「地震で原発が損傷していた証拠 ストレステストを経て運転再開というシナリオが崩壊」など―地震と原発事故情報 その271
- 2011年 12月 16日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故
4つの情報をお知らせします(12月16日)
12月16日、関西電力大飯原発2号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は7基、全原発停止へあと一歩
★1.地震で原発が損傷していた証拠
ストレステストを経て運転再開というシナリオが崩壊
山崎久隆
★2.25年目のチェルノブイリ、ベラルーシ、ウクライナ訪問の
報告を聞いて
学校に食品放射能測定器が置いてある。博物館のこと、除染と農業
★3.<テント日誌 12/14(水)>
とりどりの右翼、テントに大挙押しかけたが…
― 経産省前テントひろば 95日目 ―
★4.メルマガ読者から講演会・集会などのお知らせ
★1.地震で原発が損傷していた証拠
ストレステストを経て運転再開というシナリオが崩壊
山崎久隆
放射能が炉心損傷より前に放出していたとなれば、ストレステストを経て運転再開というシナリオが崩壊する。
http://www.nisa.meti.go.jp/earthquake/plant/1/230617-1-1.pdf
この文書は3月11日に原発の状態を伝えたファックスだ。
3月11日23時の観測では、1号機タービン建屋で放射能の濃度が急激に上がっている。タービン建屋1階の北側で1.2mSv/h、南側で0.5mSv/hとの記録が原子力安全・保安院宛に送られている。送ったのは第一原発吉田所長。おそらく記述したのも所長だと思われる。
この値は、1号機の内部で十分多くの放射能を放出する破損が相当前からあったことを意味している。重要なのは、この時間ではまだ燃料が露出しても、圧力容器は破損していないはずの時刻だ。津波が襲ってきたのは15時30分、23時にタ
ービン建屋に放射能が充満し始めているというのは、圧力容器損傷では説明が付かない。
毎時1.5mSvという値は、実に1875000ナノグレイ/hに相当する。(1nGy/h(ナノグレイ/時) = 0.0008μSv/h (マイクロシーベルト/時)で換算。これは一般の値が30~40ナノグレイ/hだから、5万倍にも達している。常識的には大量の放射能放出が起きたとみるべきだろう。
そして次の記事。 福島1号機配管 地震で亀裂の可能性
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011121590070039.html
2011年12月15日 07時00分の東京新聞だ。記事本文は上記アドレスを参照。
1号機は急激に炉内の圧力を失っていたことは、チャートの記録でもはっきりしている。特にIC(アイソレーション・コンデンサ本当の訳は「隔離時復水器」)の作動直後に圧力が急降下している。15時3分、ICは手動で止められた。その原因は「急激な温度低下」つまり冷却しすぎだという。同時に圧力も降下している。
これは原子炉から冷却材が蒸気となって漏れ出ていると考えれば説明が付く。
最初の放射能放出について、解析では圧力容器損傷は地震後15時間と解析している。すなわち翌朝午前5時以降となる。
原子炉圧力が急降下してほとんど圧力が無くなるのも翌日になってからだ。 タービン建屋に流れ込んだ放射能は希ガスと思われる。
このように原発は地震で破壊された。Ss(基準地震動)の1.1倍程度で全電源設備と圧力バウンダリを損傷したのが、福島第一原発だった。だからこそ一番最初に、どうして炉心崩壊までに至ったのかを分析しなければならない。
少なくても原発の耐震性は、想定の誤りにより全機無効になったことを認めなければならない。
★2.25年目のチェルノブイリ、ベラルーシ、ウクライナ訪問の報告を聞いて
学校に食品放射能測定器が置いてある。博物館のこと、除染と農業
内海洋子
イ.平林祐子(都留文科大学)さんの私的な報告ですよ、と前置きされた報告、聞いている私達にとって、適切な時期に話が聞けることは大事だと思いました。なぜか。今、私個人が、福島に面していないところに立っている。このような状況で福島を思う時の手がかり(具体的な)になる、と思う。
