原発週報 2024.9.18~9.24 編集:漆原牧久
- 2024年 10月 4日
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- 原発週報 2024.9.18~9.24漆原牧久経産省前テントひろば
東海第2事故時の避難所 9万4000人分が不足 茨城県計画改定 昨年末からは3万人減
2024年9月18日 07時56分 東京新聞
日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の重大事故に備えた県の広域避難計画で、県は17日、避難対象と想定する原発から30キロ圏内の約92万人のうち、現時点で約9万4000人分の避難所が確保できていないと明らかにした。昨年12月時点では、県は約12万5000人分が未確保の状況としていた。
北海道電力、設備投資最高2400億円 24年度は例年の倍
2024年9月19日 5:00 日本経済新聞
北海道電力は2024年度、過去最高の約2400億円の設備投資を行う。設備投資は例年1000億円前後だが、今期は泊原子力発電所(北海道泊村)の防潮堤工事費がかさむ。泊原発再稼働に向けた安全対策や送電網の増強工事などで、当面は高水準の設備投資が続く見通しだ。設備投資約2400億円のうち約1500億円は、泊原発を含めた北電が占める。
北海道電力、脱炭素へ移行債250億円 原発安全対策など
2024年9月18日 18:58 日本経済新聞
北海道電力は18日、脱炭素に向けた資金を調達するトランジションボンド(移行債)を10月に発行すると発表した。総額で250億円程度を予定する。調達した資金は泊原子力発電所(北海道泊村)の再稼働に向け新設する防潮堤工事などの安全対策工事や、北海道と本州を結ぶ送電設備の増強など送配電網の工事に充てる。同社の移行債発行は初めて。
原子力規制委員2人が退任 悪魔の証明批判に「たいした悪魔でない」
2024年9月18日 20時00分 朝日新聞デジタル
10年間にわたり原子力規制委員として、原発や原子力施設の審査を担った石渡明氏(71)と田中知氏(74)が18日、任期を終えて退任した。この日の記者会見で石渡氏は「科学的な審査に努めた」、田中氏は「原子力利用における安全の確保を毎日意識しながらやってきた」と振り返った。
女川原発2号機の非常用設備作動、人為的ミスが要因
2024年9月19日 19:00 日本経済新聞
東北電力は19日、9月13日に発生した女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機の原子炉建屋にある非常用設備作動の要因について人為的ミスだったと発表した。作業ルールの明確化、教育体制の見直しなどを徹底し再発防止に努める。再稼働に向けた工程に影響はないという。
中国電力、島根原発2号機で運転訓練 12月再稼働へ確認
2024年9月19日 18:45 日本経済新聞
中国電力は19日、島根原子力発電所2号機(松江市)の運転訓練の様子を公開した。12月に予定する再稼働に向け、2号機の中央制御室とほぼ同じ構成のシミュレーター施設を使い、重大トラブル発生時の対応を確認した。訓練は原子炉への給水と発電所内の電源が同時に失われ、水位が低下した原子炉が自動停止した想定で実施した。
花角知事「もう少し具体的に」 柏崎刈羽原発「緊急時対応」案で
2024年9月19日 10時45分 朝日新聞デジタル
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の事故に備えた広域避難計画「緊急時対応」について、内閣府が示した現時点の案に対し、花角英世知事は18日の定例記者会見で「もう少し具体的な中身に詰めていく必要がある」と述べた。緊急時対応を巡っては、13日に開かれた柏崎刈羽地域原子力防災協議会の第18回作業部会で現時点の案が示された。
原発立地地域の経済振興などを国に要望 新潟県の柏崎商工会議所会頭ら全国原子力立地市町村商工団体協議会 2024/9/19 16:00 新潟日報
全国原子力立地市町村商工団体協議会のメンバーは9月18日、経済産業省で岩田和親副大臣と面会した。協議会の西川正男会長(新潟県・柏崎商工会議所会頭)が要望書を手渡し、原発の積極的活用や立地地域の経済振興などを求めた。西川会長は面会の冒頭、「原子力施設の再稼働にはさまざまな課題があり、解決が早急に求められている」と、立地地域の地元理解に向けた対応などを要請したほか、地域の経済振興へ期待を述べた。
「原発の廃炉、復興の柱に」政府の有識者作業部会メンバーが福島視察
