「『第8回劣化ウラン兵器禁止を求める国際行動デー』集会の報告」など 地震と原発事故情報 その239
- 2011年 11月 20日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
4つの情報をお知らせします(11月20日)
◇ 残念ながら、玄海原発4号機が稼働したため、日本の原発・全54基の
うち、現在43基(80%)が停止、稼働しているのは11基(20%)。
今後、再稼働をみんなの活動で阻止できれば、2012年春頃には全原発
の停止が実現する。
原発なくとも電気はだいじょうぶ(天然ガス、火力、その他)。
今、運転中の11基も早く停めてほしい-地震・余震が心配。
★1.「第8回劣化ウラン兵器禁止を求める国際行動デー」集会の報告
劣化ウラン兵器廃止の運動と脱・反原発の運動との結合を!
★2.福島の子どもを守ろう-野菜カフェ
-「経産省前テントひろば」の会話から
★3.<テント日誌 11/18>
世界史の現在が脈動するテントの一日
―― 経産省前テントひろば 69日目 ――
★4.唱歌『ふるさと』の大合唱によせて
我々の故郷を、命をこれ以上は奪われたくないと-心の叫び
★1.「第8回劣化ウラン兵器禁止を求める国際行動デー」集会の報告
劣化ウラン兵器廃止の運動と脱・反原発の運動との結合を!
岡田恵美子(劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワーク事務局)
1 主催者挨拶(事務局 柳田)
2 基調報告 (事務局 稲月)
3 講演
(1) 豊田直巳氏の見たフクシマとイラク
-原発の放射能と劣化ウランのヒバクャ
フォトジャーナリストの豊田直巳氏は、1999年から取材を開始したイラクの
写真及び原発事故一ヶ月後にフクシマ入りし、そこで見た生々しい現地の様子
など写真を交えて紹介しました。
豊田氏は、「フクシマの避難区域にいた住人の方が、雨樋の下にたまった水
が500ミリシーベルトもあることを知らされ、近づかない方がよいと言わ
れ、驚いた際に言った『目に見えない戦争と戦っているみたいだ』『震災とい
う天災は止められなくても(放射能という)戦争は止められるのに』という言
葉が印象的でした」と話されました。その他、2004年に起きたスマトラ地震
後、アチェが救援を渋った原因が、過去にあったアチェの虐殺、村焼き払いな
どを隠蔽することであったとのショッキングな話もありました。また、自殺に
追い込まれた相馬市のある酪農家の話では、自殺場所の壁に書かれた「原発さ
えなければと思います。…仕事をする気がなくなりました」という文字に、フ
クシマの深刻な実態が垣間見えた気がしました。
「アラブの子どもたちと仲良くする会」イラク支部長のアリード氏は、1993
年から、イラクの子どもたちの支援をしているが、1991年の米軍による劣化ウ
ラン弾の使用以降、ファルージャの女性たちが、劣化ウランの被害を恐れて出
産を控えている実態などを話されました。
(2)山崎久隆氏-劣化ウラン兵器と福島原発最新情報
「劣化ウラン研究会」代表の山崎久隆氏は、最初に、劣化ウランについて、
体内侵入方法から内部被曝への移行などについて話した後、原発事故によるフ
クシマの放射線の実態、それに伴う内部被曝の危険性などについて、膨大な
データとともに説明しました。
山崎氏の話の中で、内部被曝のリスク係数というのは、ガンになる確率とさ
れている現在の基準では、実際ガンにはならなくても免疫力低下による前ガン
状態はカウントされず、実際の内部被曝のリスク係数は、もっと高いというお
話に驚きました。
最後に、全世界で核実験が行われていた時代と比較しても、現在の日本、特
に東京以北の放射能量はかなり高いというお話に戦慄が走りました。
4 医療救援カンパアピール
医療救援カンパを呼びかけたところ、42,000円のカンパが集まり、「劣化ウ
ラン兵器禁止市民ネットワーク」の医療カンパ会計の支出と併せて、92,000円
のカンパを会場でワリード氏に手渡しました。
5 賛同団体からのアピールが次の7人の方からありました
○「たんぽぽ舎」 坂東さん
○「原発を考える品川の女たち」 小川さん
○「劣化ウラン廃絶みなとネットワーク」 宮口さん
○「原発・核燃とめようかい」 福島さん
○「もんじゅ西村裁判を支援する会」 西村さん
○「ストップ原発&再処理工場・意見広告の会」 岩田さん
○「経産省前テントひろば」 原田さん
3月11日に起きた原発事故は、われわれ「劣化ウラン兵器禁止ネットワー
ク」の活動にもあらたな出発点となりました。
『核のゴミ=劣化ウラン』
劣化ウラン兵器廃止の運動と脱・反原発の運動とを結合させ、ともに戦って
いかなければならないと再認識した集会でした。
★2.福島の子どもを守ろう-野菜カフェ
-「経産省前テントひろば」の会話から
冨塚 元夫
○11月3日と4日、「原発いらない全国の女たち」経産省座り込み連動アク
ションの応援に行きました。いろいろの方のお話を聞くことが出来ました。北
海道、山形、福島、栃木、長野、千葉、埼玉、東京、大阪、佐賀、沖縄、etc.
