大阪都に向けて
- 2012年 4月 1日
- 評論・紹介・意見
- やすい・ゆたか大阪都構想平松邦夫
平松邦夫さん(前大阪市長)の敗因は受身だったことであろう。
大阪都構想を批判するだけで、ビジョンがなかった。大阪府民、大阪市民は真剣に沈滞からの脱出を求めているのだ。だからたとえデメリットの方が多いかもしれない大阪都構想でも、何かやろうとしていることに期待を持つわけである。これに負けないくらいの花火を打ち上げないと勝てなかったのは道理である。
今後は大阪都構想を作成する過程で、その問題点をクリアし、解決策を模索していくように議論すべきであろう。大阪都構想を協議すること自体を拒否するようでは、せっかく大阪再生にみんなで取り組もうということで、大阪都構想が出されているのに、その話し合いに加わらないでは、建設的ではない。
福祉財源の問題が都構想を推進するネックだ。広域で福祉財源を調節するような仕組みがぜひ必要である。そして低所得者、生活保護受給者が集中している地域に、副都心をつくり、食文化、芸能文化の発信基地にしたり、外国人街を整備して国際都市をアピールすることである。そこにアジア各地からの留学生のための施設を建設し、中国や韓国の企業も誘致して雇用を創出し、所得を増やす施策が必要である。
大阪には大山古墳を含む百舌鳥古墳群や応神天皇陵を含む古市古墳群など世界的に見てもすごい規模の古墳群がある。今世界遺産にする動きがあるが、発掘調査を大々的にして、河内王朝やイワレヒコ東征前の原日本像などに焦点を当てて、大阪が日本の原郷であることをアピールするのも大阪復興に役立つはずである。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion0837 :120401〕
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