沖縄(高江からの通信) 霜月から師走への日々の中で
- 2011年 11月 27日
- 時代をみる
- 9条改憲阻止の会
■ 序章 2月末に一旦中止した防衛省のヘリパッド建設計画は(3-6月の天然記念物ノグチゲラの営巣期間のために)中断していた。しかし、7月になっても再開されず、8,9,10月の間防衛局は声も出さなければ姿も見せない。大方の見方として、「辺野古のアセス評価書提出と同期させ12月くらいになるのかな」というのが有力(?)であるような気がしていた。ところが防衛局は意表を突き11月15日に重機(大型クレーン:リース)を持ち込み、N4Bゲートで工事再開に着手しました。那覇防衛局員30名、名護警察署員(沖縄県警数人を含む)30名、とみしろ建設作業員8名の陣容でした。そのときに監視活動をしていた「住民の会」側は3名でした。しかし、ゲートの前に駐車した大型街宣車に行く手を遮られ、重機を基地内に入れることは出来ませんでした。その内に声をかけられて集まった支援者が40数名になり、膠着状態になりました。今回の「住民の会」の対応は完全な黙りで如何なる防衛局の話しかけにも一切の応答をしない作戦でした。結局、防衛局は重機を基地内にいれることが出来ず、重機を放置したまま退散しました。
■ 11月16日 防衛局は姿を見せない。11月17日 重機を持ち帰りました。11月18日―20日 電話とネットで高江と交信し、情況を把握する。防衛局の動きはなく、(危険をはらみながらも平穏を維持する)。11月21日 午前中は何も起きていない。羽田から那覇へ飛ぶ。那覇は初秋の装い。午後も無事のようだ。那覇の船員会館で開かれる「沖縄を語る会」(静岡)と城間勝氏の会合に参加。11月22日 早朝、さすがに長袖のポロシャツでは不十分。毛糸のベストを重ねる。知人の車に同乗し、高江へ。一日中、防衛局の動きなし。午後6時半から名護市大西で開催される「サラバ!辺野古アセス」に参加‥‥ 講師:●佐藤学沖縄国際大学教授(演題:財政赤字問題と米国軍事戦略の行方)●櫻井国俊沖縄大学教授 (演題:辺野古アセス評価書提出を拒否!)●中西弁護士(演題:アセス問題に違法性などの問題がある)●コーディネータ: 安次冨浩氏、真喜氏好一氏など。夜は冬らしい温度になり、ジャンパーを重ねる。11月23日勤労感謝の日 何事もなし。N4のテント内では有力な支援者の一人であるS氏の古希の祝いの昼食会。
■ 11月24日(木) 午前5時半起床、7時N4A出動 一番乗り防衛局の姿見えず。朝駆けの気配なし。防衛局出動の情報あるもゲート前の車輌移動の交渉相手である「住民の会」側の出動が8時以降であれば「それ以前の出動は無駄」と判断したのか、あるいは今日も参上をひかえたのか?支援者の数も増え、総勢30名強。午前10時前進見張りから「防衛局が平良を北進中」との連絡あり。15分後に防衛局11名、名護署員(県警3名を含む)11名、とみしろ建設2名がN4Bゲートへ到着。重機帯同なし。(細かい情報: 何故主なゲートAからではなくBなのか? Aゲートは「住民の会」排除用の仮フェンスのゲートを支えるトンブロックの設置方向が重機の出入りに不便であるために防衛局はゲートの前の支援者に大声で「確認」や「質問」を発し始めた。「ゲートの前に車を駐車するのは違法です」「すぐ車をどかしてください」「車の持ち主はだれですか」「車の持ち主をしていたら教えてください」等々。主として若い局員が発言している。「住民の会側は一切無言。延々と間断なく午後4時までこの状態が続く。怒鳴り声がなくなったのは昼食時だけという徹底の仕方。(細かい情報:とみしろ建設が持ち込んだ資材は直径10センチ・長さ2メートル程度の杭、厚さ3センチ・幅3センチ・長さ3メートル程度の板、厚さ3ミリ・幅20センチ・長さ不詳のゴム板数条と金属頭の中型槌のみ。この程度の資材であれば現場に通ずる獣道ででも搬入できるはずなのに……。尚、今回の工事内容は粘土質の道路の滑り止めという。資材の分量からしてたいした範囲をカバーする意志はなさそうである)
何処から入ったか不明であるがひかり造園の作業者がヘリパッド建設予定地周辺の雑草や小灌木をチェーンソウで処理を始める。
■ 11月25日 防衛局現れる。(陣容: 防衛局13名、警察12名、とみしろ建設2名、重機帯同なし。資材などは昨日と同じ)防衛局の時間、行動は昨日と寸分違わない。
所感: 防衛局の昨日、本日の行動に付いて言えば、真剣に何かの工事をするという意志は伺えないし、貫徹しようという態度も見えない。唯決められた時間を若い局員が大声で叫び通うという印象であった。デジャビュー :半世紀前に「生産性本部」とかいう社員教育請負の会社が自己の意志を殺し、命令者の指示にひたすら忠実な社員を作るための教育プログラム。
■ 経産省のテントの前で過日、沖縄での政府の動きに抗議する集会が持たれた。当日のテント日誌には次のように記されていた。「テント前では沖縄辺野古実主催の集会が行われた。沖縄に対する政府の攻勢が強まってきているが、その報告がなされた。政府はアクセス評価を提出し、辺野古新基地建設の歩を進めようとしているし、他方で高江のヘリパット建設を強行しようとしている。沖縄の実情が生々しく伝えられる集会であった」。そして、11月24日(木)には18時30分から「『普天間基地は県外へ』政府は沖縄県民の声を聞け11・24集会」が文京区民センターで開かれた。沖縄の動向はTPP交渉参加問題とともに現在のおおきな政治的焦点になってきている。上の報告はこの間まで経産省前のテントで頑張っていた富久さんから送られてきたものである。今後も、第二弾、第三弾と届くと思う。僕らはこちらでテント前を共同広場にする闘いを続けるが、沖縄での闘いも注視していたい。 (文責M)
<9条改憲阻止の会 2011年11月27日 連帯・共同ニュース第193号>
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