ロ.福島大学の副学長が呼びかけ、福島県の行政関係者が復興に向けて学ぶために行かれた意味がとても大きいと思う。それと、福島自身が立ち上がるのが、希望が持てるし、望ましいあり様だと。まわりの国、他県が呼応し、今後の復興を、政争の道具にしないで日本の未来へ何を残していくためにどう今を生きるのかのために。役立てるために。
ハ.チェルノブイリ原発事故の教訓
◯学校に食品放射能測定器がある。学校での給食、村、町での個人家庭の食物の放射能測定も無料で簡単に使用できるように、常時、専門の知識を持った、この場合、女の人(かっぷくのよいおばさん)が配備されている。大きな子供達も、小さな子供達も測って食べられるもの、食べてはいけないものということがわかる。そのように放射能が教育されている。大事なことが大事に教育されていて《生きる教育》をかいまみた。
◯博物館:原発事故の廃炉にするために、犠牲になった原発労働の亡くなったたくさんの人々の写真、甲状腺がん・白血病等の赤ちゃんや子供達の写真などがしっかりと堂々と一堂の中心に面しているようにみえました。
いたましいけど隠さないでしっかりとそこから学ぼう、という意志が見えます。何を大事にしているのかがよくわかる。
◯汚染状況と避難・移住:25年後だからこそわかることもあるのだと思いました。
◯除染と農業:除染も簡単ではない。学んでいく必要がある。今後のこともあり、結論を急ぐことではないと。
◯リスク・管理:原発の事故の全て、で、私が明日、あさって、まだ見えない未来へ残してはいけないとわかりました。さて。平林祐子さん、ありがとう。
★3.<テント日誌 12/14(水)>
とりどりの右翼、テントに大挙押しかけたが……
― 経産省前テントひろば 95日目 ―
12月14日(水) 雨のち晴れ。明け方3時不寝番に就いた。前夜来の雨が続いている。体感温度は零度に近い。そこでホカロンを背中に3枚貼った。靴専用のヤツで両足も暖かい。おまけに伊達判決を生かす会の吉沢さんや、塩川さんから差し入れて頂いたカセット型のストーブが2台ある。これで越冬の準備も磐石というわけだ。
朝10時半ごろ、日の丸を持った人影が外務省前にチラチラ見える。今日は従軍慰安婦問題で外務省を「人間の鎖」で包囲する、「韓国水曜デモ1000回アクション」が予定されている。在特会など、各自日の丸持参の差別排外右翼(市民運動と自称)が約300、戦闘服だのナッパ服だの街宣右翼が6-7台4-50人が大音量の凶器で襲い掛かる。全ての街宣がガナルので何を言ってるかわからない。差別と蔑視の汚い言葉が吐き出されるのみだ。天気も悪く、準備不足も伝えられたので心配したのだがふたを開ければその心配も杞憂に終わり、人間の鎖は大成功だった。テントは外務省の斜め向かい、予想していたことだが、右翼の次のターゲットはテントひろばだ。人間の鎖が成功したのでその鬱憤晴らしも兼ねているようだ。テントに突っかかる街宣右翼の動きがこの数週間は収まっていたが「慰安婦問題」に刺激されてのテント襲来という図だ。まあ、長続きはしないだろう。
1時間半ぐらいの来寇の間、彼らをゆっくり観察する機会を得た。
イ.おおむねは、ののしり挑発に終始するヤツ
ロ.原発問題だけならともかく、テントを政治問題の出撃拠点にしている(リーダー格の男)と批難し、テント参加者の分断を図る姿勢を見せたのが目新しかった。
ハ.街宣右翼が差別排外市民右翼に「お前ら、薄汚い連中は早く帰れ、帰れ」と罵っていた。両者に連帯感は全く無い。(職場を邪魔された怒りなのか) というようなわけで、テントの夜の話題の一つとして、(彼らは寂しい人間なんだ)という結論になったような、ならないような。(T・E)
★4.メルマガ読者から講演会・集会などのお知らせ
◎12月23日(金)泊原発さようなら! クリスマスデモ in札幌
集合場所:大通西一丁目テレビ塔下の公園内 1時集合 1時半出発
鳴りもの、楽器OK。
本物のサンタクロースが来てくれ、子供にはプレゼントもあります。
100円ショップのサンタ帽子かぶったり、サンタファッションで 来てくれる人も歓迎!
楽しく歩いて泊原発を止めよう!
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[編集部より]
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