2024/9/19 19:51 産経新聞
東日本大震災からの復興政策を検証している政府の有識者作業部会メンバーが19日、東京電力福島第1原発など福島県を視察した。座長を務める今村文彦・東北大災害科学国際研究所教授は記者会見で「廃炉は非常に難しい課題だが、今後の復興の大きな柱だ。解決に向けた挑戦を国内外の皆さんに見てもらいたい」と強調した。
ロシア当局“原発周辺の魚は安全 規制は継続” 複数メディア
2024年9月19日 8時10分 NHK
ロシアの複数のメディアは、東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水の海への放出に関連して、ロシアの衛生当局のトップが、原発の周辺の海で取れた魚は安全だとする一方、予防措置として日本産の水産物の輸入規制は続けるという見解を示したと伝えました。
柏崎刈羽原発避難道路を国負担で拡充へ 島根県知事怒る「新潟県を特別扱い」
2024年9月19日 16時00分 中日新聞
岸田政権が6日に開いた原子力関係閣僚会議。東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向け、避難道路などを国負担で拡充する方針を決めた。そこに島根県の丸山達也知事が異論を唱えた。国の方針を巡り、丸山知事は11日の定例会見で「住民の避難対策は柏崎刈羽だけに求められるものではない。なぜ新潟だけ特別に対応するのか」と述べた。
原発新増設の巨額コストを国民に負担させる政府の新構想 電気料金にこっそり上乗せ…「反対署名」が始まる 2024年9月19日 12時00分 東京新聞
政府が原発の新増設を進めるため、建設費などのコストを電気料金に上乗せし、消費者から広く徴収する支援制度の導入を検討している。「コストやリスクをこっそり国民に押しつける制度はおかしい」。環境団体や市民団体が、構想に反対する声を集めようと、オンライン署名活動を始めた。
処理水、監視を拡充 中国含む枠組みに 水産物禁輸、緩和調整へ
2024年9月20日 16時30分 朝日新聞デジタル
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、日本政府と国際原子力機関(IAEA)は20日午後、中国も加えたモニタリング(監視)体制を拡充することで合意する。日中両政府も合意文書を出し、中国による日本産水産物の全面禁輸措置の緩和に向けて調整に入ることを確認する見通しだ。複数の日本政府関係者が明らかにした。
水産物禁輸緩和へ日中が一致 原発処理水の監視拡充で合意
2024年9月20日 16時09分 朝日新聞デジタル
日中両政府は20日、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、中国による日本産水産物の全面禁輸措置を緩和することで一致した。日本政府と国際原子力機関(IAEA)が同日、中国も交えた処理水のモニタリング(監視)の追加実施を決めたことを受け、合意にこぎつけた。岸田文雄首相が同日、IAEAのグロッシ事務局長との電話協議後、記者団の取材に明らかにした。
燃料デブリ取り出し、装置を取り出し「出直し」へ 東電福島第一原発
2024年9月20日 11時00分 朝日新聞デジタル
福島第一原発2号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の試験的取り出しに使うカメラの映像が確認できなくなっている問題で、東京電力は19日、装置を原子炉の格納容器から取り出すと発表した。格納容器の中に入れたままでは不具合の原因が分からないため、出直す。採取作業の再開の見通しはたっていないという。
女川原発2号機で4リットルの水漏れ 外部への影響なしと東北電力
2024/9/20 18:52 産経新聞
東北電力は20日、再稼働準備が進む女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の原子炉建屋で、原子炉の出力を制御する「制御棒」を動かす装置の弁から計約4リットルの水が漏れるトラブルがあったと発表した。水の放射性物質濃度は検出限界値未満で、外部への影響はないという。再稼働計画にも現時点で影響はないとしている。
韓 新ハヌル3、4号機の建設許可発給
9月20日 原子力産業新聞
