教科書問題等、服部良一衆議院議員質問&政府答弁
- 2012年 4月 5日
- 交流の広場
- 国会質問増田都子政府答弁教科書問題
<転送、大歓迎!>
皆様
こんばんは。犯罪都教委&1・5悪都議と、断固、闘う増田です! 重複・超長文!? ご容赦を!
服部良一(社民党)衆議院議員が、「つくる会」系教科書問題と「教員の地位(教育の自由)」についての国際的最低基準であるILO/ユネスコ「教員の地位に関する勧告」について、たいへん、興味深い質問主意書を政府に提出してくださっていました! 政府答弁たるや『検定合格した教科書』にウソが書いてあり、「歴史偽造」をやっていたって、全く「問題ない」!? という、分かってはいても、やっぱり、改めて唖然とする厚顔さで・・・
以下、簡単にまとめてみました。関心のある方は、ぜひ、原文をお読みください!
◎12年1/31、3/12 服部良一議員の質問主意書の要旨&政府答弁(2/10、3/21)
原文は、下記の衆議院HPのURL「質問主意書&答弁書」の26、134にあります。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_shitsumon.htm
<質問主意書前文>
二〇〇一年に「新しい歴史教科書」が検定合格して以来、わが国の中学校歴史教科書問題は国際的にも関心が寄せられている。また、一九六六年、わが国も賛成して採択されたILO/ユネスコ『教員の地位に関する勧告』(以下「勧告」とする)は教員の地位に関する国際基準となっており、教科書の選択等についても、「不可欠な役割を与えられるべき」(「勧告」61項)とされている。
また、同「勧告」は、教員の社会的地位のみならず「労働条件」等も含むことが「勧告」1項(ロ)に明記されており、我が国の教育行政も、これを遵守することが望まれるところである。
したがって、次の事項について質問する。
1、<「子どもの権利委員会、第五四会期(二〇一〇年五月二五日~六月一一日)」による74’75項の勧告について。>
ここに挙げられている「歴史的出来事に対する日本側の解釈しか記述されていない」「歴史教科書」、「アジア・太平洋地域の歴史的出来事に関するバランスのとれた見方が提示され」ていない「検定教科書」とは、「新しい歴史教科書をつくる会」等が編集した扶桑社歴史教科書、自由社歴史教科書であることが明らかであるが、この勧告に対し、どのように対処されたか、明らかにされたい。
<3/21答弁>
お尋ねについては、平成二十二年七月十三日付けの書簡をもって(略)「我が国で小・中・高等学校等の教科書について採用されている教科書検定制度は、国が特定の歴史認識、歴史事実を確定するという立場に立って行うものではなく民間が著作・編集した図書の具体の記述について、政府外の有識者をメンバーとする教科用図書検定調査審議会が、検定の時点における客観的な学問的成果や適切な資料等に照らして、明らかな誤りや著しくバランスを欠いた記述などの欠点を指摘することにより実施されています。
その際、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことを目標に掲げる教育基本法や、近隣のアジア諸国との国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がなされていること等を内容とする検定基準等に基づいて審査が行われています。そのため、日本の歴史教科書が日本の解釈のみを反映しているため、地域の他国の児童との相互理解を強化していないとの指摘には当たりません。日本政府としては、歴史教育の適切な実施等を通じて、児童生徒が我が国及び世界に対する理解を深めるよう努力するとともに、近隣諸国をはじめ諸外国との相互理解、相互信頼の促進に努めていることをお伝えします。」と伝えたところである。
<増田の感想>
子どもの権利委員会=国際社会が、扶桑社・自由社歴史教科書による「日本の侵略正当化」=「歴史偽造」に対して「バランス」を欠くと批判し、懸念を持っていることを日本政府に伝えたことに関して、日本政府は、即座に居直った!? んですねぇ・・・
なにしろ「検定は・・・教科用図書検定調査審議会が・・・明らかな誤りや著しくバランスを欠いた記述などの欠点を指摘することにより実施」して、「合格」しているんだから、「バランス」を欠く教科書なんぞ、日本には存在しないよっ!?
2、<明確な誤りの記載について>
前記出版社の二種類の教科書については、従来から数々の誤りが指摘されてきた。一例をあげれば、用語「明治維新」の由来説明として、「王政復古の大号令の中では、すべてを新たに始めることを意味する『維(こ)れ新たなり』という言葉が用いられた。」と本文に記述されていた。
しかし、王政復古令の中には、このような言葉は用いられていない。やっと二〇一〇年度の検定で「誤りである」と指摘され削除されることになったが、それまで、四回の検定では総計四〇人近い検定担当者が、誰一人として原典の「王政復古の大号令」との照合をしていなかったことになる。
このような杜撰な「検定」を行ったのはなぜか?
