Global Headline ロシア政府系メディアRTを読もうじゃないか
- 2024年 10月 4日
- 時代をみる
- ウラジーミル・プーチンブルマン!だよねロシア政府系メディア核ドクトリン
単刀直入、核ドクトリンのエスカレーションについてのロシアの言い分はここにあるのだ。とくと読まれるがよい。
ドミトリー・トレニン: プーチンの核ドクトリン更新は西側への最終警告
クレムリンがハッタリをかますと考え、ロシアに対して平然と振る舞えると思っている人々があまりにも多い。
*ドミトリー・トレニン(高等経済学校研究教授、世界経済・国際関係研究所主任研究員)著。 ロシア国際問題評議会(RIAC)のメンバーでもある。
ウラジーミル・プーチンがモスクワの核ドクトリンを更新するという決断は、時事問題に対するお決まりの反応ではない。 例えば、長距離ミサイルでロシア国内深部を攻撃するという脅しとは違う。 この変更は数カ月前にロシア大統領によって指摘されたもので、昨日の演説で、戦略的抑止力委員会は年に2回会合を開いていることがわかった。
核抑止力を強化する利点は、2年以上前に明確になった。それは、米国がウクライナ紛争においてロシアに戦略的敗北を与えることを目標として宣言したときだった。その後、西側はエスカレーションのゲームを開始した。モスクワの旧核ドクトリンは他の戦争やシナリオに向けられていたものであり、新しい状況下では敵を抑止するには効果がないことが証明された。
今後、西側の反応が見られるだろう。残念ながら、そこにはプーチンが「虚勢を張っている」や、ロシアが「反応を恐れている」と信じ込んでいる高位の人々が多く、だからこそロシアに対して罰を受けることなく振る舞うことが可能だと考えている。今回の教義修正は、ワシントンの権力の中枢に残る冷静な人々への信号であり、これが最後の警告だということを示しているのだ。
同時に、我々に友好的な国々や単に中立的な国々の間で、核戦争の可能性に対する大きな不安が広がっている。中国はすでにそのことを考えているかもしれない。北京は、インドやブラジル、南アフリカなどと共に、敵対行為の早急かつ無条件の終結を求めている。我々は彼らに、抑止力の強化こそが、ワシントンの狂気じみた無謀な戦略が世界を導こうとしている全面的な核戦争を防ぐ唯一の方法であることを確信させる必要がある。
同時に、米国は長い間、ウクライナ紛争を戦略的安定性や軍備管理の議論から切り離そうとしてきた。これにより、米国はロシアに対して戦争を遂行しつつ、モスクワから自国の安全保障を保証させることが可能になる。しかし、当然ながらこのアプローチは成功していない。米国はこれを認識しているが、国際社会に対して自らを「世界の安全保障の推進者」として見せ、ロシアを「放火犯」として描こうとしている。これは単純なトリックだが、世界の大多数の国々にそれを暴露するためには、私たちの注意と協調した取り組みが必要だ。この信頼の対話は、パートナーとの間で続け、さらに深めるべきである。
モスクワの次のステップについて話すなら、それは以前に発表された核ドクトリンの修正よりも予測しづらいものである。それは、他の要因の中でも、昨日の大統領の発言に対する敵の反応に依存する。しかし、言葉による警告やデモンストレーションから、実際の措置へと移行せざるを得ないのは明らかだ。どのような行動が取られるか、またそれがいつどこで起こるかは公にするつもりはない。
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以上だが、西側をロシア、ワシントンをモスクワに入れ替えても、なかなかに拝聴するに値するご意見であるところがこの言説の味噌というわけだ。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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