小出先生、「工程表、つくること自体が馬鹿げている…」
- 2011年 12月 24日
- 交流の広場
- 原発小出裕章松元保昭
みなさまへ 松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」12月21日と22日分の転送です。22日には、放射能除染についての専門家、神戸大の山内知也先生のお話がありましたので、いっしょに紹介させていただきます。
小出先生、メルトダウンした核燃料が元のウラン元素に戻るのに100万年かかり、事故収束にはほど遠い現状なのに、「工程表をつくること自体が馬鹿げている」と語っています。
また、除染については「本当は避難させなければならず」、小出先生、山内先生とも、「除染に効果はなく、住民を汚染地区にしばりつけることになる」と、政府の方策を批判しています。
●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。
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=====21日のお話=====
永岡です、毎日放送ラジオの「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞専門編集委員の近藤勝重さんの案内で放送されました。
原発のニュース、政府と東電は中長期の工程表を完了し、今ない技術を作りつつ40年後までに廃炉にすると言うのです。3つの期間で、2年以内に燃料取出し、10年でメルトダウンした燃料を取りだし(水中で行う)、30年で廃炉、しかし、汚染水の排除が大変で、ロボットを作るのですが、今具体的な方法は不明、かかる費用も不明です。
山本太郎さんが原発の是非を問う住民投票条例の制定に向けて、大阪で演説されました。みんなで決めよう原発国民投票が動き、また被災地の瓦礫受入れに反対する市民も市役所で行動です。
そして、小出先生のお話、リスナーの時事川柳「方法がわからないのに 工程表」と読み、「全く分からない、意味がない、方
法もないのに工程表は出来ず、事故の収束の宣伝で、ばかげている」と言うのです。
リスナーから、永遠に廃炉にかかるのではないかについて、小出先生の生きているうちに終わらない、リスナーの大半も生きていないのです。
10年以内に融けた燃料を取り出すのに、どこにあるのか不明で、何年かかけて少しずつ調べるしかないが、それも出来るか分からない、人類が直面したことのない、どうやるか分からない、10年なのか30年か不明、「工程表を作るのがばかげている」のです。
政府と東電は水棺をあきらめておらず、水棺が出来ないと融けた燃料を取り出せないのです。しかし水棺は無理と小出先生言われて出来なかった、のに、2015年から、格納容器の下を補修して水棺にすると言っており、下に穴が開いている可能性が高く、それを直すには大変な被曝になり、人間は近づけない、ロボットでは補修できない、やったことがないのです。
冷温停止「状態」について、出来ないことは言っていた、政府も東電も知っている、それでも、事故が収束できると言いたいために冷温停止をひっこめられず、「状態」と付け加えた、「話にならない人たち」なのです。
野田総理、事故そのものが収束したといい、放射能は止まっていると言うのですが、今も漏れている、3/11からの大量と比べて減っているものの、融けた燃料は不明、4号機の使用済み燃料プールはいつ潰れるか不明、「つぶれたらおしまいで収束などあり得ない」のです。
近藤さん、安全になるまで100万年かかると質問され、融けた燃料の回収は出来るか不明、この燃料が地下にあったウランのレベルに減るのに100万年隔離が必要で、石棺で封じ込めるのは不可能、人類の時間感覚の外なのです。
大阪での瓦礫引き受け、橋下氏は安全なら受け入れるが、海への埋め立てがあり、細野氏、今の安全基準は陸に埋め立てることと言うのですが、陸と海の埋め立ての違い、大した変りはなく、「埋めてはいけない」、放射能を処分場に埋めてはいけない、国は各自治体に燃やして埋めろと言うものの、焼却炉で燃やすと放射能が拡散し、埋めたら取り返しはつかない、小出先生は日本の国の指示に反対、しかし、震災瓦礫を放置できず、子供たちを被曝から守りたい、福島の子供も守りたい。瓦礫を放置したら福島の子供が被曝する、福島現地に専用の焼却施設を作るのが早急で、それでは間に合わず、各自治体で引き受けて、トータルの被曝を減らすにはそれしかない、焼却施設に放射能を捕捉できるフィルターを付けて焼くべき、焼却灰は埋めず、東電の原子炉の中のものであり、東電の所有物で、東電に帰すべき、東電の石棺、地下の遮水壁のコンクリートに使って原発に持ち帰ればいいのです。