全国各地から参加していました。
○北海道の女性(山口さん)は夏休みに一か月福島の子ども200人ほどをサ
マーキャンプに招待したそうです。この子供たちはこの一か月だけ野外でのび
のび遊べたのですが、いまは外で遊べません。
札幌の「結び場」の女性(ミカミさん)は福島の母子500人ほど疎開・避
難のお手伝いをしています。福島に残っているのは、おじいさん、おばあさ
ん、お父さんが多いですが、その人たちが今日来てました。郡山に残っている
おばあさんは、会津にいる孫に会えなくてさびしいと言っていました。
○11月4日は福島から10人ほど参加しました。武藤類子さんはお母さんを
連れてきました。この日も感動的なスピーチを聞かせてくれました。若い曹洞
宗のお坊さんも参加しました。
デモでは日本山妙法寺の何時もの御坊さんと一緒に「南無妙法蓮華経」を合
唱していました。この若い御坊様はお寺を離れて、奥様・子どもを避難させ
て、一人で雲水のように県内でお勤めしているそうです。私の家(田村市)も
曹洞宗です。
○11月3日には佐藤幸子さんと話しました。5人の子どもを山形に避難させ
て、子供ふくしまの活動をしています。前日は子どもを二人連れてきました。
この日は一人でした。連日のように「福島からの報告」、レーバーネットTV
出演、集会での連帯あいさつ、etc.の予定があります。11月15日には東京
外国人記者クラブの共同記者会見がありました。他の共同会見者は肥田舜太郎
医師、大石又七氏、梅田隆亮氏、竹野内真理さんでした。
○佐藤幸子さんは「原発いらない福島の女たち」座り込みアクションのときに
「野菜カフェ開店にあたって」というビラを配布しました。現代の食品は添加
物や農薬などすでに化学物質を多々含んでいますが、さらに放射能に汚染され
るとその相乗効果が出て毒性が増します。避難できないたくさんの子どもたち
は、福島産のコメ、野菜、牛乳を給食でも家でも食べなければならないので、
内部被曝が日々蓄積します。福島の子どもたちに農薬・放射能のない食品を届
けようとする生産者団体の協力で、「野菜カフェ」という農産物集配所が開設
されました。生産者団体は全国にまたがっているようです。
○この方々に十分お支払できないかもしれないと佐藤さんは心配しています。
「野菜カフェ」の設立・運営資金に是非ご協力お願いいたします。
カンパ送付先は下記のとおりです。
ゆうちょ銀行
名義 いのちのせんたくひろば
番号 02210-6-94422
なお12月1日からは下記の口座にお願いいたします。
ゆうちょ銀行
名義 野菜カフェはもる
番号 02270-3-118444
★3.<テント日誌 11/18>
世界史の現在が脈動するテントの一日
―― 経産省前テントひろば 69日目 ――
昨17日、テント広場全体会議の波紋は、激しく、静かに、拡がりつつあ
る。会議であきらかになるのは、同一性より、個性的(主体的)闘争姿勢の独
自性のようだった。
10時過ぎて、霞が関経産省前テントを訪ねた、小生には、坐る椅子とてな
い。全体会議は闘争勢力の拡大が目的であってみれば、好調な結果だ。たんぽ
ぽ舎のH氏は、右翼や公安警察を圧倒するには、全然、テント防衛の人間が足
りないといきりたっていたようだったが。
誰にも挨拶せず第3テントで寝る。右翼は、神風が放射能被ばくしているこ
ととテントの主人公が70代を超える人々が少なくないことに圧倒されていた
というのが、小生の子守唄だった。
午前10時、イラクからIFCサミール・アディル議長がテントを訪れる。
新聞記者の前で、会見がもたれるのだった。テントで待機していた渕上氏と固
い握手。渕上氏は、「日本とおんなじですね」と唇をかみしめる。広島・長
崎・第五福竜丸・福島第一原発工場事故とアメリカの覇権主義と武器商人に翻
弄される日本とイラクがCIAなどの工作によって多大な犠牲を払わされてい
ることの同一性のことだろうか? 記者会見でアディル氏は「福島第一事故も
イラクへの米軍攻撃も、政府が人民・民衆に真実をつたえられぬところは、ま
ったく、かわりありません」と明言した。「日本国憲法9条をイラクが獲得す
るためには、大変な努力を要することは分かっていますが、非暴力・反宗派主
義・人民・市民主義をもって闘ってゆきます。イラクの主要都市の工場での闘
争は衰えることなくつづいています」と語り、経産省への要請書を提出するぎ
りぎりの時間まで冷静に、インタビューに応じてくださった。夜には第2テン
トで歓迎なべパーティ!
