小出先生、非常用復水気の故障「じつは地震による損傷」
- 2011年 11月 25日
- 交流の広場
- 松元保昭
みなさまへ 松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」11月24日分の転送です。
厚労省の放射能基準見直し、これまでは内部・外部合わせて1ミリシーベルトであったものが、「今回は内部だけで1ミリを許すもので、すこし厳しく」なったにすぎない、と指摘しています。
また手動による人災などと言われていることについて、非常用復水器の故障は「じつは(津波ではなく)地震による損傷であったと疑っている」と語っています。
●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。
http://hiroakikoide.wordpress.com/
=====以下、転送=====
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞本社論説委員の藤田悟さんの案内で放送されました。
原発のニュース、玄海4号機の定期検査、12月26日に伸ばしました。電力の安定供給のためとしており、九州で12月19日より節電の要請をしています。
厚労省は食品の放射能基準を見直し、一般食品+乳児用食品(粉ミルク、ベビーフード)にして、子供への影響を考慮します。規制値は5ミリシーベルト/年ですが、これを1ミリにすると決定しています。
東電は賠償請求の簡素化と、精神的苦痛の賠償を12万円/月にします。煩雑と批判されていた賠償請求を60→34ページにしました。それでも、34ページ読まないとだめです。
そして、小出先生のお話、厚労省の放射能基準見直し、乳児用の基準について、子供を守らないといけない、ようやく厚労省も乳児を考え、歓迎したい。食べる=内部被曝であり、乳幼児の基準は、これまで、被曝制限を緩和し、本来1ミリシーベルト/年なのに内部で5ミリであった、これを1ミリに戻すのではない、「国が決めていた1ミリは内部+外部であり、今回は内部だけで1ミリを許すもので、十分な規制ではない」のです。もともと緩かったものが少し厳しくなっただけなのです。難しいものの、乳幼児の被曝を減らさないといけないのです。
国会の調査委員会の委員長、黒川清氏、日本学術会議の、内部学の人なのですが、この人事、医学は素人で、黒川氏は知らないが、事故は医学ではなく、工学、海洋、気象が関与しており、機械としての原発事故の解明が先と思われるのです。そういう人材を選んでほしい、たくさんの人を束ねる力量のある人がいり、難しいのです。
東電は1号機に非常用復水器が津波後十分に機能していなかったと言い、原子炉は常に冷やさないと壊れる、今回は地震+津波で電源なし、ポンプなし、そのために備えて電気なしで冷やせる非常用復水器(特殊)があるのに動かなかった、これを解明しないといけないのです。熱交換で発生する熱が60%残っていたのですが、たくさんの蒸気を冷やすために、空っぽになるまで冷やさないといけなかったのに、途中で止めてしまったのです。運転員が手動で止めてまた動かした、今回のような非常事態、原子炉を冷やすのを最優先なのに、それでも止めたのは、何が別の原因があった、重要なのは、配管が破れて、復水器を動かすと冷却材が失われるのではないかと言うことでした。
藤田さん、この発表が事故から8か月、こんなにいるのかと聞いて、当初から分かっていたと小出先生言われて、つまり、人災的な都合の悪い理由があったと藤田さん言われました。配管の破損の原因は地震と思われる、「今まで地震は大丈夫、津波でやられたと言っていたのに、地震でやられていたと小出先生疑われ、これは非常に大きな問題で、もっと早く公表して検討しないといけないのに、8か月要った」のです。
東電は非常用復水器が動いてもメルトダウンしたといい、小出先生、その通り、1週間も電源がないと炉心は融けた、復水器が地震で壊れたなら、これを解明しないといけないのです。
毎回、小出先生のお話、聞いて皆さんにお知らせする価値のあるものです。来週もまたお知らせいたします。
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。