「原子力帝国の利権構造を壊し、第二の大惨事を起こさないうちに原発の即時廃止を!」など―地震と原発事故情報 その284
- 2012年 1月 3日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故
4つの情報をお知らせします(1月3日)
12月25日、九州電力玄海4号機が定期検査で停止、
日本の稼働している原発は6基、全原発停止へあと一歩
★1.2012年へのメッセージ
原子力帝国の利権構造を壊し、
第二の大惨事を起こさないうちに原発の即時廃止を!
★2.「山谷支援ありがとうございました」
★3.テント日誌より
イ.<テント日誌 12/27(火)>
テントに年賀状到着
テント談話室『語り合おう再生可能文化』第1回盛況のうちに
―― 経産省前テントひろば 108日目 ――
ロ.<テント日誌 12/29(木)>
“脱原発門松”が構え、新年への決意を示す
―― 経産省前テントひろば 110日目 ――
★4.槌田博さんの講演会『放射能と食の安全について』参加報告
明治の粉ミルクのセシウム汚染は空気汚染のせいでした。
★1.2012年へのメッセージ
原子力帝国の利権構造を壊し、
第二の大惨事を起こさないうちに原発の即時廃止を!
柳田 真
1.福島原発事故は予見されていた。
心ある人々が何年も前から、原発の根本問題(放射能汚染)と利益優先の電力会社運営の危うさに警鐘を鳴らし、加えて地震大国日本の原発の大危険性を訴え続けてきた。
2.事故は現在の日本社会の姿を映し、今後の在り方を問うた。どういう社会を目指し、どう生きるかと。
3.自らと子供たちを「放射能と汚染食物から守る」ために、たくさんの市民が立ち上がった。
3.11以前には「東京で20人のデモ」だったが今では万人を超す。大小たくさんの学習会が開かれ、多くの人が立ち上がった。25年間少数の支持者の共に孤立無援の苦闘をしてきた者にとってこれは画期的なことだ。これらの市民の立ち上がりの中に「未来の希望」を見る。この力をみんなで3~4倍に大きくできれば、原子力帝国の利権構造を壊せる。第二の大惨事を起こさないうちに原発を廃止出来る。
4.21世紀を責任ある大人として生き抜きたい。みなさんと共に全力で考え、行動したい。
★2.「山谷支援ありがとうございました」
たんぽぽ舎から皆様へ
「山谷労働者越冬支援・年末助け合い物資カンパ」ご協力ありがとうございました。今年で30回目になる年末助け合い運動も全国の皆様のご協力のおかげで、山谷労働者の皆さんに物資とカンパ金をお届けできることになりました。この場を借りてお礼申し上げます。
今年は福島第一原発の事故対応により、たんぽぽ舎においても連日、会議が行われたり、問い合わせ電話に追われる中で、物資の置き場がないなどの問題を抱え、実施も危ぶまれた中での期間を短縮しての取り組みとなりました。物資受け入れ作業を手伝っていただいた皆さんのご尽力でスムーズに荷物の整理が出来、三度の搬送作業を終えることが出来ました。
本日、28日、山谷労働福祉会館における「越冬支援集会」にボランテア活動に協力して頂いた皆さんとご挨拶に行く予定となっております。日雇い労働者が置かれている厳しい状況をお伺いすることになると思いますが、皆様から送られた支援が命を救う活動に役立てられていることを報告できるかと思います。
今回、福島の方から新品の靴が数え切れないほど「経産省前テントひろば」を通じて届いたり、お米券やテレカがお手紙に添えられて同封されておりました。テレカについては一日一日の契約補償しかない労働者にとって、次の仕事を探す上で大変貴重なものとなります。また、毎年茨城で手作りで野菜を作っているグループの皆さんから、カブ、ダイコン、ネギが届けられました。皆様からのお米とともに29日から始まる「共同炊事」-越冬支援炊き出しに使っていただくことになります。
社民党ー福島みずほ事務所より急遽連絡があり、物資受入日を延長しての取り組みとなりましたが受け入れ荷物170個、カンパ金64万円になりました。カンパ金を送って頂いた皆様へは「山谷労働福祉会館運営委員会」より領収書をお届けする予定になっております。年明けになりますが、受け渡しの確認とさせていただきます。
2012年は、福島原発事故の一刻も早い収束と、被曝労働の根絶のためにも「原発いらない」の声を皆さんと共に大きくしていく年になることを心に期し、ご報告に変えさせていただきます。
2011年12月28日
たんぽぽ舎「運営委員会」・ボランテア一同
★3.テント日誌より
イ.<テント日誌 12/27(火)>
テントに年賀状到着
テント談話室『語り合おう再生可能文化』第1回盛況のうちに
