セシウム降下物の状態 武田邦彦教授の報告
- 2012年 1月 9日
- 交流の広場
- セシウム降下物武田邦彦諸留能興
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昨年11月から福島市内および関東地域で急増している
セシウム放射線降下物の現状に関する
武田邦彦(中部大学大学教授)氏の情報サイトからの転送です。
詳細は以下のURLでご確認下さい。
http://takedanet.com/
——–以下転送————-
緊急速報 セシウム降下物とこれまでの状態と今日(2012年1月8日)
(音声を追加しました)
福島を中心にして急激に増えた放射性セシウムの降下量は少し落ち着いてきましたが、まだ安心できる状態ではありません。そこで、今後のこともあるので、過去のデータとの比較を行って、よく考えてみました。
まず、12月から新年までの平均値を調べてみると、11月は1日で12メガベクレル(1平方キロメートルあたり)、12月は33メガベクレル、そして1月5日までの平均が126メガベクレルと1日あたりの平均は11月から急激に上がっています。7月まで減少してきたセシウム降下量は8月から11月まではほとんど1日10メガベクレル程度でしたが、12月の後半から上がり始めています。
原発が安定し、3月と4月に福島に降ったセシウムが、道路にへばりつき、土の中に潜ったとされています。「除染しても効果が少ない。その理由はセシウムが少し潜り込んだからだ」と言われています。それなのに、このように急激に上昇しているので、警戒が必要です。
それでは12月の状態をグラフで見てみます。縦軸の単位が上手く入らず、単位は1日あたりのセシウム134と137の合計値(1平方キロメートルあたりのメガベクレル)です。また横軸は12月の日にちですが、32日目は1月1日、33日とは1月2日を示しています。上手くグラフの横軸が触れなかったのですが、情報開示が急がれるので、そのまま出しました。
このグラフを見れば、増えてきた12月といえども、暮れから正月にかけてのセシウム降下物は異常な状態であることが判ります。でも、昨日までは少しずつ減っていたので、このまま減っていって欲しいと思っていましたが、それほどは甘くありませんでした。いったん17まで下がったのに、また40ぐらいまであがったのです。
これは本日、発表されたセシウム降下量で、また少し上がっています。福島県が発表してくれているので良いのですが、文科省は1ヶ月後になりますから、被曝してからの発表となります。
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ところで、一番多かった1月2日の約500メガベクレルですが、これは5億ベクレルになります。一方、1平方キロメートルは100万平方メートルですから、一日で1平方メートルあたり500ベクレルのセシウムが蓄積していきます。
この程度なら一日で危険ということはありませんが、80日過ぎると、電離放射線障害防止規則第28条で決められているとおり、「危険だから東電が除染しなければならない」というレベルに達します。(法律の適応範囲は別にして、「実質的に危険な領域に達する」と言うことになります。
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私が警戒を呼びかけているのは、第一に放射性セシウムが空から降ってきているのですから、内部被曝をする可能性があるということ、第二に徐々に増えているので、このまま2月になってさらに増えたら危険になるので何らかの準備が必要だということ、そして第三にこの時期にセシウム降下量が増える原因が見あたらない(人為的なことは別にして)ということです。発表が2日遅れで「被曝してから知る」という時間的なことにも注意が必要で、そのために少し警戒しています。
判らないときには弱く警戒するというのがリスクを防ぐ王道ですから、慌てることなく、それでいて慎重に構えて1日10メガぐらいに下がるまで、暫く様子を見ましょう。なにしろ空気中をセシウムがうろうろしているのですから、子供さんの被曝に注意が必要です。
また、ものすごい量の放射性物質が原発の近くで出ているというデータ(下の地図で見にくいと思います)もあるので、心配されている方も多いのですが、少しデータがおかしいので、今、問い合わせています。あまりこのようなデータをそのまま受け取って心配する必要はありません。
(平成24年1月8日)
武田邦彦(中部大学) 引用はご自由にどうぞ
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