孫崎享氏のTwitterより“金正日総書記死去/日本の首相の回転/F35は欠陥品/碁と戦略論/ TPP、USTR代表補-全品目を交渉のテーブルに”など
- 2011年 12月 20日
- 時代をみる
- 孫崎享
金正日総書記死去
北朝鮮:19日朝日「北朝鮮の金正日総書記死去」。大変だ。北朝鮮後継者固め必ずしも完全に実施されていない。ここ1,2年金正日の健康が持ち直し、後継者(金正恩が内定。党中央軍事委員会副委員長に就任)への移行速度が鈍化したと観測されていた。政権移行期は国内、国外混乱の可能性で要注意
北朝鮮:後継政権維持のためには中国の支援不可欠。中国の人民網等「北朝鮮の党中央委、中央軍事委、国防委、最高人民会議常任委、内閣は合同で”党員・人民軍・国民に告る書”を発表し団結を保ち、金正恩の指導に忠誠を要求」と報道しており、現段階では金正恩体制を支持。反対派も今すぐは動けない
北朝鮮:一九日露イズベスチア「問題継続」「平壌は平静。特別のパトロール強化無し。金正恩はベルン国際学校で教育を受けたが西側の影響を過大評価すべきでない.当面、集団指導体制か。問題は金正恩の経験不足。露中日の近隣国は慎重に対応すべし。韓国、金日成死去時刺激の過ち。なければ対話も可」
北朝鮮:19日露RU紙:北朝鮮今後不透明の時期へ。金正恩は全権把握の準備無し。専門家は二つのシナリオ、一つは経済環境の悪化を背景に党・軍のグループ内の抗争で不安定化。今一つは死者の家族を中心に団結。ミハイル(専門家)は予測困難と指摘。金日成死去の時と異なり金正恩への権力移譲はこれから。仮に諸グループは金正恩を指導者においても、その下で抗争。対外的には明年は金日成百周年。これを記念して核実験や大規模挑発が起こる可能性があった。北朝鮮は今後3年の喪に服す。その点死は+だったかも知れない。内部闘争が当面の課題であり、本格的な強力な対外政策は難しいか
12月19/20日
日本の首相の回転
日米:米国の工作・圧力が成功するものですから、日本の首相の回転が速いのです。しばらくほっておいてくれませんか。鳩山、福田は米国が潰した。安倍はびびった。19日読売「米上院歳出委員長、玄葉外相に”首相6人目だ”」
12月19日
中東の混乱と石油利権
今日、石油開発では産油国の取り分多く、西側企業の取り分小。この中、西側石油会社は恒常的な生産ができないと赤字。よってイラク戦争時も米国石油会社は戦争には反対。ブッシュ政権発足時、中東石油への依存減らす方針。石油資本が戦争を仕掛けているというのは昔の話。
12月19日
F35は欠陥品
19日毎日社説(次期戦闘機):賛成。欠陥品と解った段階で購入決定方針出すとはどうかしてる。毎日社説「次期戦闘機 疑問多い”開発途上”機、F35は金属疲労試験で機体に亀裂、開発遅れ気味。豪等開発遅れでFA18に変更する動き。将来的に約40機配備計画で、1兆円規模の高価な買い物」
12月19日
普天間
日本の政治家、どれだけ嘘重ねればいいのか。責任感ない。自分の在任中いじめられなければいい。辺野古移転は出来ない。何故出来ないといい、新たな道を模索しないのか。18日東京「玄葉外相二十日クリントンと会談。日米合意に基づく米軍普天間飛行場の辺野古移設を着実に進める方針を確認」
12月18日
米国次期大統領
英国賭け屋は圧倒的に高い数字でオバマ。一例オバマー8/11、ロムニー2,ギングリッチー13/2、ポール14.私は賭屋の理性を信じます。ということは現段階はオバマ有利。しかし前回大統領選挙も掛け率は常に変化
12月18日
イラク戦争と産軍複合体、イスラエル