「明治維新」の語源に関する教科書記述の誤りを是正するべき検定上の義務を、政府が長年に渡って怠ったことにより、前記四回の検定で合格した教科書で学んだ中学生の多くはすでに卒業しているため、正確な知識を知る権利を侵害されたままになっている。
そこで、何らかの方法でこれらの既卒者たちに正確な知識を知らせ、人権侵害の状況を解消する必要があると考えるが、政府の認識及び具体的な対応方針を明らかにされたい。
<3/21答弁>
我が国の教科用図書検定制度は、民間が著作編集した図書の具体的な記述について、教科用図書検定基準等に従い、教科用図書検定調査審議会の調査審議に基づいて、検定の時点における客観的な学問的成果や適切な資料等に照らして記述の欠陥を指摘することを基本として実施しているものである。
平成十二年度から平成二十年度までの教科用図書検定における御指摘の記述については、それぞれの検定の時点において、検定基準等に従い、審議会の専門的な調査審議により教科用図書として適切と判断され、合格となったものであり、各学校において、合格となったこれらの教科用図書を使用して指導が行われることについては、御指摘のような問題はないものと考えている。
<増田の感想>
いやはや・・・居直ること、居直ること!? こんなにも明々白々な「誤り」=ウソの教科書記載についても、「審議会の専門的な調査審議」で「検定」に「合格」しているんだから、「教科用図書として適切」なんだよっ!? 「誤り」=ウソをそのまま教師が生徒に教え、生徒がその「誤り」=ウソを「真実」と思い込んでしまおうがなんだろうが、いいんだよっ!?
3、<教師が教科書の誤りについて、正しく「歴史偽造」と教えることについて>
歴史事実に無いことを有るとするような歴史を偽り造る記載のある教科書について、教員が「これは誤っています。歴史を偽造するもので、このような言葉は王政復古の大号令にはありません。検定済教科書にも誤りがあります」と教えることは正当であり、むしろ、この誤りを見抜けず、そのまま教える教員は誤った歴史を生徒に教えたことになると思われるが、見解を明らかにされたい。
<2/10 答弁>
各学校においては、学習指導要領に基づき、教科用図書を使用して、適切な指導が行われるべきものと考える。
<服部議員再質問>
「適切な指導」には「検定済教科書にも誤りがある」と生徒に説明することも含まれるとの解釈が成り立つことになる。この解釈についての可否を明確に示されたい。
<3/21答弁>
各学校においては、学習指導要領に基づき、教科用図書を使用して、適切な指導が行われるべきものと考えるが、このことは、各学校における実際の授業において、教員が客観的かつ十分な根拠に基づき、教科用図書の記述とは異なる見解にも言及しつつ指導を行うことを妨げるものではないと考えている。
4、<ILO/ユネスコ「教員の地位に関する勧告」について>
① 「二月一〇日付政府答弁書」回答には「旧文部省から、都道府県の各教育委員会に対して送付し、周知を図った」とあるが、その日時、及び、その態様について、本「勧告」コピーを配布したのみか、採択背景についての解説を付したか等、明らかにされたい。
② 教科書採択に当たっては教員の望む教科書を明らかにする、いわゆる学校票といわれるもの等を重視するよう、政府・文部科学省は前記「勧告」61項に基づき、各教育委員会を指導する責任があると思われるが、指導を行ったことがあるか、また、今後、行う予定があるか、明らかにされたい。
③ 1/16最高裁判所は「日の丸・君が代」不起立教員に対する東京都教育委員会の懲戒処分について、停職や減給は裁量権の乱用による違法行為と認定し確定した。「勧告」に明記されている通り、「教員団体は懲戒問題を扱う機関の設置に当たって、協議にあずからなければならない」こと(49項)、及び「教員と使用者との間の紛争を処理するため、適切な合同の機構が設」けられること(84項)が実現していれば、このような誤った違法な処分の乱発はかなり防げると考えられる。
よって、特に上記勧告については、早急に実現させることが必要であると思われるが、「勧告」に基づき各地の教育委員会を指導する予定があるか、明らかにされたい。
<3/21答弁>
① 御指摘の「勧告」については、昭和四十二(※1967)年十一月三十日に、旧文部省から都道府県の各教育委員会に対して送付したところであるが、その態様については、確認できる関係文書が保存されていないため、お答えすることは困難である。
② (※2/10答弁)この「勧告」の内容については、我が国の実情や法制に適合した方法で取り組むべきものと考えており、各教育委員会に対して御指摘のような指導を行う予定はない。
なお、我が国の教科用図書の採択は、一般には、校長、教員、教育委員会関係者及び保護者等の意見を聞きながら、住民に対し責任を持って教科用図書の採択が行われるよう教育委員会の権限と責任で行われており、文部科学省としては、採択権者たる教育委員会の権限と責任の下に、適正かつ公正な採択が行われるよう、都道府県の各教育委員会に対して通知しているところである。
③ 御指摘のような公務員に対する「懲戒処分」については、懲戒権者たる各教育委員会において、御指摘の判決等も踏まえ、法令等に基づき適切に判断し、対応されるべきものであると考えており、文部科学省として、各教育委員会に対し、お尋ねのような指導を行うことは予定していない。
<増田の感想>
とにかく、国際的な最低基準として日本政府も賛成した1966年の「教員の地位に関する勧告」は、1967年に一度だけ、コピーを「都道府県の各教育委員会に対して送付した」だけで終わり!? この国際的最低基準を実現しようという意思、ゼロ!?
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