小出先生、「20ミリは到底人が住めるところではない…」
- 2012年 1月 31日
- 交流の広場
- 原発小出裕章松元保昭
みなさまへ 松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」1月30日分の転送です。同日、関西テレビで報道された「核のゴミの特集」についても紹介されていますので、あわせてお届けいたします。
環境省の除染の行程表について、小出先生、セシウム半減期から物理的に半分近くになるので、「それは可能だ」が、「年20ミリシーベルトは到底人が住めるところではない」、「1ミリには到底できない。何百年もかかるでしょう。故郷は失われるのです」と語っています。
また、「だれも責任をとらないようにやってきたことが、今回の事故を招いた。」といいます。
●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。
http://hiroakikoide.wordpress.com/
=====小出先生、30日のお話=====
永岡です、毎日放送のたね蒔きジャーナル、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。
原発のニュース、福島で水漏れ、東電によると、6時20分に配管つなぎ目で30リットル水漏れで、水には放射能があり、冷え込みで凍結、水漏れが相次いでいるのです。
福島から転出した数は転入を3万人以上上回る転出超過で、43年ぶり、岩手、宮城も足すと4万人以上転出、西日本への転出で、関西では転入超過なのです。東京圏は転入超過なものの、一昨年より減っています。
そして、小出先生のお話、除染の指針があり、50ミリシーベルト/年以下を20ミリ以下にすると言うのですが、可能かについて、「可能である」、今の汚染はセシウムで、外部ではセシウム134が7割、半減期が2年で、6割くらいには物理的には減り、除染で半分にすることはできる。しかし、年間20ミリは特殊な放射線業務従事者の数値で、そこまで下げても住んで、子供たちを住まわせてはいけないのです。本来は1ミリ/年であり、「実現させてもダメなのに、どうして国が駄目と言わないのか」なのです。それに見合った工程表になっており、人が暮らしてOKではないのです。1ミリに減らすのは到底できない(何百年かかる)のです。
平野さん、国は戻すのではなく、別のところで住んでもらうべきと言い、小出先生も平野さんの言う通りと言い、「地域は家族」、集落であり、家族単位ではなく、集落単位で移住させないといけないのです。そうしても大変だが、なのです。
20ミリ以下なら住めると役所が言い、細野氏、原発担当で環境担当と矛盾しているのです。内閣参与の小佐古氏、被曝は怖くないと喧嘩してきたのに、年間20ミリのところに人を住まわせると国が言って参与を辞任し、20ミリシーベルトを子供に許す政治家がいるなら、その人がそこに住むべきなのです。
工程表が出来たらそれで終わり、しかし、飯館村は信用できないと独自の除染をしており、科学的には飯館村の方が正しいが、飯館村が1ミリ/年以下にはならないのです。
多くの人の人生が変わるのです。
政府の会議、議事録がなく、原子力災害関係、5月に議事録がないのが分かり、枝野氏、全面公開と言っていたのに作っていなかった、小出先生失笑され、録音をしていないわけはない、議事録は作ろうと思えばできるのに、議事録を作りたくない思惑がある。去年10月、小出先生は原子力学会の会長に呼ばれて、原因究明のために小出先生のお話を聞きたいと言うことで、チャタムハウスルール(証言する個人の名前を伏せて、不利益にならないようにすること)で聞きたいと言ったので、それだからダメ、個人が自分の責任をかけて発言しないとダメなのだと言い、誰も責任を取らない原子力、それが一切の根源であり、録音はあり、今からでも議事録は作るべきなのです。
今日も、小出先生のお話をお伝えいたしました。
=====行き場のない核のゴミ=====
永岡です、関西テレビのニュースアンカーで、核のゴミの特集がありました。
日本では98年に東海村の原子炉の廃炉作業を始めたものの、全く進まず、完了するのは2020年以降と言われています。
そして、ドイツ、福島事故以降、脱原発を始めたのですが、核のゴミの処分は全く決まっていません。
原子炉1基を廃炉にするのは500億円以上かかり(当初の見積もりの25%増し)、ドイツ全体の廃炉に1.1兆円かかる模様なのです。
そのドイツのゴアレーベン、核廃棄物の処分地として、候補に挙げられていますが、核廃棄物は10万年経たないと安全になりません(永岡注:小出先生のお話では100万年です)。このゴアレーベン、他に産業もないのに、豪華な温泉施設、公共施設があり、もう、お分かりの通り、日本と同じで、核廃棄物の一時貯蔵による補助金で、ゴアレーベンの収入140万ユーロのうち実に80万ユーロが補助金です。補助金漬けで、自立できなくなったと、ゴアレーベンの農家は語りました。
そして、このゴアレーベン、岩塩層であり、3億年前に出来たため、候補なのですが、10万年安全かは、全く不明です。
この岩塩層に取材陣も入りましたが、万一のためにガスマスク&酸素ボンベを持っての取材なのです。
日本から、山本太郎さん、福島の人が来て脱原発を訴えました。山本さん、原発を止めても核のゴミは残る、このままだと日本は核のゴミの置き場にされてしまうと訴え、また福島の人は、ドイツが脱原発を決定し、日本はやっていないことに泣いておられました。
脱原発を決めたドイツですら、この困難なのです。日本ではどうなのでしょうか?
気の遠くなる時間がかかるのです。
関西テレビ、なかなかいいものを報道してくれました。これを、お伝えいたしました。
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