経産省前テントひろばニュース テント強制撤去から2932日 原発再稼働糾弾!
- 2024年 9月 8日
- 時代をみる
- テントひろば運営委員会大賀英二
9・11 経産省前テントひろば 13周年大集会に集まろう
〜地球を汚すな!核ゴミ増やすな!第 7 次エネルギー基本計画で脱原発を~
2024年9・11集会の開催にあたって
2011年9月11日、それは同年3月11日の福島第一原子力発電所事故から半年後、9条改憲阻止の会が中心となって経済産業省まえにテントひろばは設立されました。それから5年近くのあいだテントひろばは持ちこたえて脱原発の運動を進め、連日24時間を通して歩道を通行する市民や役人の皆さんに向けて、立て看板や横断幕によるアピールを続けてきました。今日までの13年、その長い月日のなかですでに十数人の仲間たちとの別れがありましたが、それを上回る新しい仲間が加わってきました。そして、テントが権力により強制撤去された2016年夏以降、テントひろばは雨の日も風の日も、灼熱のような暑さの日々や寒さの冬にも経産省本館門前の歩道に椅子や横断幕を並べて座りこみ、一年365日絶えることなく脱原発の運動を維持してきました。
岸田政権による原子力政策は、安倍政権でさえも言わなかった原発再稼働、稼働年限の60年を超える延長などを打ち出しています。また、電力会社は経産省の意向を反映して東電・柏崎刈羽原発の再稼働を進めていますが、東電には企業として将来的な採算を見込めないことが明らかです。なぜ採算の取れない事業を民間企業が担うのか、そこは疑問ですが原子力発電の狙いが原子爆弾の製造に欠かせないプルトニウムの確保にあるのです。日本は既に長崎原爆6000発分のプルトニウムを確保しています。各種の人工衛星の打ち上げにも、敵基地攻撃用ロケットの開発目的が隠されています。しかも、電力会社の赤字額が電力料金に反映され、国民負担になっているのです。
原発事故の後始末は、福島第一原発で8月22日に始められたデブリ取り出しが単純なミスから延期となりましたが、再開のめどは示されていないのです。またタンクに貯められた汚染水の海洋への「垂れ流し」作業も30年以上続くとされ、今後大きな問題を引き起こすでしょう。沿岸漁業への影響、そして近隣諸国の人々との友好協力関係に与える悪影響も計り知れません。↗
原発は現在の科学技術では解決できない難問を幾つも抱えています。その一つ、原発からの廃棄物を地震の多発する日本国内では保管できる地域はありません。いま過疎地域に金をばらまきながら誘導していますが、それが地域社会を分断しているのです。
現在も全国各地で反原発の闘いが粘り強く続けられています。私たちテントひろばも経済産業省前でその一翼を担い、原子力発電(核発電)の廃止を求めて闘い続けます。
2024年9月11日
プログラム
14時~ 開会
開会あいさつ 平岡 忠臣:経産省前テントひろば
05分〜 オープニング音楽 朴 保 さん
15分〜 福島は終わっていない
メッセージ 武藤 類子さん
20分〜 ゲスト テントを支える人たち
河合 弘之:弁護士・映画監督
大椿 ゆうこ:参議院議員・社会民主党
あべ ともこ:衆議院議員・立憲民主党
後藤 政志:元東芝・原子炉格納容器設計者
15時〜 闘いの決意表明
00分~ 座り込み担当者からのアピール
請戸海岸テント 報告
テント弁護団 報告
25分~ 内外各地からのメッセージ
三上 元:元湖西市長
李 元栄(イ・ウォニョン):韓国・水原大元教授
木原 壯林:老朽原発うごかすな!実行委員
閉会あいさつ 三上 治:経産省前テントひろば
40分〜 エンディング音楽 朴 保 さん
函館市による大間原発建設差し止め裁判
2024年9月2日 第32回口頭弁論と報告集会
東京地裁で午後2時に開廷された裁判では、先ず原告がその準備書面54に沿って、今年2月26日の第31回裁判期日で国が主張している、住民請求を棄却した2018年3月19日の函館地裁判決と同様の内容について反論した。
原告側は、裁判所が規制委員会の審査に先立って、安全性に関わる具体的審査基準に適合するか否かの判断をすることに関し、今現在、大間原発設置変更許可申請から10年になろうとしているのは、新規制基準適合審査が長期化しているためであって、電源開発はいったん申請を取り下げ、大間原発の安全性の確保ができたと評価された時点で申請し直すべきこと、電源開発にその良識がないならば、速やかに申請は却下されるべきことだと述べた。原告弁護団はそれ以降も多岐にわたり、民事訴訟の判断対象は周辺住民、自治体の権利を侵害する恐れがあるかないかであって、行政庁の処分の有無とは直接関係ないことなど、その実例を挙げて陳述した。
次に準備書面55に沿って、2019年の火山ガイドの規定の中の立地評価における検討対象火山のサンプリングが国際的基準に比較して緩すぎる旨の主張をした。
また、元東芝技術者・後藤政志さんによる意見書を元に、技術と安全に関し、設計条件が示されず実験も検証もされない、人的対応に頼った対策を是認することの不当性を述べた。
当日の103号法廷はほぼ満席状態、4時半に閉廷となり、その後、会場を参議院議員会館に移して行われた報告会では、後藤政志さんは、大間原発の特徴と改良沸騰水型原子炉の危険性について、スライドでの講演を行った。
以下、その発言を紹介します。
-火山、津波では上限を言うことができない。
-原発を設計した立場から言えば、4m隆起するところの志賀原発は論外。
-改良沸騰水型ABWRでは
核反応が止まらない(冷却失敗する)とメルトダウンする
新幹線は止まるが、原発は連絡し続けなくてはならない。
-東芝、日立、電力会社の住み分けが存在する。
-水素の発生の仕方がわかっていない→窒素を入れて爆発しないようにする。
状況がわからなかったから、3,4号機は爆発した。
想定して窒素を入れ、それで安全と言っているが、ある程度の確率以下は無視している。それでは安全ではない。
きちんとした規定が必要。
合議制で進める危険。有能な運転技術者だけではない。
-10分以内に来る津波に、扉が開いていたなら、間に合うのか?