今日も貴重なお話が聞けました。
=====22日のお話=====
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の藤田悟さんの案内で放送されました。今日は、神戸大の放射能の専門家、山内知也さんもスタジオで加わられました。
原発のニュース、東電は経営悪化により電気料金の値上げで、西澤社長は企業向けを値上げし、来年4月より2割値上げします。50kw以上のところは値上げに政府の認可は不要だからです。しかし、会社の経費削減はやっていません。
原子力損害賠償機構、西澤社長以下辞任し経営陣刷新で、収支改善の見通しがなく、国有化になり、東電は値上げで打開したいと言うことなのです。
九電のやらせメール問題、枝野氏より要請された文書の提出を拒否、古川知事の発言の問題について明言を避け、最終報告書の訂正のつもりはない、発端は九電社員のメールとしています。郷原氏、第3者委員会の提言を無視しているとしています。
事故から9か月、食品の放射能セシウムの規制値が改められ、来年4月より、一般食品では1/5の1ミリシーベルト、100ベクレルとしています。乳児用食品の規制も導入です。
そして、小出先生のお話、環境省が、東北の市町村で汚染状況重点調査地点として、国から財政支援があり、年間1ミリシーベルト以上のところで、「ばかげている」、もともと1ミリ以上の被曝はしてはしてもさせてもいけないのが日本の法律、そこに人を放置して、そういうところから避難させないといけないのに、逃げる人は勝手に逃げろとして、除染をするとして、住まわせるのに除染はいるものの効果なし、「自分たちの責任逃れをやっている」というコメントでした。本当は避難させないといけないのに、除染したら大丈夫と言うのはおかしいのです。
同席した山内さん、除染は厳しい、0.23という数字、航空機からのもので、現地は雨も降り、セシウムの分布は変わり、街中に濃淡があり、除染するにも、どこをするべきか計測しないといけない、そうはなっていない、住民をその土地に縛り付けているというコメントでした。
国は、ホットスポットのあるところは除外しているのです。小出先生、笑われて、山内さんの方が詳しいが、何より国はこういう事態を引き起こした自覚をすべき、責任を放棄して、手当てしているからいいということで不快なのです。
山内さん、風評被害が起こると辞退した自治体もあるが、風評ではない、新聞にも公表された客観的な値で、受けない自治体に指導して、0.23以下でもホットスポットがあり、検出器を貸与しないといけない、国が原発の安全管理に失敗し、自治体に何もできなく、住民がいがみ合う、国の責任なのです。
政府は、4月1日に警戒区域を解除して再編成し、20ミリシーベルト未満は帰れるとして、小出先生笑われて、普通の人は年1ミリしか被曝してはいけない、特殊な人間のみ20ミリまで我慢しろと言うのに、普通の人、子供も含めて我慢しろと言うなら、国会議員がそこへ行くべきなのです。
細野氏、100ミリシーベルト未満は大丈夫と新聞に言っており、小出先生、学問的にはあきれ果てるしかない、疫学的に証明できるレベルがあるものの、生物物理学的に放射能はどんなに微量でも危険、安全ならその人が家族、子供も一緒にそこで住むべきなのです。
山内さん、20ミリは高すぎる、ウクライナでは5ミリ基準、子供にはもっと低くしている、こんな国はほかにないのです。原発担当大臣の認識が間違い、周辺の学者がそう教えているのです。
小出先生の参加はここまででした、これを、お伝えいたしました。なお、たね蒔きジャーナルは年内は12月29日まで夜9時から、30日は特番、年明けは2日からです。
=====神戸大学、山内知也さんのお話=====
永岡です、たね蒔きジャーナル、続いて、放射能の専門家、神戸大学の山内知也さんのお話がありました。小出先生との意見交換もあり、山内さんは、国の除染は効果なしと言っておられます。
