本間宗究「ちきゅうブッタ斬り」(8)
- 2011年 9月 27日
- 評論・紹介・意見
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2001年と2010年
この10年間を振り返ってみると、「節目の年」として「2001年」、「2008年」、そして、「2010年」が挙げられるようだ。具体的には、「2001年の9・11事件」が、「世界的な金融戦争の始まりを告げる事件だったのではないか?」ということであり、また、「2010年」が、「その戦争が終結する年になるのではないか?」ということである。より詳しく申し上げると、「アメリカ」を中心にして、過去10年間に、「砂上の楼閣」とでも呼ぶべき「金融商品の逆ピラミッド」を作り出したのだが、現在では、まさに、「この逆ピラミッドが崩壊寸前の状態」とも言えるのである。
つまり、「デリバティブ・バブル」が、間もなく、完全崩壊するものと考えているのだが、やはり、最も難しかったのが、「タイミング」の問題だった。そのために、いろいろな方法により、「いつ、このバブルが崩壊するのか?」を考え続けてきたのだが、現在では、「2010年の9月」が、「その時期ではないか?」と想定する次第である。そして、この点を理解するには、「人智」を超えた「暦の知識」が必要なのだが、私自身の経験則としては、「2月に起きた出来事は、その年の9月ごろに、はっきりとした事件となって現われる」ものと考えている。
それは、「2001年の2月」に「えひめ丸事件」が、「パールハーバー」で起き、その年の「9月11日」に、「ワールド・トレードセンターが崩壊した」ことや、あるいは、「2008年の2月」に「韓国の国宝である南大門が焼失した」という事件が、その年の「9月14日」に、「リーマン・ショックにより、世界の富が消失した」ということなどである。そして、今年は、「2月」に、「ワシントンが、大雪により機能麻痺の状態に陥った」ということと、「チリの大地震により、津波が起きた」ということが、「2010年の9月」に、「はっきりとした事件となって現れるのではないか?」とも思えるのである。
しかも、今回は、「パールハーバー」の「トラトラトラ」が、「2001年」と「2010年」の「2月」で結びつき、今度は、「2001年のワールド・トレードセンター事件」が、「2010年に、金融商品の逆ピラミッドが崩壊するような事件」となって、「9月」に起きるのではないかとも感じられるのである。そのために、「正確な時は何時なのか?」を考え続けてきたのだが、今年の「3月」に起きた事件は、「佐渡で、朱鷺が9羽殺されて、しかも、殺害したのがテンだった」ということだったのである。つまり、「朱鷺」が「時」に通じ、「9羽」が「9月」のことを意味し、また、「テン」は「10日」を指し示しているのではないかとも思えるのである。(9月1日)
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為替の介入
現在、「円高」や「スイスフラン高」が、大きな話題となっている。そして、「為替の介入」については「効果がない」と考えられているようだが、理論上からは、「まったく違った姿」が見えてくるのである。つまり、「為替の介入」には、「円高での介入」と「円安での介入」という二種類が存在し、「円高」に関しては、「無制限に介入ができる」という状況だからである。具体的には、「政府がFB(短期国債)を発行し、外貨に転換する」、そして、「その通貨で、海外資産を買う」という方法により、「円高が継続すれば、日本は、世界で最も裕福な国になれる」という可能性が存在するのである。
しかし、現在の問題点としては、「転換された通貨で、米国債を買っている」ということと、「FBの大量発行は、国家財政を危うくする」という危機感が存在するということである。そのために、きわめて中途半端な為替介入が行われているようだが、このような状態が継続すれば、マスコミの報道のとおりに、「日本の空洞化」が、より一層、進展することにもなるようだ。
このように、現在の「円高」については、「さまざまな要因が存在している」ということにも間違いはないようだが、基本的には、「円高にしておかないと、低金利が継続できない」という点も考えられるようである。つまり、「日本の輸入物価は、すでに、10.5%の上昇」という状況であり、かりに、「100円までの円安状態」に陥った時には、「輸入物価の上昇率は、相当なレベルになる」ということが想定されるのである。
しかも、このような状況になると、「日本の金利」が、強烈な勢いで上昇を始め、結果としては、「国家財政問題」に火が付くことも考えられるのだが、実際には、「金利の支払いだけで、税収が全て使われる」というような事態にも陥ることも予想されるのである。つまり、「日本のギリシャ化」ということだが、過去の歴史においては、「ほとんどの国が、過剰な公的債務を処理する過程で、このような事態に見舞われた」ということが見て取れるようである。
また、今回は、「基軸通貨国のアメリカ」を始めとして、先進国の全てが、「財政破綻危機」に直面しているという、きわめて異常な事態に陥っているのだが、このような状況こそが、「文明法則史学」が指摘する、「西洋の時代から東洋の時代へと、800年に一度、文明が交代する」ということであり、この転換については、すでに、最後の局面に入っているようにも感じられるのである。(9月7日)
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「3・11」と「9・11」
「2011年9月11日」は、ご存じのとおりに、「2001年の9・11事件」から、ちょうど10年目、そして、「3・11の大震災」から、ちょうど6カ月目に相当する。そして、この時に、二つの事件の映像が、マスコミで繰り返して流されたのだが、この時に感じたことは、「ようやく、二つの事件が結び付いたのではないか?」ということだった。つまり、「2000年」に、「マネーの逆襲」という本を出版し、その中で、「2001年には、血を見るような大事件が起きる」と述べ、実際に、「9・11事件」に繋がったのだが、その後の展開を見ると、「どうも、腑に落ちない」という感想を抱いたのだった。
また、今年については、「3月10日前後」が、「暦の観点からは、大事件が起きる可能性がある」と考えていたのだが、こちらの場合にも、私が想定していた「金融面での大地震と大津波」ではなかったのである。そのために、「なぜ、これらの違いが起きたのか?」ということを、10年以上に亘り、考え続けてきたのだが、今回、感じたことは、「数霊(かずたま)」が存在していた可能性であり、実際には、「3・11」と「9・11」というのは、それぞれ、「2011年の3月」と「2011年の9月」を示唆していたのではないかということである。
つまり、私自身が、10年以上も前から想定していたことは、「金融のメルトダウン」により「金融面で大事件が起きる」ということだった。また、その後は、「インフレの大津波が、世界を襲う」ということだったのだが、今年の「3月11日」に起きたことは、「自然現象としての大地震と大津波」だったのである。そして、このことは「天の警告」であり、「間もなく、金融面で同様のことが起きる」ということを示唆していたようである。
しかも、この時期に関しては、「9・11事件」が意味するように、「2011年の9月」だったのではないかとも思われるのだが、かりに、私の考えが正しいとしたら、今回の「ギリシャ危機」については、「大混乱の始まり」を意味しており、今後は、世界中に、「大インフレの津波」が襲うことが考えられるようだ。つまり、欧米の政府が、「無制限の為替介入」を発表したり、あるいは、「無制限の資金供給」を行ったりすることは、典型的な「インフレ政策」であり、結果としては、「通貨に対する信頼感」を、完全に喪失させることが考えられるからである。そして、実際に始まった「金利の上昇」に関しては、「市中へ、資金を大量に供給する」という効果が考えられるために、今後は、「市中に放出された大量の資金が、さまざまな商品価格を、一挙に押し上げる」というような状況が考えられるようである。(9月16日)
<ちきゅう座編集部より>
9月26日発売の「週刊現代」に金の特集と本間さんのコメントが載っていますので、ご興味のある方はご覧になってください。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion0621 :110927〕
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