韓国の原子力規制機関である韓国原子力安全委員会(NSSC)は9月12日、新ハヌル3、4号機(PWR=APR1400、140.0万kW×2基)の建設許可を発給した。韓国における原子力発電所の新規建設は、2018年9月に着工したセウル4号機(PWR=APR1400、140.0万kW)以来。今後、新ハヌル3号機は2032年、同4号機は2033年までの完成をめざす。
規制委、長崎・山岡委員が就任/委員長代理に伴氏
2024/09/20 電気新聞
原子力規制委員会の新たな委員に19日、カナダ・マクマスター大学元教授の長崎晋也氏と名古屋大名誉教授の山岡耕春氏が就いた。田中知、石渡明の両委員の任期満了に伴う人事。任期はいずれも5年間。長崎氏は放射性廃棄物など原子力工学が専門。山岡氏は火山学、地震学が専門で、日本地震学会会長、地震予知連絡会会長などを歴任した。
敦賀原発2号機 電事連会長“再稼働の取り組み支援”
2024年9月20日 18時40分 NHK
原子力規制委員会が福井県にある日本原子力発電敦賀原発2号機の再稼働を認めない判断をしたことについて、大手電力会社でつくる電気事業連合会の林欣吾会長は定例の記者会見で「大変重い判断だ」とした上で原子力発電の必要性は揺るがないとして、再稼働に向けた取り組みを支援する考えを示しました。
東海第二の工期延長を村議会に説明 原電の工期判断など質疑
2024年9月21日 10時45分 朝日新聞デジタル
東海第二原発(茨城県東海村)で行われている安全対策工事について、防潮堤の基礎部分に施工不備が見つかり、日本原子力発電が工期を2026年12月に延期したことについて、東海村議会は20日、全員協議会を開き原電から説明を受けた。原電は施工不備の対応策として、現在の基礎部分を残したまま周辺の地盤改良や、鋼管矢板などを増設した基礎の追加を施す設計変更について、原子力規制委員会での審査会合で説明していると述べた。
スリーマイル島原発再稼働へ マイクロソフト電力購入、AIで需要増
2024年9月21日 8時00分 朝日新聞デジタル
米電力大手コンステレーション・エナジーは20日、米マイクロソフトと20年間の電力購入契約を結んだと発表した。東部ペンシルベニア州のスリーマイル島原発1号機を再稼働させ、周辺地域のマイクロソフトのデータセンターに電力を供給する計画だという。2028年の運転再開をめざしている。背景にあるのは最新のAIに関連した電力需要増だ。
原発燃料の副産物を電池に、レアメタル代替 原子力機構
2024年9月21日 5:00 日本経済新聞
日本原子力研究開発機構は、原子力発電の燃料製造時に出る副産物の劣化ウランを転用した蓄電池の開発を進める。電気を蓄える物質として劣化ウランを用いる。劣化ウランが出す放射線は弱く、人体への影響は比較的小さいとされる。2035年までに再生可能エネルギーの余剰電力を蓄える蓄電池として実用化を目指す。
松田北電社長、原発技術「知見増やす」 志賀2号機再稼働に向け会見
2024年9月21日 05:00 北日本新聞
北陸電力の松田光司社長は20日、東京・大手町の電気事業連合会で会見した。志賀原発2号機と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)を持つ原発が再稼働を予定していることを受け「動き始めれば運転員を派遣し、知見を増やしていきたい」と、技術の蓄積を進める考えを示した。
福島第2原発で保管の試料、第1原発に輸送へ 分析施設も計画、準備作業に着手
2024/9/21 21:11 産経新聞
東京電力は、事故後に福島第1原発の原子炉建屋にたまった水などから採取した放射性物質を含む試料を、保管中の第2原発から第1原発に戻す準備作業を始めた。分析が終わり、第1原発側でも保管スペース確保など受け入れ態勢が整った。2025~27年度に輸送する。
韓国の原発輸出、中ロの代替狙う チェコ足がかりに推進
2024年9月21日 12:10 日本経済新聞
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は20日、訪問先のチェコでフィアラ首相と会談した。7月に優先交渉権を得たチェコの原子力発電所の新設に関し、本契約に向けた協力を確認した。世界の原発需要の拡大をにらみ、ロシアや中国に代わる選択肢として売り込みを強化する。実現すれば韓国にとって15年ぶりの原発輸出の契約になる。
中間貯蔵施設の送水で不具合、知らずに半年運転 放射能もれ「ない」
2024年9月22日 7時46分 朝日新聞デジタル
環境省は20日、東京電力福島第一原発事故で汚染された土地の除染で出た土を保管している中間貯蔵施設(福島県大熊町、双葉町)で、土からしみ出す水を処理するシステムに不具合があったと発表した。不具合は昨年9月に起き、今年4月からは委託業者も知らないまま水処理を続けていた。川に放流する直前の測定結果から、セシウムなどの放射性物質は漏れていないとしている。
