テント日誌5/16日 経産前省テント広場―249日目 原発ゼロ11日目
- 2012年 5月 20日
- 交流の広場
- 経産前省テントひろば
通りすがりの人との対話にも味わい深いものがある。
昨日の雨から一転して今日は汗ばむような暑さが感じられる。暦の上ではもう立夏も過ぎたのだから当然であるが、風が心地いい。テントも強めの風に煽られているが、この霞が関の一角に腰を下ろしたようで手前みそになるが風格も出てきたように思う。テントには多くの人が訪ねてくるが、通りすがりで結構興味のある人も多い。よくテントの前を通り、いつか簡単な挨拶を交わすようになった人もいる。そんな一人に僕と同年輩と思われる婦人がいるのだが、テント前で立話をした。
この近辺で日本料理屋を40年程やっているとのことで、霞ヶ関の住人(官僚の)のことはよく知っているのだろう。話のきっかけは梅雨になったらテントも大変ということで湿気対策などを提示してくれたことからはじまった。僕が5月というのは雨や湿気も含めて割と好きな方であり、風情というか季節感が好きなのだが、湿気対策は健康上も必要ということで考えたい。炭での対策などいろいろのアドバイスを参考にしたいと思う。この話から彼女は官僚や日本の政治のことまで進んだ。官僚に対して割と好意的で同情的なのはここの住民としてのことだろうが、官僚も縛られて動けないのであると言っていた。背後の政治力としてのアメリカということまで話しは進んだが、官僚は国民の声を求めているところもあるのよ、というのが彼女の意見だった。官僚の為にもこのテントは必要で、こんなふうなのははじめてだが官僚にも伝わっているはずだと言っていた。
テント前の椅子にすわって妄想とも回想ともつかぬことに耽っていたら、同年輩の男の人に声をかけられた。船橋の方の人でよく通るが初めてだと隣にすわった。何かしたいのだけどどうしていいかわからないという事だが、それは僕も同じでとりあえずテントを張り声をあげているのですよ、ということだった。これからは地域の集会にも顔をだすということで、船橋の近辺で開かれる6月8日の中村哲さんのアフガニスタン報告集会などを紹介した。やはり、人が何かに接近するには契機必要であり、ちょいとした勇気もいる。テントがそんな場になるといいと思う。
午後3時から第二テントでは「放射能線量にていての話」の講座がもたれた。これはチェルブイリと福島の比較をもとに低線量被曝とどう向き合うかという話であったが僕らが放射能線量ということについて僕らが何処までしているかということも含めたものであった。「大人と子供の臓器別セシウム137蓄積量比較」から福島での子供たちの診察状況まで多くの興味深い話だっただ、もう少し多くの人に話を聞いてもらいたかった。 (M/O)
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