できない、事故が起きたら駄目だ、…と訴え、「経済産業破壊省、原子力亡者恥を知れ、311は終わってない、…」と元気なコール。守屋さんが「座込め、ここへ」と「水に流すな」を歌う。堀江さんが、6月9日大阪うつぼ公園で開催された全国集会に1400人が結集と報告し、福井の危険で行き場無き使用済み核燃料の話、また6月8日には京都で韓国のイ・ウォニョンが呼びかける「核汚染水ストップ世界市民行進」が行われた。
三上さんが、6月15日の樺美智子追悼集会と、請戸川河口テントひろばの6月15日の学ぶ会と16日の放射線量調査の為の魚釣りの案内。奥内さんが「死んだ男の残したものは」(谷川俊太郎詩、武満徹曲)を朗読し歌い、ベトナム戦争を思い起こし反戦を訴えた。乱さんが、暑い夏も原発無くても大丈夫、マイナンバーカードで政府が嘘、政治資金規制法で十年後公開もひどい、原発稼働でいつイチエフ事故を起こすか心配、軍国主義復活に抗い闘おう。
最後に「脱原発、汚染水を海に流すな、再稼働反対、核ゴミ増やすな、放射能をまき散らすな、労働者に被曝させるな、脱原発、NONUKES、ガザ虐殺止めろ、NOWAR、…」のコールで終了。(K.M)
◎ 戦争をはじめたら守れないことがたくさんある 6月15日(土)
・やりすぎにはならないように気をつけて
映画やドラマに出てくる地上げの指示みたいだ。医療機関を手下扱いにして「圧力は穏やかに」が政治の言葉。
・先島諸島住民避難計画
畑、漁場、牧場を残して。学校や庭の花や木、先祖のお墓に別れを告げて、故郷での穏やかな日常を諦めて。さよなら笑顔。
戦争を始めたら守れないことがたくさんある。それどころか守らなかったのだ。これからも守らないだろう。(O・O)
◎ 最高裁を取り巻くヒューマンチェーン、どう聞く最高裁 6月17日(月)
朝から気温が高すぎて、汗かきの私は、経産省前まで歩いただけで、汗だくに。汗を拭きふきしながら、バナーなどを括り付け終わったのは12時10分。早速、反原発ソングを掛けて、道行く人々にアピールした。用意してきた氷水を飲んで、一息ついていたら韓国サンケン闘争で一緒だったHさんと久し振りにお会いした。「朝の10時半からの最高裁前での抗議集会・ヒューマンチェーンに参加してから来た」とのこと。暑いなかご苦労様でした。汗かきの彼にも氷水を勧めた。この後の予定は韓国サンケン闘争で不当逮捕され控訴審闘争を闘っている尾澤さんへの支援闘争(午後2時~)に参加するとのことだったので、食事に行くまでしばらく雑談した。
12時半過ぎから突如として経産省前のショベルカーが作業を始めた。時たまズボンに何かが当たったので見てみたら1㎝未満のカケラが落ちていた。黒いシートは2㍍しかなく、上部は覆われていないので、重いものは下に落ちるが、軽いものが上から飛び出してきたのでしょう。周りを見渡したら8ケほど見つかった。白い粉塵が上がっていたので蒸し暑いが、マスクをして、吸い込むのを防いだ。きょうは作業日ということで午後4時まで断続的に動いていた。きょうは隣の環境省工事でもショベルカーを動かしていたのでとてもうるさかった。
午後2時過ぎにゲタさんから電話。ヒューマンチェーンのあと院内集会に参加しているとのこと。午後3時40分に電話があった福島の安藤も院内集会に参加しているとのことだった。福島から来ていた人は優先的に参加させてもらったようだ。何しろヒューマンチェーンには950名が集まってくれたということでテントひろばの仲間も多くの人が参加できなかったという報告をあとから寄ってくれた人から受けた。参加された皆さん、暑いなか、本当にご苦労様でした。(保)
◎ 経済性も失われた原発、根拠なく固執する政府 6月18日(火)
朝起きると、外は雨降り。テントひろばニュースの原稿が届き、何枚かの写真を挿入するなどの編集を行ってから雨の中を長靴と上下の雨具を持って出かける。事務所ではすでにO、Yさんが待機していた。ニュースを印刷してから雨の中を台車を押して、12時少しまえに経産省前歩道に到着。
昨日参加した最高裁包囲行動では、議員会館で行われた報告集会で龍谷大学の大島堅一さんから「6・17(最高裁)判決がもたらしたもの」と題する講演を聞いた。大島さんは、「国は『事故を防止できなかったことを真摯に反省した上で、原子力事故の発生を常に想定し、…最大の努力をすべきとの認識に立って』原子力を利用しようとしている」と、経済性すら失われた原発の運転に拘る国の姿勢を鋭く批判している。
