原発週報 2024.9.11~9.17 編集:漆原牧久
- 2024年 9月 25日
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原発事故時の避難計画「見直し必要」3割 立地自治体首長アンケート
2024年9月11日 5時00分 朝日新聞デジタル
東日本大震災から13年6カ月となる11日を前に、朝日新聞は全国の16原発30キロ圏の156自治体の首長にアンケートを行った。原発事故に備えた避難ルートの寸断が相次いだ元日の能登半島地震を受け、計3割が各自治体の避難計画の見直しについて「必要」「どちらかと言えば必要」と回答。地震や津波などの自然災害と原発事故が同時に起きる「複合災害」への危機感を示した。
使用済み燃料乾式貯蔵に懸念や反対 原発アンケ、県内首長の回答は?
2024年9月11日 11時00分 朝日新聞デジタル
朝日新聞が16原発30キロ圏にある156自治体の首長に行ったアンケート。東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の再稼働を11月ごろに控える宮城県内では、対象の8人中、東松島市の渥美巌市長を除く7人が回答した。同社が計画する使用済み核燃料の「乾式貯蔵」に反対や懸念の声が上がり、理解の進んでいない現状が浮かんだ。
原発廃炉資金、425億円を請求 24年度分、電力10社が拠出へ
2024年9月11日 18時20分 東京新聞
経済産業省の認可法人「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」(青森市)は11日、長期間を要する原発の廃炉資金を確保するため、2024年度分として計425億4千万円を拠出するよう電力会社10社に求めた。機構は今年4月、業務に廃炉作業の統括が追加されており、拠出金の請求は初めて。廃炉拠出金は東京電力が約109億円、関西電力が約76億円、中部電力が約45億円。所有する原発の発電出力を参考に算定し、経産相が11日に認可した。
フィンランド 最終処分場が試験操業開始
9月11日 原子力産業新聞
フィンランドで世界初となる使用済み燃料の深地層処分場を建設しているポシバ社は8月30日、同処分場「オンカロ」で実際の最終処分作業に先立つ、安全性確認のための試験操業を開始した。試験操業は今後数か月間実施され、計画されたプロセスに従い、オンカロの機器やシステムを初めて同時に試験する。実際の使用済み燃料は使用しない。
島根原発2号機に設置計画のテロ対策施設、了承 規制委
2024/9/12 00:10 毎日新聞
原子力規制委員会は11日、中国電力が島根原発2号機(松江市)に設置を計画しているテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」は新規制基準に適合しているとして、計画を了承した。経済産業相と原子力委員会への意見聴取を経て正式決定する。
次世代革新炉より避難道路を 島根知事「夢物語に900億円」と批判
2024年9月12日 18時30分 朝日新聞デジタル
政府が開発を目指す原発の「次世代革新炉」について、島根県の丸山達也知事は11日の定例会見で、膨大な経費がかかる開発を中止し、その予算を既存の原発立地地域の避難道路の整備に充てるべきだとの考えを示した。島根県内では、中国電力が島根原発2号機の再稼働を12月に予定している。
鹿児島の川内原発2号機、9月14日から定期検査
2024年9月12日 17:00 日本経済新聞
九州電力は12日、川内原子力発電所2号機(鹿児島県薩摩川内市)の定期検査を14日から始めると発表した。12月25日の通常運転復帰を予定している。川内原発2号機の出力は89万キロワット。検査期間中、移設した電力設備と2号機の発電機を接続する工事などをするほか、燃料集合体157体のうち一部を取り換える。発電は11月30日に再開する予定。
原電は防災の基本逸脱 東海第2差し止め求め原告側
9月12日 赤旗
日本原子力発電東海第2原発について、茨城県などの住民が原電に運転差し止めを求めている訴訟の控訴審第4回口頭弁論が9日、東京高裁(谷口豊裁判長)で開かれました。原告代理人の弁護士3人が意見陳述し、同発電所の危険性などを強調しました。この日の法廷で吉村和貴弁護士は、電気設備の故障に起因した火災などが、深刻な機器損傷を引き起こすことを指摘。審査基準には、それに対する火災影響評価基準が欠落していると述べました。尾池誠司弁護士は、茨城県が県民に「最大17万人避難」と広報したことの根拠となった、原電が示した放射性物質拡散のシミュレーションについて反論。原告側の研究者によるシミュレーションでは、はるかに多数の避難者が想定されるとして、原電の想定は過小で防災の基本から逸脱するものと批判しました。只野靖弁護士は、「最新の科学的・技術的知見や調査を行っても基準地震動を上回る強さの地震動が発生することは否定できないもの」「原子炉施設は人体に有害な多量の放射性物質を発生させる」と指摘。
