原発週報 2024.10.23~10.29 編集:漆原牧久
- 2024年 11月 3日
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- 「経産省前テントひろば」原発週報 2024.10.23~10.29漆原牧久
島根原発2号機のテロ対策施設、設置計画が審査に合格…4年後までの完成目指す
2024/10/23 13:24 読売新聞
原子力規制委員会は23日の定例会合で、中国電力島根原子力発電所2号機(島根県)のテロ対策施設「特定重大事故等対処施設(特重)」について、設置計画の審査合格を正式決定した。中国電は、設置期限の2028年8月までの完成を目指す。特重は、意図的な航空機衝突などのテロに備えた施設。東京電力福島第一原発事故を教訓とした新規制基準で設置が義務付けられた。
事故想定し、島根原発5キロ圏内で緊急退避訓練 松江市で1千人参加
2024年10月23日 10時15分 朝日新聞デジタル
中国電力島根原発(松江市鹿島町片句)の事故を想定した緊急退避訓練が19日、原発から5キロ圏(PAZ)内の松江市内の幼稚園、小中学校を対象にあった。5校2園の園児・児童・生徒や保護者、教職員ら約1千人が参加し、保護者への引き渡しや集団退避の手順などを確認した。松江市の原子力防災訓練の一環。
関西電力、高浜原発1号機の長期施設管理計画を認可申請
2024年10月24日 18:24 日本経済新聞
関西電力は24日、高浜原子力発電所1号機(福井県高浜町)の長期施設管理計画を策定し、原子力規制委員会に認可を申請した。高浜1号機は11月に運転開始から50年となり、国内で稼働する原発で最も古い。規制委から10月に50年超の運転を認められているが、2025年6月の改正原子炉等規制法施行後も運転を継続するため、施行日までに認可を受ける必要がある。
志賀原発の廃棄物25日搬出 北陸電、輸送量は減
2024年10月24日 18時31分 東京新聞
北陸電力は24日、志賀原発(石川県志賀町)から出た低レベル放射性廃棄物を、青森県六ケ所村の日本原燃の「低レベル放射性廃棄物埋設センター」に25日に搬出すると発表した。当初はドラム缶計640本分を2日間で運び出す予定だったが、気象状況などを踏まえて25日のみに変更し、計400本分に減らす。
東京高裁の裁判長らが福島第1原発構内など視察 東電株主代表訴訟の控訴審進行協議で
2024/10/25 19:09 産経新聞
東京電力福島第1原発事故を巡る東電株主代表訴訟の控訴審進行協議で、東京高裁の木納敏和裁判長と伊藤正晴裁判官が25日、第1原発構内などを視察した。視察は非公開で行われた。訴訟は11月27日に口頭弁論が開かれ、結審する見込み。一審を担当した東京地裁の裁判長らも2021年10月に同様に視察していた。
中国電、テロ対策施設の計画報告 島根原発2号機巡り、県知事に
2024年10月25日 11時32分 東京新聞
中国電力島根原発2号機(松江市)のテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」の設置を巡り、中国電の北野立夫副社長は25日、島根県の丸山達也知事に対して、設置計画が原子力規制委員会に許可されたことを報告した。中国電が計画を進めるには協定に基づき、県の了解が必要になる。北野副社長は許可を報告する文書を丸山知事に手渡し了解を求めた。
新潟・柏崎刈羽原発7号機のテロ対策施設、所長「工程精査」と進捗明言せず 25年10月までに完成しなければ再稼働しても停止 2024/10/25 11:15 新潟日報
東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機で、テロなどに備えるため工事が進む「特定重大事故等対処施設(特重施設)」について、同原発の稲垣武之所長は10月24日の定例記者会見で「核物質防護に関連性が非常に高い工事。非常に規模が大きく、工程を精査している」として、具体的な進捗(しんちょく)を明らかにしなかった。
審査終盤の泊原発を原子力規制委が視察、北電資料の改善指摘も
2024年10月26日 12時01分 朝日新聞デジタル
北海道電力が再稼働をめざす泊原発(北海道泊村)について、審査する原子力規制委員会が24~25日、12回目の現地調査をした。規制委の審査は終盤にさしかかっていて、今後の行方が注目される。2日間の調査は、「審査の書類に抜けている項目がないか、雪が降る前に現地で調べる」(規制委の担当者)のが主眼。9月に新しく委員になった山岡耕春(こうしゅん)・名古屋大名誉教授(地震学・火山学)らが、原発内外の地層や地形、周りにある火山がかつて噴火した際に出た火砕流の痕跡などを見て回った。
原発再稼働の是非、住民投票求める署名を10月28日開始 市民団体
2024年10月26日 10時45分 朝日新聞デジタル
