経産省前テントひろばニュース テント強制撤去から2914日 原発再稼働糾弾! 第295号
- 2024年 8月 23日
- 時代をみる
- 大賀英二編集・発行 テントひろば運営委員会
湯沸かしに核分裂を起こす愚かな原子力発電
=核発電を止めよう=
東電福島第一原発(イチエフ)の事故から13年5カ月が経過しました。
私たち「経産省前テントひろば」は、事故の半年後に経産省に対して事故責任をとり事故被害者を救済し事故原因を究明し脱原発に政策を変えることを訴えて、経産省敷地の一角にテントを建て泊まり込みを続けていました。
無念にもテントは2016年に撤去されましたが、「経産省前テントひろば」は、全国の方々の支援を受けて経産省本館前で毎日午後に交代で座り込みながら、毎週金曜日夕刻には経産省に向かって1時間、抗議行動を続けています。さらに毎月、経産省・資源エネルギー庁に抗議文や要請書を提出してきました。
9.11・経産省前テントひろば創設13周年記念集会
日時: 9月11日(水)14時~16時
場所:経済産業省前の歩道
プログラム
①音楽
②各曜日の座り込み者 紹介
③弁護団 発言
④ゲスト 挨拶
⑤福島から、そして海外のメッセージ
フクシマは全く終わってはいません。2011年の事故では、広島原発176発分の放射能がまき散らされ、いまも全国の山野に大量の放射性物質が残され大地や川や海を汚し続けていて帰還できない地域があり、事故直後の「原子力緊急事態宣言」は今も解除できません。また、イチエフ「廃炉」のロードマップの姿は、定義も曖昧なまま「廃炉」まで百年以上かかると言われ、今頃になってデブリ取出しに「気中工法」への切り替えが提案されています。
しかも、そのロードマップの見直しを進めないまま、新たな災害発生が心配されています。イチエフへの地下水流入対策は失敗続きで、経産省・東電は地元や漁協との約束を破り、130万トンを超える放射能汚染水を30年以上かけて海洋投棄し福島港・太平洋を汚し続けています。こうした事故処理は、アメリカのスリーマイル事故(1979年3月)、ソ連のチェルノブイリ事故(1986年4月)の廃炉過程では行われなかった暴挙です。
また、各原子力発電所のプールには危険な使用済み核燃料が一杯になり。その行き場はありません。国の方針「核燃料サイクル」計画が破綻し、六ケ所村の再処理施設は26回も完成時期が延期されて今も稼働の見込みが無く、万一稼働しても大量の放射性物質が排出されます。半世紀前からの「トイレなきマンション」状態は今も続き、末代にまで危険な負の遺産が押しつけられます。
さらに、本年元日の能登半島地震が日本列島における原発稼働の危険性を明らかにし、自然は規制行政の大転換を訴えているのです。それにも拘らず、経産省は昨年のGX推進に続き、第7次エネルギー基本計画では「可能な限り原発依存度を低減」という文言すら無くして原発推進策を掲げ続けています。
私たちは、9月11日(水)に脱原発を訴える抗議大集会を開催します。多くの方々にご協力・ご参加をお願いします。
経産省前テントひろば◎
国家の首領選びの季節のなかで
三上 治
アメリカでは11月の大統領選挙に向けて白熱した展開がみられる。前大統領のトランプがバイデンとの争いの中で有利にことを進めているとされ、『もしトラ 』という声も聞こえていた。しかし、バイデンが撤退して民主党の大統領候補がハリスに替わった途端、これまでのトランプ優位の形勢は劇的に変わったという情報が伝えられている。
いずれも主にネットの情報であって、本当のところはよくわからない。だが、この大統領選の結果によって世界の動きに相当の変化があると予測される。例えば、プーチンはトランプが再選されれば、自分たちに有利にことを運べると踏んでウクライナ戦争に入ったと噂される。これは根拠のないことではないと思える。これは直観の一つだが、根拠のあるように思う。
トランプについてA・ネグリはトランプをアメリカの体内に発生した癌(病)だと評していたが、僕もそれに近い感想を持っている。プーチン、トランプ、習近平の動きは戦後体制にたいする反動であり、戦後の国家主義の動きとして概括出来ると思う。こんな感想を持ちながらアメリカ大統領選挙の行方をみているのだが、そういえば日本でも自民党の総裁選と立憲民主党の代表選が予定されている。その自民党の総裁選に現首相の岸田は出馬しないという。
