原発を問う民衆法廷第1回公判:起訴状
- 2012年 2月 29日
- 交流の広場
- 原発を問う民衆法廷松元保昭
みなさまへ 松元
2月25日に開催された世界初の「原発を問う民衆法廷」第一回公判の映像が、「民衆法廷規定」「原発を問う民衆法廷Q&A」「起訴状」などとともに公式ブログ(まだ未完ですが)に掲載されています。
歴史的な惨事をもたらした東電、政府など原子力村の犯罪を裁くことは、日本民衆の歴史的な責務です。その第一歩です。ここでは起訴状だけを紹介させていただきます。この「裁き」が現実になることを祈ります。
■原発民衆法廷公式ブログ
http://genpatsu-houtei.blogspot.com/
●ustreamでも公判映像が観れます。
http://www.ustream.tv/recorded/20678440
=====以下、「起訴状」転載=====
起訴状
2012年検第1号
起 訴 状
2012年2月21日
原発民衆法廷判事団 御中
原発民衆法廷検事団
検察官 検事 河 合 弘 之
同 田 部 知 江 子
同 上 杉 崇 子
同 中 川 重 徳
同 河 村 健 夫
同 深 井 剛 志
下記被告事件につき公訴を提起する。
記
菅 直 人(前 内 閣 総 理 大 臣)
枝 野 幸 男(前 内 閣 官 房 長 官)
海江田 万 里(前 経 済 産 業 大 臣)
東京電力株式会社(代表取締役社長 西澤 俊夫)
勝 俣 恒 久(東京電力株式会社 取締役会長)
清 水 正 孝(東京電力株式会社 前取締役社長)
武 藤 栄 (東京電力株式会社 前取締役副社長)
班 目 春 樹(原子力安全委員会委員長)
寺 坂 信 昭(前原子力安全・保安院 院長)
近 藤 駿 介(原子力委員会委員長)
公 訴 事 実
第1 被告人東京電力株式会社、勝俣恒久、清水正孝、武藤栄に関して
1 人の健康に関わる公害犯罪の処罰に関する法律2条・4条違反(主位的訴因)
被告人東京電力株式会社(以下、「東京電力」という。)は、電気事業等を営む株式会社として1971年3月より福島第1原子力発電所(以下、「第1原発」という。)を稼働させている事業者であり、被告人勝俣恒久、清水正孝、武藤栄は、この第1原発1号機乃至4号機の稼動にあたり、当時各々取締役会長、取締役社長、取締役副社長兼原子力・立地本部長として、地震、津波、シビアアクシデント及び水素爆発等の防止に対する対策を行い、放射性物質が環境中に排出されることを防止する注意義務があり、この注意義務を怠った場合には大量の放射性物質が環境中に排出され、第1原発の近隣のみならず広範囲に居住する公衆の生命又は身体に危険が生じることを認識しながらあえてこの対策を行わなかった。
これにより、2011年3月11日、同1号機乃至3号機において炉心溶融(メルトダウン)を発生させるとともに、同1号機、3号機及び4号機において原子炉建屋の屋根を破損する水素爆発を発生させ、77京(77×10の16乗)ベクレルに及ぶ大量の放射性物質を環境中に放出させた。
このため、同第1原発の半径20キロメートル圏内を多量の放射性物質で汚染し、地震及び津波の被災者の救助・捜索は困難にし、汚染がなければ救助可能であった被災者を死亡させた。また、同圏内における居住を困難にするとともに、企業、農業、酪農業、漁業などの経済活動を停止に追い込んだ。
さらに、第1原発から半径30キロメートル圏外の飯舘村、福島市、郡山市等においても多数の者を大量の被曝に晒し、もって、これらの者に遺伝子損傷、免疫機能の低下、持続的(慢性的)炎症等の身体的傷害及び抑うつ状態等の精神的傷害の危険を生じさせたのみならず、第1原発の南西約4キロに位置する福島県大熊町内所在の医療法人 博文会 双葉病院の入院患者らを重度
の被曝に晒し、さらなる被曝を避けるべく実施された緊急避難等によって、同入院患者ら50名を死亡させ、2011年3月には須賀川市在住の有機農業従事者を、同年4月には飯舘村在住の102歳の男性を、同年6月には相馬市在住の酪農従事者及び南相馬市在住の93歳の女性を、放射能汚染により絶望に陥らせ、自死に至らせるなど、公衆の生命及び身体に危険を生ぜせしめたものである。
2 人の健康に関わる公害犯罪の処罰に関する法律3条・4条違反(予備的訴因)
被告人東京電力は、電気事業等を営む株式会社として1971年3月より福島第1原発を稼働させている事業者であり、被告人勝俣恒久、清水正孝、武藤栄は、同第1原発1号機乃至4号機の稼動にあたり、当時各々取締役会長、取締役社長、取締役副社長兼原子力・立地本部長として、地震、津波、シビアアクシデント及び水素爆発等に対する対策を行い、放射性物質が環境中に排出されることを防止する注意義務があったのに、漫然これを怠った。