市民団体「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」は、住民投票を求める署名活動を今月28日に始めると、このほど発表した。約2カ月にわたる期間で20万筆を目標に集めるとしている。団体は県に条例制定の請求書を提出した。世話人の一人、新潟市の水内基成弁護士は「原発再稼働を自分事として関心を高めてもらいたい」と話した。
大飯原発の緊急事態を想定 訓練で住民の避難手順など確認
10月26日 19時20分 NHK
福井県おおい町にある関西電力・大飯原子力発電所の原子炉が地震によって緊急事態になったという想定で、住民の避難手順などを確認する訓練が行われました。この原子力総合防災訓練は、福井県や国、それに、大飯原発の周辺の自治体などが25日から2日間にわたって行い、26日は、約630人の住民が避難先に向かう方法を確認しました。
トランプ氏、福島原発事故にまた言及「3000年は土地に入れない」
2024/10/26 16:14 毎日新聞
米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は25日、東京電力福島第1原発事故に関し「3000年かそこらは(周辺の)土地に入ることは想定されていない」と述べた。保守系ポッドキャスト番組で語った。トランプ氏は若者に人気の番組ホスト、ジョー・ローガン氏のインタビューに応じ、原発の活用について問われた際に原発事故に言及した。ローガン氏は「もっとひどいと思う。想像の範囲より長く、放射能は残るだろう」と応じた。
志賀原発の低レベル放射性廃棄物 青森県六ヶ所村の施設に搬出
10月26日 19時20分 NHK
運転を停止している北陸電力の志賀原子力発電所から定期点検の際などに出た低レベルの放射性廃棄物が25日、青森県六ヶ所村の施設に向けて運び出されました。石川県志賀町にある志賀原発は、2011年から1号機、2号機ともに運転を停止していて、このうち2号機については、再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査が行われています。
美浜原発3号機「安全基準通りに管理」 IAEAが報告書
2024年10月28日 18:47 日本経済新聞
関西電力は28日、国際原子力機関(IAEA)の専門チーム「SALTO(サルト)」から美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)の安全性調査の結果をまとめた報告書を受け取ったと発表した。IAEAが推奨する安全基準通りにプラントが管理できているほか、改善計画が実行されているとの評価を受けたという。
福島第一原発2号機、デブリ取り出し再開 カメラ交換し1カ月ぶりに
2024年10月28日 10時30分 朝日新聞デジタル
東京電力は28日、福島第一原発2号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の試験的な取り出し作業を約1カ月ぶりに再開した。映像が確認できなくなったカメラを交換し、復旧させたが、不具合の原因を特定できていないままの再開となった。東電によると、28日午前9時過ぎ、原子炉格納容器までの通り道の途中にある「隔離弁」を開けた。今後、取り出し装置を格納容器の中まで押し込むという。
手賀沼の魚、原発事故に伴う出荷制限解除 基準値下回る
2024年10月28日 14:35 日本経済新聞
千葉県は、東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響で国が定めた手賀沼の魚類の出荷制限指示が解除されたと発表した。手賀沼や流入する河川のギンブナとコイが対象で、県独自のモツゴに関する出荷自粛要請も解除した。今回の解除により、出荷制限の対象となる県産水産物はなくなった。検出される放射性物質が基準値を安定的に下回っていることを踏まえた。
汚泥処理開始が28年度に、耐震設計見直しで想定より2年遅れ、東京電力福島第1原発
2024/10/28 20:01 産経新聞
東京電力は28日、福島第1原発で多核種除去設備(ALPS)から発生する汚泥の処理を始める時期を、想定より2年遅い2028年度とする計画を原子力規制委員会に示した。処理施設の耐震設計を見直したためで、遅れに伴い汚泥の保管場所も増設する。汚泥は「スラリー」と呼ばれ、汚染水を処理水に浄化した後に残り、高濃度の放射性物質を含む。保管容量が満杯になれば、汚染水を浄化する作業が滞る懸念がある。
林官房長官「原発を最大限活用」 女川再稼働の必要性強調「脱炭素電源として重要」
2024/10/29 12:35 産経新聞
林芳正官房長官は29日の記者会見で、東北電力女川原発を再稼働させる必要性を強調した。「原子力は再生可能エネルギーと共に、脱炭素電源として重要だ。安定供給の観点からも安全性の確保を大前提に最大限活用を進めていく」と述べた。原発に関し「わが国全体の経済成長の観点から再稼働の重要性が高まっている」と説明。