テントには、辺野古のテント村から安次冨浩さんも訪ねてこられた。歴史的
邂逅は、魂の質の次元にもある。貧しいテントではあるが、ここには、世界史
の現在が脈動している。この次元は、官憲も札束も極右も冒せはしない!沖縄
の人達は年明けには訪米団を派遣する予定でいるという。800万円の経費の
ためのカンパ運動が始まっている。 安次冨浩さんのところへ、『伊達判決を
生かす会共同代表』土屋源太郎さんが来訪。土屋さんは80近い年齢にもかか
わらず、すでに何回かテントでの泊まり込みをされている。泊まり込みの最長
老。
辺野古の基地建設反対運動テントは7年目を迎え、2770日目をむかえた
そうである。原発再稼働を断固許さない経産省前テント広場は、辺野古の環境
評価表提出拒否闘争と連帯の絆を強めた。グローバルな福島第一原発の放射能
漏洩の世界規模の破壊性は、辺野古周辺の自然環境調査の名目による、サンゴ
礁破壊、ジュゴンの来れる生態系破壊と共犯関係にある。戦争とは最高の自然
破壊であるとの宇井純博士の警告は、権力の耳にはとどかないようである。し
かし、世界の良心は、鉛の箱の中にいるわけではないだろう!
( 文責 QUEMA記 )
★4.唱歌『ふるさと』の大合唱によせて
我々の故郷を、命をこれ以上は奪われたくないと-心の叫び
11月11日は雨と寒さで、人間の鎖がどうなるかと危ぶまれた中、予想を
上回る1400人が集まり、皆、雨も寒さも吹き飛ばす勢いで、鎖をつなぎ、
多いに盛り上がった。そんな中、最後に『ふるさと』をたんぽぽ舎のみんなで
経産省を囲みながら大合唱できたことはとってもうれしく、感謝に堪えませ
ん。
できたら、ここで『ふるさと』の歌について少し述べさせて頂きたいと思
う。歌の発表は大正3年、第一次世界大戦開戦の年だ。富国強兵論は軽工業か
ら重工業へと転換し、人々は故郷を離れ、都市へ移住していった。作詞者であ
る高野辰之は故郷を失った人々の『心のふるさと』を歌ったとも言われる。
それから、第2次世界大戦、敗戦、高度成長、バブル期を経て、日本の自然
風景は様変わりした。
経済功利主義の中で壊されたきた日本の自然。
それも、この便利さを享受する為だったのだから、仕方がないと思ってい
た。正直に言うと、深く考えもしなかった。
しかし、311を経て、私の中で大きく変わった。
山は蒼きふるさと、水は清きゆるさとを失っただけではない、今や人の命さ
えも見捨てられようとしている。福島の人たちの命は功利主義の中で軽んじら
れ、見捨てられようとしているのだ。国は大企業の利益を国民の命より優先し
た。壊されていく自然と一緒に私達の命、子供や孫の未来も経済功利主義の前
では邪魔にされ、自然と一緒に捨てられようとしている。
もう、理屈ではない。
富国強兵論も所得倍増論も原発安全論も今となっては空々しいだけだ。
直感がこれらは私達の為では決してなかったと看破したのだ。
我々の故郷を、命をこれ以上は奪われたくないと心が叫びだしたのである。
私は『ふるさと』を歌う事で、未だこの恐ろしい事実を見ようとしない人達
の心を揺さぶりたいと思う。
音楽隊有志ふるさとを歌う会 島田和子furusatowoutaudemo@gmail.com
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[たんぽぽ舎 編集部より]
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