―― 経産省前テントひろば 108日目 ――
テント前広場に早々と年賀状を届けていただいた人がいました。紙面をかりてお礼を申し上げる次第ですが、年賀状をお寄せいただく方は下記のところにお願いします。〒100-0013東京都千代田区霞ケ関1-3-1経産省前テント広場です。
12月28日派御用納めですが、このテント前広場は1月3日まで特別態勢に入ります。テント前広場はいつものように24時間態勢で維持されます。今年は帰省や温泉行きなどを変更してテントで年末を過ごす決意をした人もいます。時間のある人はテント前広場に参じて欲しいですね。
また、何かの企画を持ち込んでやってもらいたいのですが、年賀状などいただければ嬉しいですね。テントにも張り出して年賀の風景を飾りたいと思っています。来年の春になると原発は全部止まります。現在稼働しているのは6基ですが春ころには止まるはずです。そして再稼働の動きが出てきます。再稼働を許さな決意やみなさんの周辺の動きを伝えていただければ励みになると思います。年賀状等で全国的交流をいたしましよう。
テントに岩波書店でチエルノブイリで起こったことについての本の翻訳を進めている女性5人のグループが訪れました。以前にイギリス在住の女性が訪問された折にチエルノブイリ事故で乳がんになってイギリスまで手術を受けにきた女性のことを話されました。日誌で紹介したのですが僕らはチエルノブイリ事故について、そこで起こったことについてほとんど知らないのが実際です。ですから本として刊行を期待したいところ大です。彼女たちは15時から開かれていた『テント談話室 放射能と月と再生 語り合おう再生可能文化』に参加された。
上記のテント談話室は作家でルポライターであり『脱原発・再生文化論』の著者である川元祥一さんが主催するものでその第1回目でした。今回は「半減期」に学ぶこととしてなされました。
川元さんは原発事故で拡散する放射能については多くの専門知識は必要なく、生活者として放射能が再生不能のもので人の手で制御不能であることが確認すれば十分であるという観点から、放射能や環境破壊の心配のない再生可能文化を提起しています。3・11以降を生活者として生きる再生文化運動を提唱していますが、これは「自然と生命力」という人類の歴史から学び未来を生きようということであります。
今回は自然の生命力としての「半減期に学ぶこと」と題されたお話で、参加者も多数で盛会でした。再生という概念を物質的観点ではなく、自然と人間の関係の再生という視点を持つ川元さんの話は興味深いものです。みなさんとの討議《談話》として進めようと意図も良くわかります。今後も継続されるとのことですが、日程が決まればお知らせしたいと思います。
沖縄では政府の辺野古アセス評価書の提出に抗議する闘いが盛り上がりそれを押しとどめています。こちらでは防衛省や首相官邸にたいする抗議行動が「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」の主催で展開されています。この行動はアメリカに追随し、沖縄の人々の意志を無視する政府の暴挙に抗議するものです。テントに集う人達もこの行動に連帯しています。
(M/O)
ロ.<テント日誌 12/29(木)>
“脱原発門松”が構え、新年への決意を示す
―― 経産省前テントひろば 110日目 ――
12月29日(木) 晴れ。テントの入り口の両側に大きな門松が置いてある。昨夜、国立市の植木職人をしている若い女性が届けてくれたそうである。その時居合わせた人達は、見知らぬ若い女性が車をいきなり乗り付け運び出した時、大変驚き、そして大変喜んだそうである。“脱原発門松”は霞ヶ関を睨み付けるように立っている。
今夜は第1テントも第2テントも賑わっている。第1テント内には先日訪れてこられた千代田区労協からのカラフルなバナーが張られている。午後8時経産省の役人3人が、マスク姿にビデオカメラをもってテント近辺を徘徊する。公安かと見まがうようないでたちである。どうやら、テント内外に火気はないかと見ながら録画しているようである。撤去の口実を探り出そうとすることなのか。時々、夜8時きっかりに登場するとのことだ。
何人かが「人の顔を勝手にビデオに撮って、肖像権の侵害だ。取り消せ」と抗議すると、ほうほうのていで逃げ帰った。
椎名さんが帰ってきて、昨日(?)にあった、「3・11福島県民集会」の実行委員会の話を伺う。この集会が脱原発を柱とする“県民大会”として成功することを願いつつ、首都圏-全国から支援・連帯に駆けつけようと、ボルテージは上がる。
年末・年始、テントひろばでのイベントはめじろおしである。さしあたり、30・31の紹介を。