東海第2巡り、茨城県が有識者委員会設置 避難計画の実効性検証へ 公表の拡散予測基に状況設定 2024年9月22日 07時50分 東京新聞
日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の重大事故に備えた県の広域避難計画の実効性を検証するため、県は有識者による委員会を設置した。昨年公表した重大事故時の放射性物質の拡散シミュレーション(予測)を基に、必要な準備などが計画に盛り込まれているかを検証する。
東海第二原発、地震の備え知りたい 住民説明会始まる
2024年9月23日 10時45分 朝日新聞デジタル
東海第二原発の安全対策工事の見通しについて、日本原子力発電(原電)は22日、茨城県東海村で地域住民を対象とした説明会を開き、住民からの質問や意見を受けた。東海第二原発から半径30キロ圏内の14市町村と小美玉市の住民が対象。10月3日まで計12回開く。初回のこの日は15人が参加した。冒頭部分を除き、非公開で実施された。
「老朽原発今すぐ止めろ」、福井 関電に高浜の廃炉求め市民集会
2024年9月23日 18時08分 東京新聞
営業運転開始から40年以上経過する関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)などの廃炉を求め、市民団体が23日、同町で集会を開いた。京都や愛知などから計360人が参加し「老朽原発今すぐ止めろ」と声を上げた。
デブリ取り出し装置の引き戻し作業、25日にも完了…福島第一原発2号機
2024/09/24 19:43 読売新聞
東京電力は24日、福島第一原子力発電所2号機の溶融燃料(デブリ)の取り出し装置を原子炉格納容器から引き戻す作業について、25日にも完了することを明らかにした。装置先端部に付けた2台のカメラの不具合の原因を調査する。
東京電力、使用済み燃料を搬出 青森の中間貯蔵施設に
2024年9月24日 19:08 日本経済新聞
東京電力は24日、国内唯一の使用済み核燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市)へ初めて、柏崎刈羽原発(新潟県)の燃料69体を搬出した。専用の運搬船が原発内の港から出発し、26日にもむつ市に到着、施設に搬入する。柏崎6、7号機の再稼働に備え、保管容量の上限に近づく燃料の搬出を進める。施設での保管が事実上恒久化するとの懸念も根強い。使用済み燃料を運搬する専用船は23日までに原発敷地内に入港。24日午後、燃料を入れる約5.4メートル、直径約2.5メートル、重さ約120トンの金属製の容器1基を積み込み、出発した。
エネ庁長官、自民党新潟県連を訪問 原発の政府方針説明
2024年9月24日 18:50 日本経済新聞
資源エネルギー庁の村瀬佳史長官は24日、自民党新潟県連の党議に出席し原発事故発生時の避難対策などに関する国の対応方針について説明した。6日に開いた政府の原子力関係閣僚会議の内容を説明するためで、県連側の要望で来県した。県議からは屋内退避の在り方や避難路整備の規模、雪国での避難の実効性を問う声などが挙がったという。
福島第1原発、9回目の処理水放出 26日開始
2024年9月24日 21:44 日本経済新聞
東京電力は24日、通算9回目となる福島第1原発からの処理水海洋放出を26日に始めると発表した。放出予定の処理水に含まれる放射性物質を分析した結果、国や東電が定めた基準を満たしていることを確認した。10月13日までに約7800トンを放出する。東電によると、昨年8月以降、8回で計約6万2600トンを放出。周辺の海水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度に異常はなかった。
インド ラジャスタン7号機が初臨界達成
9月24 日 原子力産業新聞
インド北西部で建設中のラジャスタン原子力発電所7号機(加圧重水炉=PHWR、70万kWe)が9月19日に初臨界を達成した。同機は9月9日にインドの原子力規制当局(AERB)の認可を取得後、起動操作を開始、初臨界を達成した。今後、送電開始前にさまざまな試験を実施、AERBの認可を得ながら全出力まで段階的に出力を上げていく。送電開始は年内を予定している。
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