-想定を超えると、自動では動かない。これは設計基準の問題。
―原子炉建屋とタービン建屋の間の配管等諸設備の切断で原子炉は危険な状態に。高速回転しているタービンは、剪断破壊による軸受け破損で回転翼がミサイルのように飛ぶ。
-格納容器破損後に、外から80mの高さから散水したが、冷却にならない。
-螺旋だと見える錯覚。人間はいとも簡単に騙される(フレーザの錯覚)。
-安全性の考え方(グレーゾーン問題)
安全と危険の間のグレーゾーンを、安全とみなして運転するか、あるいは危険とみなして運転を止めるか?
-止める / 冷やす / 閉じ込める
原発は自動的に事故になったときは、自動停止しない
→人海戦術で処理(程度が低い)。
-公式に原発が安全だと言っている人はひとりもいない。それなのに再稼動。
誰が責任を取るのか? 電力会社? 規制委?
-全原発の過酷事故対策の欠陥。
-原子力はなぜ危険か?
工学的に、出力が材料の強度に対して無限大になるから。
多重の防御手段が突破されると暴走し、制御不能になる。
-正月2日の全日空と海保機の事故は、1mずれていたら全滅だった。
-原発はなぜ安全が確保できないか?
福島事故の原因とプロセスが未解明。規制委の意図的なごまかし。安全性を無視した原発技術と設計。失敗は許されない。失敗を許されない原子力はまっとうな技術ではない。
-原発など、なくてすむ!
事故のリスクが大きすぎる。代替エネルギーは十分賄える。
原発は高価。政府のコスト比較は意図的に原発を安く評価。リスクを押し付けられる人に説明がない。選択権もない。
―また、大飯3、4号機の1/4のモデルで行われた米国サンディア研究所での、格納容器の加圧試験で破壊する動画が紹介された。さらに、確率的安全から確定的安全へ、という構造として安全を作り込むという考え方が述べられた。
改良沸騰水型軽水炉(ABWR)は、柏崎刈羽6、7号機、浜岡原発5号機、志賀原発2号機の計4機が運転中で、大間原発1号機他7機が建設中もしくは建設準備中です。改良型とはいえ、MOX燃料(4~9%に濃縮したプルトニウム)を従来の軽水炉のまま運用するもの(プルサーマル)であり、大間原発では、フルMOXと呼ばれる、プルトニウム80%の再生燃料を全炉心に装荷可能な設計になっています。
MOX燃料はウラン燃材に比べて放射線量が多く、作業員の被曝リスクが高く、ドイツ、スイス、ベルギーでは在庫のプルトニウムを燃やしたらプルサーマルは終わりとされており、積極的にプルサーマルを続けようとしているのはフランスだけ。
大間原発は数回の計画見直しの後、2008年に経産省が設置を許可し、翌年着工しました。その後、予定されていた運転開始を2012年3月から2014年11月に延期するとし、2010年7月、青森県大間町と北海道函館市が国と電源開発を相手に設置設計取り消し、建設差し止めを求めて函館地方裁判所に提訴しました。この訴訟では2018年3月、原告側の訴えは棄却されました。
2011年3月、東日本大震災に伴い本体建設工事は休止されました。2012年10月に工事再開され、その後、2014年4月、函館市は国と電源開発を相手に、大間原発の建設差し止めを求めて東京地方裁判所に提訴しました。2014年12月に電源開発が新規制基準適合性審査を申請し、運転開始時期が2022年9月から2030年に延期されました。
2003年2月、電源開発は炉心建設予定地付近の用地買収ができず、予定地を南に200m移動しました。地元住民の熊谷あさこさんが買収に応じなかったからです。そこにログハウス 「あさこはうす」 が建っています。あさこさんが亡くなってからは長女の厚子さんが「あさこはうす」を守っています。 石上記
集 会・行 動 予 定
◆9月11日(水) 12時~13時
原子力規制委員会前(毎週)
◆同日 14時~16時
13周年経産省前抗議集会
経産省前テントひろば経産省正門
◆9月13日(金)17時~18時
経産省前抗議集会
経産省前テントひろば経産省正門
◎経産省前の座り込み行動は、平日:12~16時(月~木)、13~17時(金)土・日・休日:12~15時 ◎
◆9月16日(月・祝)11時より15時 (雨天決行)
さようなら原発全国集会:代々木公園 原宿駅から徒歩10分
◆9月11日(水) 311子ども甲状腺がん裁判
12:30~地裁前アピール行動、14:00~開廷(地裁103号法廷)、14:15~16:30 支援者集会(日比谷コンベンションホール)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5749:240908〕
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