小出先生、「私は加害者になることが一番いや」
- 2012年 1月 13日
- 交流の広場
- 小出裕章松元保昭
みなさまへ 松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」1月11日、12日分の転送です。
これまでにも述べられたように、ストレステストは「安全確認の言い訳けをつくろうとしている以外ではない」。また、「ヨウ素剤は飲むタイミングが重要で今回のようにSPEEDI情報を隠すようでは配布しても意味がない」と語っています。
韓国の原子炉トラブルで日本人は被害者になることに最大の関心事があるようだが、もんじゅの例を引き「私は加害者になることが一番いやだ」と述べています。
●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。
http://hiroakikoide.wordpress.com/
=====11日のお話=====
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞専門編集委員の近藤勝重さんの案内で放送されました。
原発のニュース、九電のやらせメールの社長後任に、副社長昇格で、会長も更迭です。社長が退任後会長にならないのは初めてです。
そして、小出先生のお話、原子力安全基盤機構、法で定められているただ一つの機関であり、水野さんは厳しい機関と思うものの、実態は電力会社の原案を丸写しにして検査しているのです。これについて、小出先生笑われて、小出先生は定期検査を受ける側で、文科省の検査を受けるので基盤機構は関係ないのですが、検査の要領書は小出先生が作る(本当は正しくない)、京大原子炉実験所、廃液処理の細かいところは検査官は分からず、家の台所も外の人は知らない、細かいチェックは検査を受ける、機械を知り尽くしているものしか作れないのです。それを文科省と相談して検査するのです。
複雑な機械を取り扱うにはそうならざるを得ないが、「基盤機構はメーカーの人が職員になり、原子力村の人が働き、ナアナアになる」のです。電力会社のOBがたくさん入っているのです。仲間同士で検査するのは問題なのです。
水野さん、こういう体制は壊さないといけないと言われ、近藤さん、安全を確保するためにやるのに、それを原発を守りたいものがやることは問題、JR事故と同じで、日本は人間の命を軽く考えていると言われました。
原発の検査、配管の腐食などは目視検査、分解点検検査もある、たくさんの検査項目があるのです。あらゆる部分を検査できる「建前」なのですが、実際には見ていないところで事故が起こる、美浜3号機の2次系の配管が破裂して作業員が5人死んだ、これは検査していなかったところなのです。見落としているところがあり、そこで事故が起こるのです。
見落とすくらい複雑であり、検査を受けるときは安全を守るために小出先生やり、インチキをするわけはないのですが、考え付かないところでトラブルも起こるのです。
検査で、ストレステスト、EUで先に行っており、そのEUの人、ブルガリアの人が来て、ストレステストに評価基準はなく、それで安全にならないと言って、小出先生「その通り」、コンピューターのシミュレーションのみで、異常事態に耐えられるかシミュレーションであり、いい加減なテストだとアウトです。ストレステストには人的ミスは対象外で、3・11の前に福島のストレステストをしても問題は出てこなかったとブルガリアの人は言い、その通り、「ストレステストで実態を見ることは一切しない」のです。
これまで、日本の原発は国の指針に乗って安全のお墨付きをもらって来たのに、その福島で事故が起こり、今までの指針が意味なしになった、それで、ストレステストをするとして、しかしストレステストはコンピューターのシミュレーションで、想定したことしか出来ない、人為ミスは考慮できない、今までの安全審査と同じで、安全の言い訳のためにやっているのです。
今日は検査についてのお話をお伝えいたしました。
=====12日のお話====
永岡です、毎日放送ラジオのたね蒔きジャーナル、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の藤田悟さんの案内で放送されました。
原発関係のニュース、福島県が、1万人の母親に母乳の放射能検査をします。福島・宮城で母乳からセシウムが出ており、検査を希望する母親から提供を受けて民間で検査します。
福島県立医科大、放射線医師の育成のため、研修医の検診が行われています。9人の研修医が参加しています。
そして、小出先生のお話、安全委員会の被曝医療委員会、事故の際の周辺住民にヨウ素剤を配っておく提言をしており、5km以内に配るのですが、これを飲むと甲状腺がんを防げるが、飲むタイミングが大事で、事故が起きたことが分かり、放射能の飛んできた後はダメ、放射能の飛んでくるまでに飲むことが意味があり、今回の事故では、住民は放射能がいつ来るか分からず被曝、政府はSPEEDIで知っていたのに公表しなかった、今後も、対応しないと意味がないのです。安全委員会が決めても、今回の事故で住民を守らなかったものがなぜそんなことをする権限があるのか、なのです。
大変微妙なタイミングで、情報を通知しないとダメなのです。出来なかったのではなく、積極的にやらなかったのです。
韓国のウォルソン原発がトラブルで止まっており、韓国に原発が21基あり、事故になると当たり前で日本に影響がある、人の住めなくなるところもあり、今日小出先生のところに韓国のテレビ局の人が来てインタビューをして、その中で、韓国の人たちも、日本のもんじゅの事故で韓国に被害がどうなるか聞かれて、プルトニウム原子炉の事故で、東側から風が吹くと韓国にも影響があり、韓国の原発で事故+西風=日本に被害、なのです。
自分の被害が関心ですが、「自分が加害者になるのがいや」、日本の原発で他の国に迷惑をかけるのを避けたい、日本、韓国、中国すべて危険だが、日本の原子炉をどうするのか、考えるべきなのです。
子供に関するニュース、原発周囲のフランスの子供は、白血病の発病率が倍になると報じられ、「そういう研究は山ほどある」、今回はフランスだが、アメリカの周囲でもそういうデータがあり、イギリスのセラフィールド再処理工場の周りでも多い、本当に原子力施設からの被曝の影響からかは論議されているものの、データは蓄積されているのです。しかし、何の原因か、放射能被曝か、別の原因があるのか、「はっきりした原因は突き止められていない」のです。
全国の原発を監視するERSSに不具合、その原因が分かり、データのメモリ不足で止まったのですが、保安院は定期的にリセットすると言うものの、小出先生、まんがみたいであると語り、メモリはどれだけあるか分かっている、どれだけ要るか分かっているのに、運用上やるべきなのになされていないとは驚きなのです。
藤田さん、韓国のテレビ局の取材について、事故後の原発のことかと聞かれて、小出先生のところにたくさんの外国のメディアが来る、脱原発、推進の国も来るし、韓国は原子力で世界に出るところ、なぜ小出先生のところに来るのかは不明で、しかし答えられることは言っています。どういう思惑で韓国から来たのかは不明、韓国にも放射能は飛び、海にも流れている、そういうことを報道されるのかも知れないのです。
今日も、小出先生のお話をお届けしました。
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