「米軍のイラク駐留終わる…最後の部隊が出国」、約4500名の米軍兵士が死に、イラク人一〇万死に(17日AP)更なる駐留を拒否されたこの戦争は何だったか。開始当時から大量破壊兵器保持、アルカイダとの結び付きは疑問。私は産軍複合体、イスラエル要因を指摘。これら今日も強力
12月18日
オキュパイ・ウォールストリート運動
米国若者の雇用不安等を背景に発生。アラブの春と類似性注目される。米国全土に拡散。一時当局黙認。今排除に動く。USATODAY「全土で351の召喚状。182件は解散に合意。139は裁判に。判事は30の逮捕状発出.実施は明年」
12月18日
最も命を狙われた男
16日読売「カストロが、最も命を狙われた男でギネスブックに掲載」「暗殺未遂は計638回。CIAによるもの大半で、葉巻に毒物を混ぜたり、野球のボールに爆発物を仕込んだりなど、様々な手法」、日本の政治家は対象になったことあるか、読売さん教えて下さい。
12月17日
17日読売社説批判
目を疑った。この新聞はある意味偉い。常に庶民を敵にする社説を堂々と書く。問題はこの新聞を喜々として買う庶民の庶民感覚が問われる。「社会保障改革案 負担増求める施策を避けるな」「国民に負担増や給付減を求める改革を軒並み見送ることで、改革は前進するだろうか」
12月17日
小松基地再開
小松基地再開(F15タンク落下事故後):読売:「今頃何しに来た」に一川防衛相「君は誰だ」。小松弁で言えば「今頃何しにござしたがやね」「あんただれやんね」位になるのだが、とげとげしいやりとりだったのか。こう見ると方言ていうのは、標準語より優しい。私は小松市出身です。
12月17日
碁と戦略論
戦略関連の人に囲碁プレーヤーが多い。「ゲームの理論」で最も重要なのは「ナッシュの均衡」。この論の創設者ジョン・ナッシュは碁プレーヤー。アインシュタイン、ビル・ゲーツ、第二次大戦ドイツの暗号解読に成功して第二次大戦を左右し、現代コンピュータ科学の父と言われるチューリングも碁プレーヤー。囲碁に、中国の古典に「囲碁十訣」(唐代・王積薪の作)。これが見事に戦略論の基本。貧不得勝(むさぼれば、勝ちを得ず)、入界緩宜(界-相手の勢力圏―に入っては、穏やかなるべし)、攻彼顧我(彼を攻めるに、我を顧みよ)、棄子争先(子-少数の石―を棄てて、先を争え)、捨小就大(小を捨てて、大に就け)、逢危須棄(危うきに逢えば、すべからく棄てるべし)慎勿軽速(慎みて軽速なるなかれ)、動須相応(動けば、すべからく相応ずべし)、彼強自保(彼強ければ、自ら保て)。」
12月17日
新書(講談社現代新書)
昨日編集者と打ち合わせ。4月刊行予定。編集者のメール「”日本人よ、現実をまず見よ”、 いままでの本からさらに広がりのある インパクトのある本だと思います」中国の台頭、これにあわせ米国の東アジア戦略の変化、では日本はどうするか、これまでの発表を総括し執筆
12月17日
TPP
今日本に求められているのはTPPの実態を示し真摯な議論をすること。政府はこれまで実態をほとんど説明出来ない。「必要だ必要だ」「交渉に入らなければ解らない」というだけ。この中プロパガンダ、欺瞞だけは一生懸命。16日読売「TPPの国民向け説明会を全国開催へ」
12月17日
イラクは独立、日本はそのまま
イラク:パネッタ米国防長官は誰からの独立とは言わなかったが、はい、イラクは米軍撤退で米国からの独立を得たのです。日本は占領軍は継続してそのまま今日までいるけれど。16日読売「バグダッド米駐留部隊の解散式で、パネッタ米国防長官は”イラクは自由と独立を獲得した”と演説した」
12月16日
何故急に「環境評価」を言い出したか
