小出先生、「原発は停止しても解体しても安全ではなく、何百年、何千年の御守りが必要…」
- 2012年 2月 25日
- 交流の広場
- 原発小出裕章松元保昭
みなさまへ 松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」2月23日分の転送です。引き続き、ジャーナリストの西谷文和さんのお話がありましたので、いっしょにお届けいたします。
小出先生、「原発は、稼働中はもちろん停止しても解体しても安全ではなく、その後何百年、何千年と御守りをしなければならない。使用済み燃料は100万年のスケール」と語っています。
西谷文和さん、イラク、アフガンでの劣化ウラン被害のお話です。
●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。
http://hiroakikoide.wordpress.com/
=====23日のお話=====
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の藤田悟さんの案内で放送されました。
原発のニュース、東電は福島2号機の3か所の温度計、故障していないものが上昇していると発表し、一つは故障と判断されたものの、水を減らして温度上昇が出たと見ています。
そして、小出先生のお話、ニュースでも出た、2号機の温度計の食い違い、圧力容器の底の温度計の一つが上昇し49度を示した(もう一つは37度)、水の量で温度が変わったと東電は言うものの、原子炉圧力容器は鋼鉄製、直径5m、高さ20m、新幹線を縦にしたようなもので、その胴に温度計を置いて、風呂のような静かな状態ではなく、水を入れて、底に穴、融けた炉心がまだ泥のようにぐるぐる回っており、部分的に温度の高いところ、低いところが出るのは不思議ではないのです。ただし、現場の状況が過酷で測定器が潰れて、今回も、また温度計が故障に向かっていると思われるのです。東電は数日見ると言うが、それで決着がつくのです。が、そうなると温度計は生きているのは一つで、しかしその下のものは生きているものの、測定器が壊れているのです。
今日はリスナーの質問特集で、現在ほとんどの原発が停止しており、止まっていたら地震でも大丈夫かについて、動いていたら危険だが、止まっていても安全ではなく、動いていた時の核分裂生成物は残っており、福島でも使用済み燃料プールが危機であり、他の原発も停止させても、安全にはならないのです。安全にするには、止めて解体するしかなく、解体しても核分裂生成物は消えず、これのおもりが必要なのです。
静岡の方より、福島の原発は40年、解体にそれ以上かかるが、容器は劣化して、危険ではないかについて、圧力容器は鋼鉄製で、これの劣化は中性子の被曝によるもので、停止したら劣化はゼロではなくても考えなくていいのです。ガラスみたいにはならないのです。玄海の原子炉は普通の温度でもガラスであり、止めていたらそれ以上には脆くならない(がそのおもりがいる)。解体は大変で、40年しか動かず、使用済み燃料は100万年お守りかいるのです。時間がたつと新しい問題が出るのです。
福島の命と未来を放射能から守る会、南相馬の黒い粉末から100万ベクレル/kgのセシウムが出たこと、これは高く、小出先生も意外で、高すぎると思うのです。放射能がある場所に濃縮されることは自然にあり得て(ホットスポット、マイクロスポット)、そういうことも起こり得るのです。南相馬だけでなく、福島の各地に存在する可能性はあるのです。マイクロスポットは東京でもあるはずなのです。
今日は、リスナーの質問特集をお知らせいたしました。
=====西谷文和さんのお話=====
永岡です、たね蒔きジャーナル、続いて、イラクの子供を救う会の代表でジャーナリストである、アフガン取材から帰られた西谷文和さんのお話がありました。
西谷さん、2月1日~16日、カブールの取材、北部も行き、カブールの避難民キャンプを取材されました。ビンラディンが殺されても、タリバンが復活して、アメリカは国境を空爆して、際限なくやっているのです。治安は、米軍とタリバンの和平会議があり、良くなったものの、会議が決裂したらアウトなのです。国際的な治安部隊は撤退していますが、まだいて、米軍目当てのテロはあり得るのです。