震災被災の女川原発2号機が再稼働 東北電力、福島同型炉で初めて
2024年10月29日 19時00分 朝日新聞デジタル
東北電力は29日、2011年の東日本大震災で被災した女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機(出力82・5万キロワット)を再稼働させた。震災の被災地の原発、東京電力福島第一原発事故を起こした同じ沸騰水型炉(BWR)として、いずれも初の再稼働となる。
「経営者として心から歓迎」 女川原発再稼働に財界トップがコメント
2024年10月29日 21時13分 朝日新聞デジタル
東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機が29日に再稼働したのを受け、経済3団体のトップが談話を発表した。東日本の原発として、また事故を起こした福島第一原発と同じ沸騰水型炉(BWR)として、東日本大震災後初となる再稼働を高く評価した。経団連の十倉雅和会長は「安全性の確認と地元の理解が得られ、再稼働への大きな一歩が踏み出されたことを歓迎する」とコメント。
被災地の住民ら、原発や東北電本店前で抗議活動 女川原発2号機再稼働で
2024/10/29 17:05 産経新聞
東日本大震災の被災地に立地する原発として初めて再稼働する東北電力女川原発2号機(宮城県)の周辺では29日、再稼働に反対する住民らの抗議活動が行われた。女川原発の入り口ゲート前では、住民ら約30人が「再稼働反対」「原発はいらない」と声を上げた。その後、ゲートをふさぐように並んだ複数の警備員を前に、再稼働の中止を求める申し入れ書を読み上げた。住民らは原発が見える近くの海岸でも集会を開いた。仙台市の東北電力本店前でも市民団体のメンバーら約10人がプラカードや横断幕を掲げ、代表の臼井典子さん(46)が「東北電力には県民の声を聞いてほしい」と涙ながらに訴えた。
もんじゅ敷地直下に「推定活断層」 国土地理院が新たな地図を公表
2024年10月29日 19時30分 朝日新聞デジタル
廃炉になった高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の敷地内に、活断層が通っている可能性を示す地図を国土交通省国土地理院が29日、公表した。活断層の専門家が昨年、学会で可能性を指摘していたが、ほかの専門家によっても認められた形だ。現時点では推定で確実ではないものの、敷地では試験研究炉の新設も計画されており、詳細な調査を迫られる可能性がある。
島根原発2号機、「燃料装荷」開始 12月上旬にも再稼働
2024年10月29日 5時00分 朝日新聞デジタル
中国電力は28日、島根原発2号機(松江市、82万キロワット)の原子炉に核燃料を入れる「燃料装荷(そうか)」の作業を始めたと発表した。24時間態勢で進め、1週間程度かけて560体を入れる。2号機に核燃料が入るのは、東日本大震災後の2012年2月以来、約12年8カ月ぶり。中国電は12月上旬にも、原子炉を起動し、再稼働させる方針だ。
伊方原発3号機、新燃料38体の搬入作業が完了
2024年10月29日 17:45 日本経済新聞
四国電力は伊方原子力発電所3号機(愛媛県伊方町)に使用する予定の新燃料集合体38体の搬入作業が、28日に完了したと発表した。新燃料集合体が搬入されたのは3月以来で、保管数は今回の搬入分と合わせて68体となる。四電は9月に県や伊方町、関係する漁協組合などに事前連絡をしており、搬入作業には安全確認のため県職員が立ち会った。
九州電力、玄海原発の緊急時対策棟を公開 収容人数3倍
2024年10月29日 18:30 日本経済新聞
九州電力は29日、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)で重大事故が発生した際の対応拠点となる「緊急時対策棟」を報道陣に公開した。現行の施設に比べて会議室や休憩スペースなどを拡充し、収容人数は300人超と3倍に増える。国による検査を経て10月中にも運用を始める計画だ。
停止中の関電美浜原発3号機、配管のコーティングが剥離
2024年10月29日 18:08 日本経済新聞
関西電力は29日、美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)の機器冷却用配管で生じた海水漏れについての調査で、微小な穴の周辺で管の内面を覆うコーティング材の剥離が見つかったと明らかにした。関電は原因をさらに調べ、分かり次第公表する。美浜原発3号機の停止後、海水が漏れた「T字管」を取り外して内側を調べたところ、「ライニング」と呼ばれる樹脂材料が剥離していた。
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