区域外避難に賠償を求める院内集会(10月3日)
- 2011年 10月 2日
- 催し物案内
「線量が高い。家の中で1μSv/時を越えます。そんな環境に子供を住まわせていいのかと不安です」「何故毎日毎日被曝しなければいけないのでしょうか?」「原発事故さえなければ、故郷を離れることもなかった」・・・・。
現在、区域外避難(「自主的」避難)についての賠償範囲の指針作りが、原子力損害賠償紛争審査会で議論されています。しかし、これまでの議論を見る限り、4月22日以降、汚染の広がりにより不安を感じて避難を決断した方々に対する賠償や補償は、盛り込まれないおそれが高まっています。
福島では避難区域の外にも、一般人の立ち入りが禁止され、厳重に管理されている放射線管理区域(年5.2ミリシーベルト、毎時0.6マイクロシーベルト)以上の環境が広がっています。そんな環境に不安を感じて、避難を決断したとしてもそれは、自分や自分の家族を守るごく当たり前の行動ではないでしょうか。
このたび、区域外からの避難(「自主的」避難)を決断された方々、またこれから避難される方々のご参加を得て、「避難の権利」確立に向けた院内集会を開催します。
また、原子力損害賠償紛争審査会の事務局を招き、別添の質問状に関する質疑を行う予定です(現在、調整中)。拡散にご協力いただければ幸いです。
(拡散希望)
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区域外避難(「自主的」避難)に賠償を求める院内集会+事務局交渉+記者会見
~「避難の権利」確立に向けて~
http://www.foejapan.org/energy/news/evt_111003.html
※原子力損害賠償紛争審査会および東電宛の意見を募集中!
https://pro.form-mailer.jp/fms/d1e9a64c22337
届いた意見は下記のブログで公開しています。
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/
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◆日時:10月3日(月) 13:00~15:00 院内集会
15:00~16:00 原賠審事務局との交渉(調整中)
16:00~16:30 記者会見
※原賠審事務局との交渉については、別添の質問状を提出しています。
◆場所:参議院議員会館講堂
※12:30からロビーにて通行証を配布します。
(東京都千代田区永田町1-7-1)
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm
◆院内集会内容:
・「自主的避難」と賠償問題~論点整理
・最近の情勢~原子力損害賠償紛争審査会の報告、福島の最前線から
・自主的避難者、避難希望者の方々のアピール(各地に避難している方々から現状報告を頂きます)
・法律家からの見解 など
◆資料代:500円
◆申込み:下記のサイトからお申込み下さい。
https://pro.form-mailer.jp/fms/3560b5a622284
または、①ご氏名、②ご所属、③ご連絡先TEL、④e-mailを、
finance@foejapan.org までご連絡ください。
◆主催:
国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク
◆協力:
eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)
福島原発事故緊急会議
いのちを守るお母さん全国ネットワーク
◆連絡先:国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
満田(みつた) 090-6142-1807
E-mail: finance@foejapan.org
Tel: 03-6907-7217 Fax: 03-6907-7219
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2011年9月28日
原子力損害賠償紛争審査会 自主的避難に関する質問
9月21日開催された第14回原子力損害賠償紛争審査会においては、事務局が準備した資料に基づき、①原発の置かれている状況が不安定であるため、再爆発などを恐れた住民が自主的避難をした場合、②被ばくを恐れた住民が自主的避難をした場合――の二つのカテゴリーに分けて議論が行われた。
①については、4月22日(計画的避難区域、緊急時避難準備区域が設定された日)以前、②についてはそれ以降といった形で概ね検討が進められた。
これについて以下ご教示頂きたい。
質問1: 4月22日で一律に二つのカテゴリーを分けることは妥当なのか。
(質問の理由)
緊急時避難区域等が設定されたからといって、設定された区域以外の地域が、原発が再爆発した場合に被害をこうむらないという保証はない。
