沖縄の現状報告―新基地建設問題等の動きから
- 2011年 11月 7日
- 時代をみる
- 9条改憲阻止の会
■ 今、TTP交渉の参加問題が政治的焦点になってきています。先ごろは全国の農業関係者がトラクターなどを動員して霞ヶ関一帯のデモをしていました。最近は日の丸の旗を持った人々のデモをみかけました。霞ヶ関はいろいろな団体のデモが噴出しています。それに隠れるかのようにしながら野田政権は沖縄でもきな臭い動きをしています。私は経産省前のテント業務が大変で沖縄の方には行けませんが、沖縄の友人が現状をレポートしてくれましたので紹介します。
■ 富久様 経済産業省敷地の座り込み活動、本当にご苦労様です。この座り込み活動は日に日に重要度を増していると思います。頑張って下さい。10月27日からの福島のお母さん方の座り込み、11月からの全国の女性グループの座り込みの様子はどうですか? 福島いわき市の佐藤市会議員の話を聞く機会がありましたが、福島県民が「被曝棄民」 として国に捨てられている様子が良くわかりました。ヤマトは「脱原発」運動、沖縄は「米軍基地」反対運動を貫くことが求められています。ともに日本を管理支配する「霞が関官僚」との闘いです。この2つの運動を結合し、日本社会を変革していく闘いに広め・高めていくことを追求すべきだと考えます。現在の沖縄の現状を報告します。
1.重要問題の報告
(1)「辺野古」新基地建設問題の動き
①アセス問題 ・日本政府は年内に環境影響評価書を沖縄県に提出
・仲井真知事は90日以内に意見書の返送
・政府は意見書を踏まえて評価書を補正し、アセス手続き完了
・着工に向けて埋め立て許可を知事に申請
・仲井真知事は拒否か?容認か?
★市民団体は県側に「評価書を受け取るな」と強く要請している。
★また、「評価書のやり直し」も要求している。理由は「オスプレイの配備を前提にアセスが行われていない」ことを問題 にしている。
★さらに、市民団体の「アセス訴訟」(デタラメなアセスである)が進行中である。
・10月21日(金)2:00~ 証人申請の問題について
・次回・・・12月14日(水)2:00~
②名護の「北部振興大会」(10月26日開催)・・・約2,200人以上の参加者
・前市長の島袋氏「北部振興と基地はリンクする」とぶち上げた。
・参加者からは「移設問題が決議に入ると思わなかった」との意見もある。
・推進派は2年後の市長選で稲嶺氏を落選させ、市政を奪還することをめざしており、 そのために市議会の中間派<元市長岸本氏の息子である岸本議員のグループ>に対する説得工作を強めている。
③前原政調会長などの辺野古基地推進派へ働きかけ
・前原は11月3/4/5日に沖縄訪問する予定である。
(2)米軍基地の騒音訴訟について
①第3次嘉手納爆音差止訴訟(原告団22,058人)
・第1回口頭弁論・10月20日(木)・・・6人の原告人が意見陳述する。
②普天間問題(1996年4月に全面返還合意。15年も返還進まず)
★オスプレイの配備・・12年10月に12機配備、さらに翌年12機の配備
・県議会の反対決議、41市町村のうち約31市町村で決議を採択。
★第2次普天間爆音差止訴訟(来年3月に訴訟、2千人の原告団募集)
・市内28カ所での説明会をやり遂げて、10月より原告団募集が始まる。
(3)米国に「要請団」(来年1月)の派遣
・「アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」の設立(平和・環境7団体で構成された会)。
・「届ける会」として、県側や県議会にも参加を呼びかけていく。
■ 以上は沖縄の友人からの報告ですが、これらの動きをある程度は新聞などの情報で知っている人も多いと思います。例年なら2カ月程は高江の方に行っていますが、今年はそうはいきません。東京でも重大な事が累積しています。それでも沖縄のことが頭から離れず、たえず沖縄の友人と連絡を取り合い、必要があればすぐ訪沖が出来るようにしています。沖縄の情報をもとに分析をしますと、政府が沖縄問題で動き出した背後では出先の官僚機関(防衛省や外務省)がそうとうあくどい工作をやっていることが垣間見れます。名護市民(とりわけ辺野古周辺住民)などに対する工作は以前の内情暴露(守屋武昌・元防衛次官)で話題になったことがありますが、今も以前と変わりません。私が高江で対峙したこともある沖縄防衛局などの動きを見ているとそれが分かります。自信ありげな前原の動きには現地工作の報告を基本にしています。沖縄振興策が表の政府の沖縄取り込み策ですが、裏でも様々な工作が行われているのです。島袋吉和らの北部振興大会が表の行事として計画され、且つ1500人集会の予定が当日は2200人に膨れあがったこともそれを示唆しています。私は友人の報告を読み、すぐ複数の友人に確認したところ、極めて類似的な意見をくれました。沖縄の動向に注視していて下さい。(2011年11月7日 連帯・共同ニュース第183号)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1703:111107〕
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