山内さん、現地で調査されて、9月にもこの番組に出て、福島・渡利地区で除染しても線量は下がらない、特定避難緩衝区域に指定されていなくても、2.95マイクロシーベルト/時間でも、3にならないので避難緩衝区域にならない、4歳の子供がいるところでも、なのです。すぐに出るべきで、高すぎる、裏山の雨のたびに水路があふれて、山のセシウムが水で家に入ってくる、市にこの水路対策を求めても、やらないのです。除染しても、次々入ってくる、屋根を洗っても、線量は下がらない、日本の山沿いはそうなのです。
除染の前に、水の入らない境界を作らないといけない、山、屋根からセシウムが来て、土を入れ替えても、時間がたつと線量が上がるのです。リスナーより、高圧洗浄機について質問があり、山内さん、効果なしとのことで、高圧洗浄機で洗っても落ちなかった、1日8時間、たたみ1畳洗っても落ちたが、それを葺き替えるしかないのです。
渡利地区の人は除染無駄と6,7月に気付き、幼稚園の先生は庭の土を入れ替えても、園舎の線量が下がらず、天井の近くほど高い、屋根を葺き替える見積もりを取っても、やってくれず、別の場所に行ったのです。
建物なら、屋根を張り替えないとダメ、汚染水が流れてしまう、ソーラーパネルを付けて、福島、二本松に住み続けるなら、ソーラーパネルの町にしたらいい、それしか町の再生の道はないのです。藤田さん、こういう前向きの発想ならいいが、政府は除染としか言わない、まやかしと言うことです。
野田総理、大波地区、米からセシウムが出たところを見て線量を見て除染できると言ったものの、家の中の線量が高い、屋根の方が高い、屋根を変えないとダメ、庭木をすべて切り、畑を持っており、取った土はそこに置けたものの、置く場所のないところがあり、仮置き場、中間処分場なしで、ごみの持っていき場がないのに原発をやっていたのと同じことの、セシウム版なのです。
除染すると信じて、2~4年住み続けて、放射線の高いところにいる、除染させてくれと福島はいい、しかし除染しないのです。
国の言う除染は根底が間違っており、除染と言う言葉の使い方が間違っており、元に戻るのではなく、「除染作業」を行う、効果のないことをやる、それと除染を区別しないといけないのです。しても、効果はないのです。屋根は張り替え、コンクリートの建物は上が高く、古いコンクリートはセシウムをよく吸収するのです。
町をいったん壊して作り替えるくらいでないと、事故前の線量にならないのです。庭の土、芝生もダメ、道路、側溝、日本全国で不必要な道路工事の予算を福島でやればいいのです。
藤田さん、取り除いた土の行き場がなく、除染を信じて住み続ける、外へ出してもらえない、危険なところに住み続けろと言うことで、大臣は100ミリまで責任を負わないと言って、除染して下がったとされるのです。
国がしないといけないのは、100ミリ以下云々は乱暴、個人差、個体差が大きく、50代は感受性が低いが子供は違う、それが世界の常識なのに、それを100、20というのはおかしいのです。
子供たちは線量の低いところに避難させるべきで、渡利土ポカポカプロジェクト、福島で線量の低いところが車で30分のところにあり、そこに渡利の子供たちと両親を過ごしてもらう、2年経てばセシウム134は半分になり、もっといい除染の方法も見えてくるので、負担にならないように、避難する、山内さん賛同して呼びかけ人になり、経費は行政と交渉したらいい、弁護士さんもいいと言っているのです。
線量の高いところは出て、別のところで暮らすべきなのです。
専門家が国の除染について言わず、山内さんのようなことを誰も言わないのか、現地に行く先生も少なく、国立の研究所の人は発言できない、東大の先生は発言できない、線量で論議してはいけない、子供はゼロにすべきなのです。現実は、除染に何兆円として、地元の帰る人と相談して、若い世代、別のところで生活したいと言っており、国は20年待てと言う、除染するから帰れというのはおかしい、別の場所を探すべきなのです。
山内先生の、貴重なお話を聞けました。藤田さん、除染と使うと放射能がなくなり安全と思うが、それが誤解と、ショックであったと言われました。子供の安全を最優先にせよとのコメントがあり、責任逃れで、千葉さん、国は国民のことを考えろということでした。これを、お伝えいたしました。
なお、先週の山本太郎さんのお話で、デモ逮捕者の実名が報じられたか、これは毎日新聞も報じていたというニュースもありました。
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