今回の選挙結果、どうみる?
- 2024年 10月 31日
- 評論・紹介・意見
- 内野光子
投票には出かけたけれど、どうもすっきりしないのは、どの党も、賃上げ、手取りを増やす、減税、社会保障費の軽減など、もっぱら、目先の問題が叫ばれていた。「お金」の問題は切実だが、どの党も、その財源を明確に示さず、その実効性は薄弱なのだ。
それでも、選挙では、自公政権に、NOを突きつけた結果となった。自民一強はもうヤメにしよう、という国民の気持ちのあらわれか。それにしても投票率は低調なのは、自公はイヤだけれど、といって、支持する政党がなかったのではないか。それでも投票に出かけたひとの多くは、いわゆる「中道路線」を選んだ結果が、「立憲」、「国民」の議席増加につながったのだろう。
赤旗のふんどし借りて勝ち戦(三重県 毎熊伊佐男)
共産党風を起こして飛ばされる(埼玉県 栢野正則)
「朝日川柳(山丘春朗選)」(2024年10月29日)の中の二句、共産党は「自民党の非公認候補者のいる支部への2000万円」をスクープしたにもかかわらず議席を減らした。日常活動への疑問と革新政党にあってはならない党内のさまざまな問題が噴出していたからではないか。
受け皿が器問われる選挙あと(兵庫県 井上喜正)
なるほどなあ、「共感と納得」、短歌をやめて、川柳に挑戦したくなるほど。「川柳の○○借りて」の一文となった。
そもそも怪しいなと思っていた「国民民主」が、早くも、自公との部分連立?大臣ポスト?がささやかれているというのだ。日本の政治は、変わりそうにもない。
身近なのことでいえば、最近、つぎのような疑問にしっかり応えてくれそうな政党が見当たらない。
・マイナ保険証は使いたくない。
・消費税は、少なくとも食品だけをゼロにしてほしい。
・オスプレイの事故が続く中、木更津の陸上自衛隊基地には、沖縄の普天間基地米軍海兵隊のオスプレイの機体整備に加えて、自衛隊のオスプレイの暫定配備は来年7月までのはず、移動先の佐賀空港とても、安全性の保障は何もない。移動後も機体整備は続くという。アメリカの言いなりに、危険なオスプレイを飛ばす自衛隊、米軍オスプレイの整備基地なっている木更津、いったいどうしてくれるのか。どの党も論議を避ける。
・エネルギー政策における原発に関しても、10月29日女川原発2号機の再稼働が始まった。東日本での再稼働は初めてである。現地で地震や津波による原発事故が起きた場合、道路は寸断され、避難は困難を極め、農地や海の放射線汚染は逃れないだろう。2011年3月福島原発事故による被曝状況は、ここ千葉県に限っても永らく続いた。古い原発の使用期限を延長し、廃炉の跡地に建て替える政府の方針がこのまま進んで良いものか。
「東日本大震災後初めての原発建設、24年は候補地の検討が加速する」斉藤 壮司 (2024.01.12)日経クロステック/日経ものづくり、から。上記国内原子炉三社とは、三菱重工業、東芝エネルギーシステム、日立GEニュークリアエナジーである。-
・秋篠宮家の長男の進学問題などどうでもよい。皇位継承問題の法整備もまるで進まない。私は、天皇家が絶えるまで、このまましずかに待てばよいのにと思うが、そんなことを言う政党もない。
・ヘルパーさんたちが足りないというのに、この4月、訪問介護の基本報酬削減がなされ、中小の事業所の閉鎖がふえているという。いつか訪問介護を受けるかもしれない身としては、不安がつのるばかりである。
初出:「内野光子のブログ」2024.10.29より許可を得て転載
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion13940:241031〕
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