普天間:皆さん疑問でないですか。何故急に野田首相が「環境評価を12月中に実施する」と言い出したか。勿論米国要因ですが、ある程度類推用の資料出ました。16日JT・JOHNSTON「東アジア担当シーファー国防次官補は火曜日訪米中の石原自民党幹事長に、もし12月一杯に環境評価が出れば、米国下院はグアム移転経費の一部を承認するかも知れない」。そうなんです。米国議会対策のために要請があったのです。誰が考えても防衛大臣非難の中、実施すればかえって悪影響とわかるのに野田首相が頑張った理由はシーファー国防次官補の要請です(当然政府にも要請)謎解きでした
12月16日
イラク、米軍不在で死者減る
16日読売社説批判:イラク情勢「米軍撤退はテロ組織を勢いづかせ治安悪化招く恐れ」。日本の新聞「米軍が不在になるとイラクの安定が無くなる」と主張。実態どうか。新聞社イラク市民死者の統計を勉強したらよい。米軍が活動時最も多い。米軍戦闘活動停止の08年から激減。米軍不在で死者減るのです
12月16日
日米(TPP等):歴史と今重なる。
今TPPで野田首相「守るべき者は守る。取るべきものは取る」といって具体的内容聞くと無い。「交渉に臨むので言えない」。方針は全くない。これでは結局米国の主張を丸呑みしかない。これは歴史的に日米関係のほぼ基本。昔も同じ話。1951年日米安全保障で行政協定(「日米地位協定」。在日米軍が如何なる条件で日本に留まり行動できるかを決めたもの)の成立について、“国会の議事録から拾うと中曽根議員の「一体行政協定の日本側原案の日米:大綱というものをここで総理大臣に示していただきたい」との質問に対して、首相吉田は次のように答えている。「お答えいたします。内容を示すわけにいかぬ」。“(引用)。米国に言われて鵜呑みしつつ常に国民には威圧的に臨んだ吉田首相。同じく言われて鵜呑みしつつ常に国民に詭弁を弄する野田首相。鵜呑みにするとどうなるか、現在有効の地位協定を一度見て下さい
12月16日
TPP、USTR代表補”全品目を交渉のテーブルに”
TPP:今更驚く事ではない。野田首相がオバマに実質言ったこと。しかし米国、原則論ストレートに投げてくる。TPP全品目、米国の言い分、全部丸呑みになるだろう。そういう首相、内閣、省庁しか、日本は今や持てなくなった。15日読売「USTR代表補”全品目を交渉のテーブルに”」。TPp
12月16日
F35、開発の制御不能になるかも知れない
次期戦闘機は今決定すべきでない。現状は欠陥品。日本F35の採用を、来週、安全保障会議を開いて正式に決定。しかし、米国では国防省、軍関係新聞で深刻な欠陥を指摘。疑惑中、何故今決める必要があるか。従米だけ貫けば良いというものでない。少なくとも米国内調査が明らかになるまで、一時決定を留保すべし。世界中の笑いものだ。14日星条旗新聞「更にF35の問題が明らかに」「11月29日の報告書は技術的、性能上の警告発出。重要な電気系統に深刻な欠陥。専門家は問題点集めると開発の制御不能になるかも知れないと指摘。米国と英国のテスト者達のチームは戦闘行動の全てに影響与える不十分な開発を指摘。高速飛行時揺れ、破損につながる危険。更なる開発コスト高。報告書著者達はこの飛行機の調達は非常にゆっくりと進めるべきと進言。テストで問題点解明せざるを得ず、2―3年要す」防衛省の幹部、欠陥品買う交渉進めてて責任感じないのか。
12月15日
孫崎享氏のツイットhttp://twitter.com/magosaki_ukeru
を許可を得て転載。孫崎享氏は元外交官・元防衛大学校
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1747:111220〕
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