三年前の総裁選を、僕は病院のベッドで眺めていた。テレビを通してである。彼ら(総裁選の候補)は長く続いた安倍政治を超えて行こうとしていたのか、そこを注目していた。
岸田は宏池会系という保守本領の系譜にある政治家と目されていたから、清話会系の安倍晋三とは幾分かは異なる政治をやるのかという思いで見ていたところがあった。かつての岸信介(安倍晋三の祖父)から池田勇人(宏池会)ヘの政権交代による戦後の保守政治の転換を思い浮かべていたのかもしれない。でも自民党の内部の系譜的な違いはもはや存在してはいないことを認識はしていたが…、結局のところ岸田には安倍晋三を超えるようなものは片々もなかったし、それを示したのが岸田政治だったのだ。
三年間の岸田政治で当初は「あたらしい資本主義」なんて旗を掲げてはいたが、その片鱗を示すことすらできなかった。自民党政治について田中秀征は、「惰性の政治」というがこれは慣習による政治、体制保持であり、保守政治だという。裏金のようなことも含めた慣習的な保守政治であり、理念なき政治である。
理念の空白を埋めているのは慣習による体制護持であって、それは伝統政治である。この三年間にわたって岸田がやったことは、専守防衛という戦後防衛政策の転換であり、原発回帰(原発推進)だった。これは、岸田が総裁選で政治公約として口にはしていなかったことだ。彼は総裁選で公約にしていなかった重大な政策の転換をやったのであり、それを閣議決定という問題のある政治手法ですすめた。この閣議決定とは議会(議会での討議)を無視する政策決定であり、これは立憲政治を損なうことなのだ。非民主的な政治手法であり、安倍が常套化した政治手法だった。岸田↗は「法に則った政治」と口にはするが、立憲的な趣旨に反する政治を行ってきたのだ。
安倍政治を踏襲してきたのだ。それが国民の岸田政治への批判の根をなしたものだ。首領(総裁)の首を挿げ替えることで、国民の批判に対応するというのが伝統的な自民党政治だが、果たしてこのやり方は功を通すか。10人近い候補者が動き出して混戦というか、乱戦模様の総裁選だが、これは自民党が政治的理念というかオルタナティブな構想を持っていない結果であり、そこを見ていかないといけない。
世界的な国家の首領選びの季節の中で僕らが見ているべきことは、国家のオルタナティブな構想であり展望である。僕らには託すべき構想を持った存在は不在であり、不毛な選択を強いられる事態の中にあるが、何が大事なことかは認識していなくてはならない。その認識こそが次の時代への道を拓いていくのだからだ。
集 会・行 動 予 定
◆8月21日(水) 12時~13時
六本木ファーストビル
原子力規制委員会前(毎週)
◆8月23日(金) 17時~18時
経産省前抗議集会(毎週)
経産省前テントひろば経産省正門
◎経産省前の座り込み行動は、平日:12~16時(月~木)、13~17時(金)土・日・休日:12~15時 ◎
◆8月24日(土)8時45分 集合:平井駅北口
東海村核関連施設バスツアー
主催:とめよう!東海第二原発首都圏連絡会
◆9月1日(日)14時より15時15分 (雨天決行)
東海第二原発いらない!首都圏ネットワーク一斉行動
JR御茶ノ水駅…お茶の水橋口改札前と聖橋口改札前
◆9月2日(月) 15:00~
大間原発建設差し止め裁判
東京高裁103号法廷
16:30~18:00 参議院会館講堂にて
報告集会 弁護団報告と講演
後藤政志さん
◆9月11日(水) 14時~16時
9.11「経産省前テントひろば」13周年大集会
~海を汚すな!核ゴミ増やすな!
第7次エネルギー基本計画で原発ゼロを!~
≪経産省前テントひろば≫
住 所:〒105-0003港区西新橋1-21-8新虎ビル2F
・電 話:070-6473-1947
・郵便振替口座=00160―3―267170
・口座名義= 経済産業省前テントひろば
WEB:http://tentohiroba.tumblr.com/
Mail address:tentohiroba@gmail.com
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5728:240823〕
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