市民は、マイナス20度まで下がり寒く、一つのキャンプで子供が10~20人死ぬ(標高1800m、日本の信州並み)、肺炎+低体温症で子供が死ぬのです。藤田さんもアフガンへ行かれて、日本人には厳しいとコメントされました。
キャンプが出来て5年なのにまだテント、仮設などで来ていないのです。国連も、NGOも支援が届かず、一つのキャンプに1000届いても、難民は増えて(最大10000人)、足りないのです。
放射能兵器の劣化ウラン弾、日本も放射能被害が出ており、イラク戦争で劣化ウランはあったものの、アメリカは90年代以降全てで使い、劣化ウランは対戦車用、アメリカには有効で、ボスニアでも使われていたのです。
リスナーより、劣化ウランについての質問があり、80年代までタングステン、鉛を使っていたのが、自然界で最も重いウランが有効になったのです。劣化ウランで出来た戦車もある(どんな弾も跳ね返すが、兵士が被曝して、アメリカで裁判になっているのです)。天然ウランを濃縮し、絞りかすが劣化ウラン、原発のある限り出てくる、安くて有効なものなのです。爆発して、小さな粉になり、それを吸い込み内部被曝→がんになるのです。
西谷さん、病院でがん専門病棟があり、子供に障害が、考えられない先天性の奇形があるのです。甲状腺がんもあり、治療体制は、薬が足りず、点滴を打つのみ、白血病は直る可能性はあるが、先天性の奇形はインドかパキスタンに行かないとダメ、もっと重症だとドイツか日本でないとだめで、お金がないのでそんな治療は出来ないのです。
藤田さん、政権に調査する能力はないか聞かれて、カルザイはアメリカの作った大統領で、医者が被害を明らかにしたら捕まる、劣化ウランはアフガンではタブー、日本でしか放送しないと言うと喋ってくれるが、アフガンの放送では言わないのです。
アフガンの人、イラクと異なり、貧しく、子供たちは文字が読めず、奇形、がんの理由が劣化ウランと分からないのです。
リスナーより、劣化ウランとは小さな原爆との指摘があり、国連で禁止する傾向もあり、クラスター爆弾は禁止されたが、米軍にはクラスターより有効で、条約が出来てもアメリカは守らないのです。アメリカの国内で国民が知り、アメリカでキャンペーンする、イラクでもサマワで劣化ウラン弾が使われ、影響が出ているのです。
アフガンでも、同じ被害で、カルザイにとってアメリカと日本は金づるであり、劣化ウランを暴くとお金が来なくならないのでやらないのです。日本政府がアメリカにものを言わないといけない、沖縄の基地ひとつ解決できない政府ではダメなのです。
リスナーより、いつも犠牲になるのは子供と指摘があり、藤田さん、アメリカはイラク、アフガンでテロとの戦いと言いつつ、アメリカに都合のいいテロとの戦いで、現地の被害が過小評価されるとの指摘があり、西谷さん、巻き添えで市民が殺され、それが新たなタリバンとなり自爆テロになる、悪循環で、アメリカで、戦争で儲かる企業があり、アメリカの不況解決に、戦争が口実にされているのです。
リスナーより、劣化ウランで戦車を作る意味はについて、無人戦闘機がひとつ12億円、アメリカかから空爆で来て、ゲームみたいに戦争できるのです。ゲームだと簡単に殺せて兵士の負担も少ないと言うことなのです。戦争で儲かるもののための戦争で、今年オバマはこれ以上兵士が死ぬと再選されず、こういうことをしているのです。
リスナーより、常任理事国の多数決でどうにかならないかは、アメリカ反対、日本保留、他は反対で、アメリカがジャイアンなら、日本はスネ夫なのです。批准しないと実効性がないのです。反カダフィーにもクラスターがあり、武器の取引は儲かるのです。
西谷さん、報告会を行い、映像を観てもらうのです。入場は無料です。
以上のHPも参照してください。
以上、西谷さんのお話をお届けいたしました。
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パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭
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