陸山会事件、郷原信郎氏「刑事事件の常識に反する立証を認めたことが・・・『推認』に埋め尽くされた異様な判決につなが」る
- 2011年 10月 9日
- 交流の広場
- 安東次郎郷原信郎陸山会事件一審判決
郷原信郎氏が、陸山会事件の一審判決についてコメントしているので、紹介しておきたい。
http://www.comp-c.co.jp/pdf/111005.pdf
以下一部のみ引用。
(引用開始)
<陸山会政治資金規正法違反事件の一審で、刑事裁判の常識に反する判決が出た。そこにも、東電OL事件と同様に、有罪無罪とは別の事項について、裁判所が行った先行判断によって、最終的な裁判所の事実認定を事実上決定づけてしまったという構図が存在している。>
<水谷建設のヤミ献金の事実が仮にあったとしても(それ自体が極めて疑わしいことは、私がこれまで著書等で指摘しているところだが)、そのヤミ献金の事実と、起訴事実の陸山会の収支報告書の4億円の虚偽記入との関連性を示す証拠は全くなかった。検察官は、ヤミ献金を隠すために虚偽記入をしたとして、ヤミ献金が虚偽記入の動機・背景だという主張したが、そもそも、被告人の石川知裕氏も大久保隆規氏も、そのヤミ献金の事実を全面的に否認しており、それを隠すことが動機になって虚偽記入が行われたという証拠は全くない。ヤミ献金と虚偽記入を結び付けるのは、憶測、推測、こじつけしかなかった。しかも、そのヤミ献金の事実は検察が捜査の対象にして、結局起訴できなかった「余罪」である。 このような「余罪」を立証しようとする証人尋問請求を認めることが、いかに不当なことか・・・>
<陸山会事件判決は、刑事事件の常識に反する立証を認めたことが、最終的に「『推認』に埋め尽くされた異様な判決」につながり、政治的に重大な影響を与えた例として、これもまた、日本の司法の重大な汚点になる可能性がある。>
(引用終わり)
また、岩上安身氏による郷原信郎弁護士へのインタビュー(10月6日)の動画と文字起こしされたものが
http://iwakamiyasumi.com/archives/13307
に掲載されている。(こちらは、前半は「やらせメール」事件など九州電力問題関連となっている。)
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