小出先生、「従来の指針は、事故によって事実上崩壊している」
- 2012年 3月 16日
- 交流の広場
- 原発小出裕章松元保昭
みなさまへ 松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」3月14日、15日分の転送です。「たね蒔きジャーナル」、小出先生による原発報道が2年目に入り坂田記念ジャーナリズム賞の2011年度特別賞に選ばれたそうです。
14日、「ストレステストはまったく意味がない」「従来の指針は、事故によって事実として崩壊してしている」といいます。
瓦礫処理にかんして、「100パーセント捕捉できなくともやるべき」「私の関心ごとは、子ども全体の被曝をどうしたら少なく出来るか」この点にあります、と語っています。
●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。http://hiroakikoide.wordpress.com/
=====14日のお話=====
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞専門編集委員の近藤勝重さんの案内で放送されました。今日で、小出先生がこの番組に出られてから1年です。と思ったら、東京で大きな地震(千葉で震度5強)で、近藤さんも地震を感じられています。
原発のニュース、大飯3,4号機の再稼働の中止を求めて滋賀の住民が裁判を起こしました。大阪地裁で、市民80人が原告、国の設計指針は福島事故前で、これの改定まで認めるなという裁判です。保安院の審査書を審査して、野田総理は再稼働に前向きです。
敦賀1号機が運転開始から42年になり、アメリカGEの沸騰水型、定期検査中で、政府は40年にする改正案を提出し、細野氏、再稼働はしないと言っています。日本原子力発電は、60年運転できると安全性を強調しています。美浜も40年なのです。
アメリカの規制委員会、原子力規制庁が有効になるよう支援すると言うことです。公聴会をアメリカでは年間1000回開いているのです。福島については、4号機の燃料取出しが課題です。
そして、小出先生のお話、4号機のプールのリスクが課題とアメリカも言っており、アメリカも同じ見方で、プールから燃料棒取り出しが課題と言うものの、「取り出すのは難しい」、4号機のプールは崩壊の危機にあり、さっきも地震でエッと小出先生思われて、福島の近くでなくて良かったと思ったが、大きな余震で崩壊し、一刻も早く取り出さないといけないが、4号機は激しく壊れて、クレーンも壊れて、瓦礫もプールにあり、どうやって安全に移せるかが難しいのです。東電も被曝の中作業をしているのですが、被曝をしても早くやりたいと東電も思っているし、小出先生も早くしてほしいのです。
近藤さん、課題と日本政府でなく、アメリカが言っていること、今年の地震の頻度、東大の地震の予測を見たら、国が前面に出てやってくれと言われて、再稼働はいいから、と言うことです。
ストレステスト、国に認められるステップで、政治判断であり、ストレステストは意味なしと小出先生言われて、従来の安全指針は福島事故で事実として崩壊し、他のことを言っているに過ぎず、中身は昔と同じ、想定した事故に対して計算することで、想定外は無意味になり、こんなことをやってはいけない。斑目氏もまずいと思っても、政治の力で突破されたと言われました。
近藤さん、原発がいつ国策になったか聞いていない、今の政治家が我々の意思を判断していないと言われて、小出先生も同意されて、住民の声を聞いて政治判断も乱暴(首長は交付金で操られているのでOKと言わないといけない、野田氏がOKと言えばGOサインになる)と言うことです。
福島原発に、今の地震で異常はなしと水野さん言われました。
韓国の原発の故障、電源停止(12分間)、コリ原発で、これについて、地震でも津波でもなく、機械そのままで全所停電する、日本では津波さえ防げばいいとしているが、津波なしでもアウトなのです。それでも機械はトラブルを起こすのです。電源停止が続くと、これは停止中であったから良かったので、崩壊熱は1日で1/10になり、12分間も乗り切れたが、運転中なら、12分間の電源停止でも危険であったのです(日本でも30分が限界)。
小出先生のお話も2年目に入りました。これをお知らせいたしました。
=====15日のお話=====
永岡です、毎日放送ラジオのたね蒔きジャーナル、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の藤田悟さんの案内で放送されました。坂田記念ジャーナリズム賞の2011年度特別賞に、たね蒔きジャーナルの原発報道が選ばれたのです。震災直後から小出先生のお話を届けたことが評価されました。ラジオ報道の力を再認識させたと表彰されています。
原発のニュース、静岡・島田市で瓦礫受入れを正式に表明しています。今月末までに受け入れたいと言うことなのです。処分場の地権者は反対しています。
家庭向けの電気料金の安易な値上げを防ぐため、経産省が外部の専門家による点検を行うことを決めています。
運転開始から30年の伊方2号機、今後10年間の運転を保安院が認可しています。30年を超えるのは20基目になります。
そして、小出先生のお話、この番組が表彰されたことで、小出先生は皆さんの功績と言われました。
リスナーの質問、震災瓦礫について、宮城・岩手も放射能が深刻なのかというもので(福島の瓦礫は圏外に出さない)、同じくではなく、濃密に汚染されたのは福島のもので、しかし岩手・宮城も汚染され、関西も汚染されている、全地球が汚染されているのです。物凄い汚染のひどいところから薄いところまであるのです。
瓦礫について、小出先生は福島の子供のために緊急避難的に全国でと言われていますが、現在の炉を改良して特別なシステム、これは日本の技術で作れるのか、管理できるのかについて、それはある、焼却施設にバグフィルターがあり、きっちり管理したら放射能も取れる。きっちり管理されるかを現場でテストしないといけない。試験場でやっても意味なし、現場で取れるのかを調べたらいい。バグフィルターが駄目なら、セラミックフィルターなどがあり、小出先生の職場でもフィルターがあり、技術もあり、放射能を取れるように改良できるのです。
焼却した灰は、放射能が濃縮されるので、廃棄物と混ぜるのは間違い。東電の所有物で、東電に返すのが筋であり、福島の処理に使うコンクリートにしたらいいのです。
東京の方より、福島第2の前に家があり(そこから東京に避難)、中間貯蔵施設が出来たら、そこへ帰れるか、貯蔵施設のそばに帰れるかについて、中間貯蔵施設を作られたら帰れない、最終的な核のゴミ捨て場になり、小出先生は放射能は東電の所有物で、福島第1に返すべきだが、こちらは戦争状態、なら次の候補は東電の本社ビル、会長室、社長室も核のゴミで埋めるべきで、それが駄目なら福島第2に置いたらいい、それでだめなら双葉郡の土地を使うべきであり、ゴミ捨て場にされたら、そこには人は住めないのです。
藤田さん、特殊なフィルターで処理できることについて、煙の中に放射能があり、それを取れるのかについて、100のものを100取れるのは無理だが、99.9を捕まえるのは出来るのです。どこまで容認できるか、皆さんの判断が必要、子供の被曝を少なくするのが小出先生の関心で、99%取れるならやるべきなのです。
今日も、小出先生のお話をお届けいたしました。
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