これにより、2011年3月11日、同1号機乃至3号機において炉心溶融(メルトダウン)が発生するとともに、同1号機、3号機及び4号機において原子炉建屋の屋根を破損する水素爆発を発生させ、77京(77×10の16乗)ベクレルに及ぶ大量の放射性物質を環境中に放出させた。
このため、同第1原発の半径20キロメートル圏内は多量の放射性物質で汚染され、地震及び津波の被災者の救助・捜索は困難となり、汚染がなければ救助可能であった被災者を死に至らしめた。また、同圏内における居住を困難にするとともに、企業、農業、酪農業、漁業などの経済活動を停止に追い込んだ。
さらに、第1原発から半径30キロメートル圏外の飯舘村、福島市、郡山市等においても多数の者を大量の被曝に晒し、もって、これらの者に遺伝子損傷、免疫機能の低下、持続的(慢性的)炎症等の身体的傷害及び抑うつ状態等の精神的傷害の危険を生じさせたのみならず、第1原発の南西約4キロに位置する福島県大熊町内所在の医療法人 博文会 双葉病院の入院患者らを重度
の被曝に晒し、さらなる被曝を避けるべく実施された緊急避難等によって、同入院患者ら50名を死亡に至らしめ、2011年3月には須賀川市在住の有機農業従事者を、同年4月には飯舘村在住の102歳の男性を、同年6月には相馬市在住の酪農従事者及び南相馬市在住の93歳の女性を、放射能汚染により絶望に陥らせ自死に至らせるなど、公衆の生命及び身体に危険を生ぜせしめたものである。
3 業務上過失致死傷罪
被告人東京電力は、電気事業等を営む株式会社として1971年3月より福島第一原発を稼働させている事業者であり、被告人勝俣恒久、清水正孝、武藤栄は、同第1原発1号機乃至4号機の稼動にあたり、当時各々取締役会長、取締役社長、取締役副社長兼原子力・立地本部長として、地震、津波、シビアアクシデント及び水素爆発等に対する対策を行い、放射性物質が環境中に排出されることを防止する注意義務があったのに、漫然これを怠った。
これにより、2011年3月11日、同1号機乃至3号機において炉心溶融(メルトダウン)が発生するとともに、同1号機、3号機及び4号機において原子炉建屋の屋根を破損する水素爆発を発生させ、77京(77×10の16乗)ベクレルに及ぶ大量の放射性物質を環境中に放出させた。
このため、同第1原発半径20キロメートル圏内は多量の放射性物質で汚染され、地震及び津波の被災者の救助・捜索は困難となり、汚染がなければ救助が可能であった被災者を死に至らしめた。また、同圏内における居住を困難にするとともに、企業、農業、酪農業、漁業などの経済活動を停止に追い込んだ。
さらに、第1原発から半径30キロメートル圏外の飯舘村、福島市、郡山市等においても、多数の者を大量の被曝に晒し、もって、これらの者に遺伝子損傷、免疫機能の低下、持続的(慢性的)炎症等の身体的傷害及び抑うつ状態等の精神的傷害を生じさせたのみならず、第1原発の南西約4キロに位置する福島県大熊町内所在の医療法人博文会 双葉病院の入院患者らを重度の被曝に
晒し、さらなる被曝を避けるべく実施された緊急避難等によって、同入院患者ら50名を死亡に至らしめ、2011年3月には須賀川市在住の有機農業従事者を、同年4月には飯舘村在住の102歳の男性を、同年6月には相馬市在住の酪農従事者及び南相馬市在住の93歳の女性を、放射能汚染により絶望に陥らせ、自死に至らしめたものである。
第2 被告人班目春樹、寺坂信昭、近藤駿介について~業務上過失致死傷罪
被告人班目春樹、寺坂信昭、近藤駿介は、各々原子力安全委員会委員長、原子力安全・保安院 院長、原子力委員会委員長として、日本国内の原子力発電所に関し、保有する電力会社に対し、地震、津波、シビアアクシデント及び水素爆発等に対する対策が行われ、放射性物質が環境中に排出されることのないよう監督すべき義務があるのに漫然これを怠った。
これにより、2011年3月11日、同1号機乃至3号機において炉心溶融(メルトダウン)が発生するとともに、同1号機、3号機及び4号機において原子炉建屋の屋根を破損する水素爆発を発生させ、77京(77×10の16乗)ベクレルに及ぶ大量の放射性物質を環境中に放出された。
このため、同第1原発の半径20キロメートル圏内は多量の放射性物質で汚染され、地震及び津波の被災者の救助・捜索は困難となり、汚染がなければ救助可能であった被災者を死に至らしめた。また、同圏内における居住を困難にするとともに、企業、農業、酪農業、漁業などの経済活動を停止に追い込んだ。
