小出先生、「溶融した燃料の温度、何十年も測れない」
- 2011年 9月 27日
- 交流の広場
- 原発小出裕章松元保昭
みなさまへ 松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」9月26日分の転送です。
あらたな水素爆発の可能性が言われていますが、かりにあったとしてもすでに大量の放射能が出てしまっているので、ヨウ素、セシウムがさらに拡散される可能性はあまりないと言います。
むしろ未だに溶融した燃料から出る放射線は分かっていない、温度も分からない、水は分解するので危険性は変わらない。核燃料の温度が分からないのに、「圧力容器の温度を測っても何の意味もない」と語っています。
●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。
http://hiroakikoide.wordpress.com/
=====以下転送=====
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。水野さん、平野さんにチェルノブイリ・ハートの映画を見てほしいと言われて、平野さんご覧になりました(私も今日見てきました)。平野さんの感想、私も同じものでした。平野さん、今も、脳裡に余韻が続いているそうです。
原発関係のニュース、浜岡原発10km県内のところで牧之原市が浜岡永久停止決議を出しました。第一に市民の生命、財産を守ることが必要で、中部電力は防潮堤+地元の同意が再稼働に必要で、これは中部電力に痛手です。
しかし、上関原発の地元で、原発の危険性、新規立地の是非を求めた選挙で、推進派が勝ち、補助金目当て、原子力に代わる財源はないと言った現職の勝ちです。交付金45億円が投入され、2011年度の予算44億円のうち11億円が交付金です。交付金で温泉施設を作るのですが、交付金がないと運営できません。
福島原発、配管から水素が検出され、2,3号機も検査します。正確な水素濃度を知る機会がないのです。配管の中の大半が水素で、水素濃度4%以上、酸素5%以上で爆発しますが、東電は大丈夫と言っています。
そして、小出先生のお話、この水素の話で、東電は爆発しないと言っているが、「ただちに」は信用できない、これについて、水素は発生源は燃料棒のジルコニウムが水と反応して出たもので、事故初期に出て、建屋を吹き飛ばした、それが未だに残っていたか、あるいは、水は放射線を浴びると水素と酸素に分解し、そして水素が出来た可能性もあり、こちらだと酸素があるので爆発の可能性があるのです。配管が水素爆発しても、格納容器がすべて破壊されないと思われるのです。危険の度合いは、「水素爆発はあまり危険ではない」のです。爆発でヨウ素、セシウムが拡散される可能性は今回はあまりないのです。
東電は着火源がないと爆発しないと言っているのは嘘で、92年に浜岡で配管内で水素爆発があり、建屋のドアが吹き飛んだ、しかし「これの着火源は何か、未だにわかっていない」のです。しかし、今回は放射能が大量に出る状態(格納容器破壊)にはならないとのことです。
格納容器内に圧力容器があり、圧力容器はボロボロ、配管が破れても、現状に大きな変化はないのです。「逆に言うと、もうたくさんの放射能がすでに出てしまっている」のです。
未だに溶融した燃料から出る放射線は分かっていない、それで水が分解する、危険性は変わらないのです。燃料の温度は分からない、圧力容器の温度は測っているが、炉心は融けて落ちている、「圧力容器の温度を測っても何の意味もない」のです。本当の核燃料の温度は分からないのです。測定器はないのですし、近づくこともできないのです。「温度が測れるようになるまで何十年もかかる」のです。状況が分からないのが原発です。
で、牧之原市、浜岡永久停止を決議し、しかし中部電力は津波対策をすると言うのですが、これについて、中部電力の説明はおろか、牧之原の決定を支持したいのです。事故は津波だけではない、浜岡は東海地震のど真ん中、地震は広島原爆の1000~5000発分のエネルギー、人間のものではないエネルギーが出て、「それで安全と言うのは科学的ではない」のです。牧之原市は半径10km圏であり、原子力安全委員会が10kmと決めて、しかし、事実には即していないのです。安全委員会は2000年の安全白書で安全神話はないと言っているのに、8~10kmで被害が収まると言っている、安全委員会が間違ったことを言っていた、安全委員会に刑事責任を追及すべき、牧之原市の決定が、事実から正しいのです。
安全委員会、法律で決められた立ち入り検査の権利はないのです。原子力は国の専権事項であり、地元の自治体によるものの、法的に自治体に権利はないのです。
先ほど、関西テレビのニュースで、緊急時計画区域を8~10kmとしていると報じていたのは、安全委員会のこういうことだったのです。これを、お伝えいたしました。あす以降も小出先生のお話をお知らせいたします。
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