SJJA& WPO【西サハラ最新情報】605 二つの戦争の狭間で叫ぶ最後の植民地
- 2024年 11月 2日
- 時代をみる
- イスラエルパレスチナ国連平田伊都子植民地西サハラ
2024年10月30日に国連安保理では、西サハラ問題が討議される予定になっていました。
国際社会から殆ど忘れられた西サハラにとって、一年に一度の貴重な協議です。
が、安保理はガザ戦争とウクライナ戦争で忙しく、またしても時間をもらえず翌31日に回され、「また来年ネ」と、簡単に片づけられてしまいました。 こうして、西サハラ問題はモロッコの思惑通りズルズルと半世紀にもわたって、引き延ばされてきたのです。
① UNRWA(アンルワ・国連パレスチナ難民救済事業機関):
UNRWA(アンルワ・国連パレスチナ難民救済事業機関)は1948年に国連総会で設置が決められ、1950年から活動している、文字通りパレスチナ難民を助けるための国連機関だ。シオニスト・ユダヤ人がパレスチナ先住民のパレスチナ人を銃で追い出しイスラエルを建国した1948年から、さらに続いた中東戦争で、故郷を追われたパレスチナ難民は、約700万人に上る。パレスチナ難民は、周辺国やイスラエル国内の難民キャンプで、インフラ不整備の不潔で極貧の難民生活を強いられてきた。
2021年のUNRWA(アンルワ国連パレスチナ難民救済事業機関)によると、全体で約638.8万人、うちヨルダン川西岸に約108万人ガザに約164万人レバノンに約54万人ヨルダンに約246.3万人シリアに約65.5万人のパレスチナ難民が、UNRWAに登録している。
予算は年間数億米ドルで、そのほとんどは支援国が拠出し、ごく一部が国連から提供される。2012年度を例にとると総額は6.55億ドルで、最大はアメリカ合衆国(米国)の2.33億ドル、次いで欧州連合(EUの2.04億ドル、そして、イギリス、スウェーデンと続く。
3年毎に更新されるUNRWA(アンルワ・国連パレスチナ難民救済事業機関)は、教育、保健、救急、社会福祉や、マイクロクレジットの融資も行っている。全体で703の学校を運営していて、教師および支援職員の数は22,885人に上り、15才までの基礎教育は無料だ。さらに全体で144の診療所を有し、約500名の医師と約1,000名近い看護師が働いている。ガザには診療所が、22か所ある、、あった。殆どネタニヤフに破壊された。
悲しい性の人間は、この人道援助団体の中でも汚職事件を起こしているが、テロリストのレッテルを貼って、この団体を抹殺するシオニスト・ネタニヤフ・イスラエル首相ほど、悪性なのはいなかった。
2024年10月28日、ネタニヤフはUNRWA(アンルワ・国連パレスチナ難民救済事業機関)のイスラエル国内活動禁止法を、クネセト・イスラエル国会で可決させた。ネタニヤフの狙いは、パレスチナ民族根絶やしだ。国際社会を支配する超法規のイスラエルUNRWA禁止法に、国連安保理は異議を唱えた。国連事務総長はネタニヤフに電話を入れたが、ペルソナ・ノン・グラータ・出入り禁止のレッテルを貼った事務総長に対し、ネタニヤフは電話口にも出ない。ネタニヤフは「国連は茶番」と馬鹿にし、無視し続けている。
国連はイスラエルに制裁を科すべきだ。昨年10月以降、イスラエルは43,259人のガザ住民に加え、パレスチナ人315人と外国人7人を含む合計322人の人道支援者も殺した。これには、国連の職員237人が含まれ、そのうち233人がUNRWA(アンルワ・国連パレスチナ難民救済事業機関)職員だ。
ICJ(国際司法裁判所)はイスラエルにジェノサイド判決を執行すべきだ。
ICC(国際刑事裁判所)はネタニヤフたちを戦争犯罪人として逮捕すべきだ。
にもかかわらず、ネタニヤフは「国連に90日の猶予期間を与える。その間に反省しろ~~~~」と、迫った。傲慢ですネ!