さらに、第1原発から半径30キロメートル圏外の飯舘村、福島市、郡山市等においても多数の者を大量の被曝に晒し、もって、これらの者に遺伝子損傷、免疫機能の低下、持続的(慢性的)炎症等の身体的傷害及び抑うつ状態等の精神的傷害を生じさせたのみならず、第1原発の南西約4キロに位置する福島県大熊町内所在の医療法人 博文会 双葉病院の入院患者らを重度の被
曝に晒し、さらなる被曝を避けるべく実施された緊急避難等によって、同入院患者ら50名を死亡に至らしめ、2011年3月には須賀川市在住の有機農業従事者を、同年4月には飯舘村在住の102歳の男性を、同年6月には相馬市在住の酪農従事者及び南相馬市在住の93歳の女性を、放射能汚染により絶望に陥らせ、自死に至らしめたものである。
第3 被告人菅直人、枝野幸男、海江田万里について~業務上過失致死傷罪
被告人菅直人、枝野幸男、海江田万里は、各々当時、内閣総理大臣、内閣官房長官、経済産業大臣として、日本国内の原子力発電所に関し、保有する電力会社に対し、地震、津波、シビアアクシデント及び水素爆発等に対する対策が行われ、放射性物質が環境中に排出されることのないよう監督すべき義務があったのに漫然これを怠った。
これにより、2011年3月11日、同1号機乃至3号機において炉心溶融(メルトダウン)が発生するとともに、同1号機、3号機及び4号機において原子炉建屋の屋根を破損する水素爆発を発生させ、77京(77×10の16乗)ベクレルに及ぶ大量の放射性物質を環境中に放出された。
さらに、同第1原発の半径20キロメートル圏内は多量の放射性物質で汚染され、地震及び津波の被災者の救助・捜索は困難となり、汚染がなければ救助可能であった被災者を死に至らしめた。また、同圏内における居住を困難にするとともに、企業、農業、酪農業、漁業などの経済活動を停止に追い込んだ。
また、被告人菅直人、枝野幸男、海江田万里は、各々当時、内閣総理大臣、内閣官房長官、経済産業大臣として、政府が把握している放射能汚染情報を適切に国民に提供し、放射線被曝及び汚染を最小限にするための注意義務があるにかかわらずこれを怠り、第1原発から半径30キロメートル圏外の飯舘村、福島市、郡山市等においても多数の者を大量の被曝に晒し、もって、これらの者の中に遺伝子損傷、免疫機能の低下、持続的(慢性的)炎症等の身体的傷害及び抑うつ状態等の精神的傷害を生じさせたのみならず、第1原発の南西約4キロに位置するある福島県大熊町内所在の医療法人 博文会 双葉病院の入院患者らを
重度の被曝に晒し、さらなる被曝を避けるべく実施された緊急避難等によって、同入院患者ら50名を死亡に至らしめ、また、2011年3月には須賀川市在住の有機農業従事者を、同年4月には飯舘村在住の102歳の男性を、同年6月には相馬市在住の酪農従事者及び南相馬市在住の93歳の女性を、放射能汚染により絶望に陥らせ、自死に至らしめたものである。
罪 名 及 び 罰 条
第1 1 人の健康に関わる公害犯罪の処罰に関する法律 2条 4条
2 人の健康に関わる公害犯罪の処罰に関する法律
3条 4条
3 業務上過失致死傷 刑法211条
第2 業務上過失致死傷
刑法211条
第3 業務上過失致死傷
刑法211条
人の健康に関わる公害犯罪の処罰に関する法律
第2条
1 工場又は事業場における事業活動に伴つて人の健康を害する物質(身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質を含む。以下同じ。)を排出し、公衆の生命又は身体に危険を生じさせた者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯し、よつて人を死傷させた者は、七年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
第3条
業務上必要な注意を怠り、工場又は事業場における事業活動に伴って人の健康を害する物質を排出し、公衆の生命又は身体に危険を生じさせた者は、2年以下の懲役もしくは禁錮又は二百万円以下の罰金に処する。
第4条
法人の代表者又は法人もしくは人の代理人、使用人その他の従事者が、その法人又は人の業務に関して前二条の罪を犯したときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
刑法211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
(以上、転載終わり)
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