実際に住民が避難を希望または決断したとしても、さまざまな状況によって避難の実施までには時間がかかることが多い(注)。
注)自主的避難を支援している市民団体のもとには、実際に、家族や仕事などの状況において避難が遅れたという住民の声がよせられている。
質問2:除染が実施されるという前提が、自主的避難を行う住民の判断の妥当性に影響を与えるのか。
除染について検討項目に加えるのであれば、除染の実際の効果や進捗状況について、現実の状況を踏まえた議論を行うべきなのではないか。
(質問の理由)
事務局が準備した文書では、政府及び自治体が、除染が計画的に実施されることを自主的避難の検討項目に加えている。しかし、除染が計画的に実施されるという仮定は、以下の理由により、自主的避難の判断の妥当性には、なんら影響を与えるものではない。
・福島市など線量が高い地域において除染が実施されたのは、7月以降である。それ以前は、学校などの限定された場所の除染にとどまっており、大半の生活圏においては、除染はいまだ手つかずという場所も多い。そんな中、除染が将来的にされる
・除染の効果がでていない。たとえば、福島市大波地区において8月に実施された除染モデル事業では、除染による放射線量削減効果は1m高で6.7%、50cm高で11.8%にとどまっており(福島市調査による)、限定的な効果しか上げていない。また、福島市渡利地区では、除染ずみの場所においても1cm高22マイクロシーベルト/時以上の地点が計測されるなど、高汚染スポットが残ってしまっている(9月20日発表のフクロウの会/FoE Japanの調査による)。これらの地区の住民は、除染をしても思ったように線量が下がらないことを実感している(聴き取り調査による)。
質問3:自主的避難を行った住民の判断の合理性を検討する場合、日本の既存の
法令を考慮すべきではないか。
(質問の理由)
20ミリシーベルトは日本の既存の法令に対して高く、それを避難にあたっての判断の根拠とした住民もいる。
– 法令による公衆の年間の線量限度は1ミリシーベルトである(原子炉等規制法)
– 放射線管理区域は年5.2ミリシーベルト:放射性管理区域では、労働法規により、18才未満の労働は禁じられている。放射能マークを掲示し、子どもを含む一般人の立ち入りは禁じられ、厳格な放射線管理が行われ、事前に訓練を受けた者だけが立ち入ることのできる区域である(電離放射線障害防止規則など)
– 原子力発電所等の労働者がガンや白血病で亡くなった場合の労災認定基準は、年5ミリシーベルトからと定められている。過去35年で10人が累積被ばく線量などに基づき労災が認定されており、累積被ばく線量5.2ミリシーベルトで認定された事例もある。
質問4:政府が避難区域の設定に使っている累積被ばくの計算には、内部被ばくが含まれていない。このことを考慮に入れなくてよいのか。
(質問の理由)
政府は年20ミリシーベルトを避難区域設定の基準としている。実際の適用に当たっては時間当たりの空間線量(福島市大波地区の例では3.1マイクロシーベルト/時)を用いており、内部被ばくは考慮に入れられていない。このことは再三、市民団体が指摘しており、それを認識している住民も少なからずいる。さらに、福島県内では、福島県産の野菜などの使用が多く、給食による内部被ばくに関する不安も高まっていた。こうした状況下、政府が運用上に使っている空間線量基準以下であったとしても、避難を決意したとしても妥当ではないか。
質問5:自主的避難の検討に当たっては、自主的避難者、避難希望者の声、および自主的避難を支援してきており本件に関心を有する市民団体等の意見を広く聴取するための公聴会を、複数回開催すべきではないか。
(質問の理由)
自主的避難に関する賠償の方針を検討するためには、自主的避難者が、どのような事情で避難を決断したのか、また避難後にどのような状況に置かれているのか、さらに自主的避難を希望している住民がどのような状況に置かれているかの理解が不可欠である。このため、自主的避難者、避難希望者、市民団体等の意見を聴取する公聴会を複数回行うことが必要と考える。
以上
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国際環境NGO FoE Japan
〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-8-1F
Tel: 03-6907-7217 Fax: 03-6907-7219
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★FoE Japan原発チームの被ばく最小化に向けた活動にご支援を!
http://www.canpan.biz/products/detail.php?product_id=400
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