② MINURSO(ミヌルソ・国連西サハラ人民投票監視団):
イスラエルと元植民地宗主国フランスの指導下にあるモロッコも、安保理決議を無視し続けている。
MINURSO(ミヌルソ・国連西サハラ人民投票監視団)は、1991年に国連安保理で、モロッコと西サハラ代表ポリサリオ戦線の戦争両当事者が停戦合意を受諾した後に、設置された。
1999年には待望の国連人民投票を行うべく、アメリカのジェームス・ベーカー元米国務長官とジョン・ボルトン元米大統領補佐官が努力したが、モロッコ先代ハサン2世の死後、ムハンマド6世は国連人民投票を嫌い、2007年に当時のサルコジ・フランス大統領の指導で、モロッコ領土内でのモロッコ・サハラ(モロッコ式西サハラ呼称)自治州案を立ち上げた。サルコジは、モロッコ国王からモロッコ各地に別荘を進呈されているとか、、
歴代のフランス大統領と同様に、マクロン現フランス大統領もモロッコよりで、7月31日にモロッコ領有権支持を国王に書簡で送り、10月28日にはムハンマド6世陛下からド派手な大歓迎を受けた。モロッコ国営通信はマクロン閣下お越し記事で埋め尽くされた。ムハンマド6世国王とマクロン大統領は、MINURSO(ミヌルソ・国連西サハラ人民投票監視団)の任期更新を前に、国連安保理に対して<モロッコの威信>と<モロッコ・サハラ>の宣伝をし、<モロッコ・サハラ>は、モロッコそのもので、モロッコの植民地ではないことを、強調した。
一方、第79回国連総会脱植民地化第4委員会は、10月7日に始まりモロッコ側と西サハラ側の多くの関係者が陳述を行い、10月14日、「西サハラは、1960年の国連総会1514決議に該当する脱植民地が要請される非確定地域」と、再確認された。モロッコの自国領土という言い分は、退けられた。
10月31日、国連安保理は、MINURSO(ミヌㇽソ国連西サハラ人民投票監視団)に、もう一年おまけの猶予を与えた。
③ マクロン仏大統領のモロッコ植民地容認発言に大反発:
「私は植民地時代を知らない世代」と自認するマクロン仏大統領は、「国連の認可でイスラエルが出来たのだから、イスラエルの自衛権は不動」と、イスラエルを擁護する。マクロンは、<右のポッケにゃ人権、左のポッケにゃ金券>と、典型的金本位フランス人だ。マクロンは、モロッコとイスラエルの植民地主義を支援している。マクロンはモロッコ国王陛下のご招待を恭しく受けた後の10月30日、2MとMedi1 TVチャンネルとのインタビューで、「南部州(西サハラ)の現在も未来も、実際にモロッコの主権の一部」と、語った。
「西サハラの唯一の主権者は西サハラの人々だ。マクロンも、他の誰にも、西サハラ人民を代表して国の立ち位置を決定する権利はない」と、西サハラは猛反発した。
そして、SADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)は公式批難文書をUN国連やAUアフリカ連合やEUヨーロッパ連合や国際組織に送った。その中で、「西サハラに関するマクロン大統領の言動は、国連憲章とその決議と矛盾し、安保理常任理事国としてのフランスの責任と名誉を放棄したことになる。MINURSO(ミヌルソ・国連西サハラ人民投票監視団)の下、植民地支配下にある最後のアフリカ領土である西サハラを脱植民地化する国連の取り組みから、フランスは破廉恥に脱退した」と、マクロン発言を強く非難した。
パレスチナ国旗を真似た西サハラ国旗を翻らせ、
独立への道を歩み続けるラクダに乗った砂漠の民
150万人という膨大な犠牲者を代償にフランスとの植民地戦争に打ち勝ったアルジェリアは、11月1日、革命70周年を迎えた。アルジェリアは、変わらず西サハラとパレスチナを支援し続けている。2024年と2025年の2年間、アルジェリアは国連安保理理事国として、パレスチナ・ジェノサイド即時中止を目指しシオニスト・ネタニヤフと戦っている。
アマル・ベンジャマ・アルジェリア国連大使は10月29日、安保理で「アラブの土地の占領を終わらせる真の和平プロセス」を開始するために協力するよう理事国を促した、
10月31日、テブン・アルジェリア大統領自ら、アルジェのブーメディエン国際空港で、SADR(サハラウィ・アラブ民主共和国) のブラヒム・ガリ大統領を迎えた。ガリ大統領は、輝かしい11月革命の70周年を記念する祝賀会に参加した。
<もしトラ>が<ほんトラ>になって、マック・エプロンとごみ収集ベストが似合う<おもろい大統領>がホワイトハウスに返り咲いたら、UNRWA(国連パレスチナ難民救済救済事業機関)は、トランプ大統領就任直後のように、潰されるのでしょうか? そして、西サハラは、トランプ退陣直前のように<モロッコ・サハラ>にされてしまうのでしょうか? イエイエそうではありません そ~れは、ユダヤ人のトランプ娘婿クシュナーでした。 トランプ政権の中東政策を仕切ったのは、ネタニヤフと親戚付き合いをするこのユダヤ人でした。
ギリギリしますが、、アメリカ大統領はアメリカ人が決めるので、どうすることも<I CAN’ T>、できません、、ただひたすら、トランプ娘婿ユダヤ人クシュナーがトランプにくっついて復活しないことを、祈るばかりです。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2024年11月2日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5808:241102〕
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