矢ヶ崎克馬・守田敏也『内部被曝』是非購入、お読み下さ~い!
- 2012年 4月 4日
- 交流の広場
- 『内部被曝』守田敏也矢ヶ崎克馬諸留能興
矢ヶ崎克馬(やがさき・かつま)・守田敏也(もりた・としや)共著
『内部被曝』 [71頁]
岩波ブックレットNo.832
定価560円+税
2012[平成24]年3月6日 第一刷発行
ISBN 978-4-00-270832-4 C0336 \560E
を紹介、お奨めします。
全71頁の、薄くて、小型のポータブルな好著です。
まだ読んでない方は是非、御購入、御一読下さい。
原子炉や放射能に関する専門的知識の無い方のために、
矢ヶ崎・守田両氏の対話形式で、
大変解りやすい文章で書かれているのも有り難い。
内容的にも、とても簡潔なだけでなく、
何が問題なのかを、全体を見渡す広い視野から、
的確に指摘しています。
一般市民待望の好著です。
政府や自治体や専門家が盛んに宣伝している
「この放射能は○○値以下なので安全です」の説明が、
いかに、「国民市民を欺くもの」、
科学的根拠に基づかない「欺瞞的安全神話」でしかないかが、
手に取るように解ります。
お値段も560円+税と手頃な価格です。
喫茶店のコーヒー2杯分を我慢するだけで、
これだけ豊かで正確な知識が得られま~す (*^o^*)
福島第一原発事故以降、
放射能や原子力・原子力発電に関する多くの本が出版されています。
しかし、そのほとんどは、細かな専門分野に入り込んだものが多く、
一般市民が、気軽に読めるようなものは(チラシ類以外は)、
ほとんどありませんでした。
私(諸留)も、こうした状況を嘆かわしいなぁ・・と思っていました。
一般市民向けの解りやすい解説書出版の必要性を、
痛感してましたので、とても嬉しく思ってます。
「放射能や原子力など、難しいことは専門家に任せておけばいい」といった、
専門家任せの風潮が、今回の全日本列島放射能汚染の悲劇を招きました。
専門家丸投げの神話盲信の過ちを二度と犯さないためにも、
是非、皆様の御一読をお奨めします。
★★購入ご希望の方に★★
お近くの書店でお買い求め頂けない方は、
私(諸留)まで御連絡下されば
送料無料でお手元まで郵送でお届け致します。
———-以下、簡単な内容紹介—————
○著者紹介氏:
矢ヶ崎克馬
1943年生まれ。沖縄県在住。
広島大学大学院理学研究科博士課程単位取得満期退学。
理学博士。専攻は物理。
琉球大学理学部教授。理学部長などを経て、2009年3月、定年退職。
琉球大学名誉教授。2003年より、原爆症認定集団訴訟で「内部被曝」について証言をする。
東日本大震災以後は、福島ほか、全国各地で講演をしている。
著書に『隠された被曝』(新日本出版社)、『力学入門(6版)』(裳華房)などがある。
守田敏也氏:
1959年生まれ。京都市在住。
同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て、
現在フリーライターとして取材活動を続け、社会的共通資本に関する研究を進めている。
ナラ枯れ問題に深く関わり、京都の大文字などで害虫防除も実施。
東日本大震災以後は、広くネットで情報を発信し、関西をはじめ被災地でも講演を続けている。
また、京都OHANAプロジェクトのメンバーとして、
被災地に中古の自転車を整備して届ける活動をおこなっている。
○目次:
第1章 被曝直後の福島を訪れて
第2章 内部被曝のメカニズムと恐ろしさ
第3章 誰が放射線のリスクを決めてきたのか
第4章 なぜ内部被曝は小さく見積もられてきたのか
第5章 放射線被曝に、どのように立ち向かうのか
○本書で一番大切な点:
原発再稼働の是非、放射能汚染した震災地瓦礫焼却の全国自治体受け入れの是非、
食品安全基準値の是非‥‥など、
今、日本国内では、論争・混乱・対立が、渦巻いています。
混乱とゴマカシ、欺瞞的な見せかけの安全神話の横行‥‥の、
その「根っこ」には、「内部被曝が過小評価されてきた」という歴史的事実の見逃し、
見落としがあったことを、この著書も明確に指摘し、再確認しています。
「放射線の問題をつきつめていくと、必ず突き当たるのが原爆の問題なのです」
「内部被曝を小さく見積もることも、アメリカ(とそれに従属してきた我が国)の核戦略のなかでなされたきたということです」
「国際放射線防護委員会(ICRP)が内部被曝を、無視した体系を作り上げてきたのも、核戦略の重要な一環です。それがいまの福島原発事故への政府(や自治体)の対応、すでに飛び出してしまった膨大な放射性物質への対処をも大きく規定しています。」(同書43頁)
「国際放射線防護委員会(ICRP)の<1958年勧告>に、放射線のリスクは『原子力の実際上の応用を拡大することから生じると思われる利益を考えると、容認され正当化されてよい』という文言が盛り込まれ、これが<1990年勧告><経済的・社会的要因を考慮して合理的に達成できる限り、放射能を防護する>とみとめられるにいたったのだと思います。」(同書48頁)
核兵器開発と経済発展という、
2本柱の目標が最優先される限りでの【放射能防護基準】‥‥(というよりも)【放射能我慢強制値基準】‥‥
これが、現在の我が国の政府、自治体の言う、
放射能安全値の実態なのです。
皆様、一人一人の、真の科学的思考が、いま、問われています。
「放射能に安全値はあるのか?」
「私たちの幸せとは何なのか?」
「高濃度放射能汚染の日本列島で今後長期間生活することになった、
私たち日本人一人一人が、今後、どうやって生きていべきか?」 ‥‥など、
この好著によって、皆様お一人、お一人が、自分自身のアタマでしっかり考え、
目先だけの損得にとらわれない、数百年・数千年後の、子々孫々の幸せまで見通した、
確かな選択をして欲しいと、切に願ってます。
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