東海第二原発 日本原電が工事社内検査で不適切な対応 東海村
9月12日 20時09分 NHK
日本原子力発電は茨城県東海村の東海第二原子力発電所で行われた社内の検査で、一部の建物の材質を、誤った資料をもとに確認する不適切な対応が行われていたと明らかにしました。日本原電によりますと、東海第二原発で進めている安全対策工事に伴って整備した建物の床に使われているコンクリート材料の種類を確認する社内検査で、誤って壁に使われている材料の資料をもとに、問題ないと判断していたということです。
40年超運転の原発3基「今すぐ停止、考えてない」福井県議会で知事
2024年9月13日 10時00分 朝日新聞デジタル
関西電力の原発にたまる使用済み核燃料の福井県外搬出のロードマップ(工程表)の見直しをめぐり、杉本達治知事は12日、40年超運転の美浜原発3号機、高浜原発1、2号機について「今すぐ停止とは考えていないが厳しい姿勢で臨む」と述べた。県議会の代表質問で、民主・みらいの渡辺大輔県議の質問に答えた。これら3基については、関電が2023年末までに中間貯蔵施設の県外候補地を示せなければ「止める」と約束した経緯がある。
福島の復興基金、21億円使われず 検査院、返還求める
2024年9月13日 5時00分 朝日新聞デジタル
東京電力福島第一原発事故で帰還困難となった地域を支援するために国の福島再生加速化交付金で福島県内の自治体に造成された基金について、会計検査院が調べたところ、5市町村での60事業の計約21億円が、使われる見込みがないにもかかわらず国に返還されていなかった。検査院は復興庁などを通じて返還を求めている。
「県議会や立地町 意見伺う」…関電新搬出計画
2024/09/13 05:00 読売新聞
関西電力が今年度中に見直すとしている原子力発電所の使用済み核燃料の県外搬出計画を巡り、杉本知事は12日の県議会代表質問で、新たな計画が関電から示された場合の方針を明らかにした。県議会と、原発が立地する美浜、おおい、高浜各町に加え、県幹部や県内の農林漁業、商工団体幹部らの会合「県原子力環境安全管理協議会」の意見を踏まえ、計画の実効性の有無を見極めるとした。
女川原発2号機で非常用設備が作動 環境への影響なし
2024年9月13日 18:16 日本経済新聞
東北電力は13日、再稼働をめざす女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)の非常用設備が作動したと発表した。原因は調査中だが、放射線量の上昇は確認されておらず、環境への放射能の影響はなかった。10月末ごろの原子炉起動や11月ごろの発電再開など再稼働に向けた工程にも影響はないという。
柏崎刈羽原発地域の緊急時対応、現時点案を提示 内閣府
2024年9月13日 19:00 日本経済新聞
内閣府は13日、東京電力ホールディングス柏崎刈羽原子力発電所で事故が起きた際の緊急時対応について協議する「柏崎刈羽地域原子力防災協議会」の作業部会を新潟県庁で開催した。18回目となる同日は、直近の大雪被害や能登半島地震を踏まえた複合災害の対応についても追加した「現時点案」を提示した。
牡鹿半島の原発避難道路14か所 津波の浸水で通行不能おそれ
9月13日 17時05分 NHK
東北電力女川原子力発電所2号機は、早ければ来月にも原子炉が起動する再稼働が行われる予定です。一方、巨大地震と原発の事故が発生した場合、宮城県の牡鹿半島では住民が避難するための道路のあわせて14か所が津波による浸水で通行できなくなるおそれがあることがわかり、住民の安全確保に向けて空路や海路も含め避難の手段の多様化などが課題となっています。
韓国、8年経て新原発建設を許可
9/13(金) 8:26 中央日報
原子力安全委員会(原安委)が慶尚北道蔚珍(キョンサンブクド・ウルジン)の新ハヌル原子力発電所3・4号機の建設を許可した。韓国水力原子力(韓水原)が2016年に建設許可を申請してから約8年後のことだ。国内新規原発建設許可は2016年6月セウル3・4号機(当時新古里5・6号機)以来初めて。
柏崎刈羽原発の広域避難計画案、全体像が初提示 自治体からは不安も