明後日告示の都知事選に向けて、夜には立民、共産から蓮舫出馬を応援する全都決起集会が中野区で開かれるという。都知事には原発の運転に反対する候補者が当選することを、心から祈る。(EO)
◎ 戦争につながる法案を通していく国会にあきれる 6月19日(水)
暑い。温度計は30℃。温度計をちょっとひなたに置くと34℃くらいにもなる。水曜日は経産省前の水道局の工事がない日なので、そのまま、いつも通りにセッティングした。今日は変則的に、遅番当番のWさんが12時に来た。アレコレ話す。「6月20日の最高裁包囲行動は約1000人集まり、包囲できてよかったね」と確認した。原発に限らず、本当に最高裁も下部裁判所も権力の味方だ。いま、朝ドラで裁判官や弁護士の話をやっているが、そして、そこで描かれている「正義」によるジャッジが話題になっているが、いまの司法はどうしようもない。
国会もひどい、6月23日が会期末なので21日の金曜日に実際には国会は終わるが、岸田内閣の支持率が低かろうと何だろうと戦争に向かう反動法案は次々通していく。自民党のパー券もうけ話には、なんのメスも入らず「政治改革」が聞いてあきれる。
都知事選がはじまるが、都政は変わるのだろうか。今日は座り込みに寄ってくれる人もなく、常連でやる。早番当番のTとWさんは午後2時過ぎに帰らせてもらう。(T・I)
◎ 座り込みの場所を変える利点あり 6月20日(木)
Inさんと2人で設営。正門前は工事で狭くなり騒音もうるさいので、今日は交差点沿いに場所を移した。やがて昨日ケガをして急遽お休みになったYoさんの代役として、Yoさんのお友達のSuさんが来てくださった。Inさんが柵にプラカード類を貼り付けていたら警備員が3人やって来て「外してください」と言うので、やむなく外した。私(M.U)はいつもの反原発ソングをipadで流す。
13:30 Okさん参加。みんなで6月17日の最高裁包囲行動の感想などを話し合う。後半になりTaさん、Shimoさん、Shimaさんが参加。工事の影響で場所を変えたが、こちらの方が木陰もあり過ごしやすく、交差点での信号待ちの人たちにバナーやノボリバタが目に入るという利点もありそうだ。時間になりTaさんと2人で撤収し、4667日目の抗議を終えた。(M.U)
=====添付資料1=====
テントニュース291号
=====添付資料2=====
原発週報2024.6.12~6.18 編集:漆原牧久
=========デモ、集会==========
◆6月25日(火) 原子力規制庁院内ヒアリリング 集会案内
13時30分~17時 会場 衆院第二議員会館 第7会議室 集会後意見交換会
◆6月26日(水) 12時~13時 原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動
◆6月28日(金) 17時~18時 経産省前抗議集会(毎週)
経産省前テントひろば経産省正門 経産省前の座り込み行動は、平日:12~16 時(月~木)、13~17時(金) 土・日・休日:12~15時
◆6月28日(金) 柏崎刈羽原発の再稼働を許さない6・28首都圏行動
集会 衆院第二議員会館 多目的会議室 15時30分~
東電本店前行動 18時~
◆7月3日 (水) 7/3(水)抗議行動に参加を!
1.第72回日本原電本店抗議行動
東海第二原発の防潮堤欠陥工事発覚!
日本原電の「欠陥工事隠蔽」をゆるさない!再稼働やめろ!
日 時:7月3日(水) 17:00より18:00
場 所:日本原電本店前(住友不動産秋葉原北ビル 台東区上野5-2-1)
2.「第130回東電本店合同抗議」放射能汚染水海洋投棄を中止せよ!
柏崎刈羽原発を再稼働するな!
日 時:7月3日(水) 18:45より19:45
場 所:東京電力本店前(千代田区内幸町1-1-3)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5271:240624〕
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