(Y・T)
★4.槌田博さんの講演会『放射能と食の安全について』参加報告
明治の粉ミルクのセシウム汚染は空気汚染のせいでした。
冨塚 元夫
12月22日(木)スペースたんぽぽ槌田博さんの講演会「『放射能と食の安全について』ヒバク=自然被曝+外部被曝+内部被曝」に参加しました。
1.チェルノブイリ爆発事故では事故から4年後の1990年から子どもの甲状腺癌が急増しています。広く知られている統計ではベラルーシ、ウクライナ、ロシアの順に人数が多いのですが、バラルーシがチェルノブイリの北に位置し、汚染が風によって主に北に広がったためです。
1992年以降は各年100人を超えています。その後減少に転じますが、患者が子どもでなく大人になったからこの統計から外れたためです。原発推進派も認める公式統計はこの甲状腺癌だけですが、甲状腺癌は1986年以前は100万人に一人という統計があり、隠しようがなかったためです。
その他の癌、病気も増えていますが、2倍・3倍という増え方のため、原発推進派は別の原因だと言っています。一般には十分な証拠がないとされています。(手間暇のかかる疫学調査を役人もIEAEもやろうとしないからと私は思います)
2.1ベクレルの放射能は、1秒間に1回放射線を出す。1ベクレルの放射能が出す放射線の数は、核種によって異なる。ヨウ素はα(アルファー)線とγ(ガンマ)線1本ずつですが、セシウム134はα線1本とγ線2本出します。1ベクレルの放射線が出す放射線の強さは核種によって異なる。
放射線の生物への影響の強さを示すのがシーベルトです。まず水にあたえるエネルギーをグレイという単位で表し、人に対する影響については、核種によって係数を変えて換算します。数字はあくまでも概算結果ですから、かなり怪しい数字で、信頼できるのは一桁です。つまり0.52ミリシーベルトと0.55ミリシーベルトの違いは実際はない(気にする必要ない)ということです。
3.低線量被曝の影響は直線しきい値なし(LNTモデル)が一般に認めれています。(ICRPも認めている)ICRP等の公式見解では100人が100ミリシーベルト(1万人が1ミリシーベルトでも同じ)浴びると1人癌になります。(その半数が死亡します。子どもは5人、Gofman氏によれば一般で4人、子供は20人です。)
自然被曝はこの世に生きるための重荷(負荷)で避けられません。外部と内部被曝はさらに重い荷物になりますから、おなじ負荷でも体力のない人がまず倒れるのです。
4.概算暗算の勧め---これば便利!
(1) 外部被曝空間線量の概算:Xマイクロシーベルト/時間->10ミリシーベルト/年。政府などはもっと低くなる換算をしますが(昼8時間以外は屋内にいるから低く計算しているが、そうでない人もいるので最大で計算すべき)
たんぽぽ舎4階は大体0.07マイクロシーベルト/時間ですから、年間にすると0.7ミリシーベルトになります。1ミリシーベルトまであと0.3ミリシーベルトしか残りありません。
(2) 内部被曝(放射線に汚染した食品)ベクレルとシーベルトの換算式(ICRP方式)の概算式:50ベクレル/kg->1マイクロシーベルト(汚染食品のベクレル数を50で割ればマイクロシーベルトの値が求まる。ICRP方式ではヨウ素とセシウムの経口摂取実効線量計数は約2×10のマイナス8乗シーベルト/ベクレル)1年に1000食として、年にすると1ミリシーベルト(365×3で1095ですが、あくまで概算ですから)。
例1)200ベクレル/kgの肉100gの場合50で割り、4マイクロシーベルト、さらに10で割り(100gだから)0.4マイクロシーベルト、したがって0.4ミリシーベルト/年
例2)100ベクレルのお米を一回に140g食べる場合、140を50で割り、0.28マイクロシーベルト、0.3ミリシーベルト/年。
野菜や水を加えると内部被曝だけですぐ1ミリシーベルトになります。気を付けましょう!
5.来年4月から暫定基準ではない食品の新基準案でる。
上記のように100ベクレル/kgに近いもの取り続ければ、0.3ミリシーベルト/年になります。飲料水は10ベクレル/kgですが、通常の短時間分析ではNDになります。膨大な数の飲料水(ジュース等含む)は測りきれません。さらに空気中の埃にあるセシウムは計算できません。明治の粉ミルクを見て下さい。空気のせいでした。東京も避難勧奨地域では?
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[編集部より]
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