2024年9月14日 8時00分 朝日新聞デジタル
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の事故に備えた広域避難計画「緊急時対応」の現時点の案を、新潟市内で13日に開かれた柏崎刈羽地域原子力防災協議会の第18回作業部会で、内閣府が示した。だが、参加した自治体関係者らからは大雪時の避難を巡って不安の声が出たという。
原発移行債、7電力が関心 先行の九電と関電に応募多数
2024年9月14日 21時01分 東京新聞
大手電力7社が、使途に原発への投資を明示した「トランジションボンド(移行債)」の発行に関心を示していることが14日、分かった。発行済みの九州電力と関西電力では最大約3倍の応募があった。東京電力福島第1原発事故後、原発への賛否は割れているが、岸田政権が活用方針を示したことで、脱炭素投資の資金を集めたり、検討対象になったりしている現状が電力各社などへの取材で浮かんだ。
福島第一原発の燃料デブリ取り出し、また中断 カメラ映像確認できず
2024年9月17日 16時40分 朝日新聞デジタル
東京電力福島第一原発2号機で17日、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の試験的な取り出しに使う装置のカメラ映像が確認できなくなった。原因は調査中で、この日にも実施するはずだった燃料デブリを持ち上げる作業はできず、再開の見通しも立っていない。
12年ぶり、県議会に直接請求目指し署名集めへ 柏崎刈羽原発再稼働
2024年9月17日 10時45分 朝日新聞デジタル
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働について、県民投票で賛否を問うための条例制定を新潟県に求める署名活動が12年ぶりに行われる。原発が立地する柏崎市で16日、「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」の柏崎・刈羽地域の代表を務める本間保さんらが記者会見を開き、早ければ10月中に活動を始め、20万人を目標に署名を集める方針を明らかにした。
東京電力、柏崎刈羽使用済み核燃料の号機間輸送開始
2024年9月17日 16:30 日本経済新聞
東京電力ホールディングスは17日、柏崎刈羽原子力発電所の7号機で保管している使用済み核燃料38体を15日までに同原発の3号機に輸送したと発表した。約97%だった7号機の貯蔵率を下げる狙いで、2025年3月末までに残る342体も3号機に輸送する計画だ。柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は、6、7号機の使用済み核燃料について貯蔵率を「おおむね80%以下にすること」を再稼働に同意する条件としている。
「廃炉工程の具体化を」 福島第1原発巡り内堀知事、デブリ取り出し方法など明確化求める 2024/9/17 12:54 産経新聞
福島県の内堀雅雄知事は17日の定例記者会見で、東京電力福島第1原発の廃炉工程に関し「溶融核燃料(デブリ)の取り出し方法や一時保管、県外処分の在り方が明確化されていない。プロセスを具体的に精査し、精緻なロードマップを作り上げるのが極めて重要だ」と訴えた。2号機デブリの試験的取り出しは10日開始。現在の工程表では最終段階の「第3期」に移行したものの、1~3号機に推計880トン残っているとされる全量の取り出し方法は決まっていない。
ロシアのエネルギー計画 原子力拡大方針
9月17 日 原子力産業新聞
ロシア国営の系統運用会社である統一電力システム(UES)はこのほど、2042年までの発電設備の配置に関する基本計画の草案を明らかにした。なお、草案の公開討論が8月20日より実施されている。UESのD.ピレニェクス系統運用局長は9月3日、記者からのインタビューの中で、公開討論は計画手続きの透明性を目的としていると強調。2042年までの原子力発電設備計画の草案によると、ロシアでは既存および新規の14サイトで合計38基(約2,375万kWe)を新設。閉鎖予定の原子炉のリプレースとなる大型炉および小型モジュール炉(SMR)を新設する他、電力系統の運用面で大型炉の設置が出来ない極東地域では中型炉を設置する。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5768:240925〕
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